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Demise ~終焉物語~  作者: メルゼ
『Notturno capriccioso』
38/72

その31 「心象具現礼装」

「さて、心具の話じゃが、前にも言うたが正式名称は心象具現礼装と言い、その名の通り心象を具現化しておるわけじゃ。この心象具現化には幾つか傾向があり、SINを発現した者の心具を大まかに分けて4つの系統に分ける事が出来る」

8つのものデザートを平らげたパフェは満足したのか、先程の続きを話し始めた。

話が始まるのはありがたいが、それにしても予想外の出費だ。

食欲など無いはずのパフェがまさかこれほど食べるとは。

いや、そもそも食欲など無いから際限無く食べてしまうのだろうか。

これで近々またお金を下ろさねばならなくなってしまった。

俺は財布の中身と領収書を見比べ憂鬱な気分となっていた。

「……4つの系統?」

心中でそっと溜め息を吐きつつも、そんな素振りをおくびにも出さず、聞き返す。

そう言えば何度かパフェが~系とか言っていたような気がする。

アレの事だろうか。

「装備系統、覚醒系統、領域系統、現象系統。例外が無いとは言わぬが、大多数はこのいずれかに当てはまる様になっておる」

パフェは白く、細い指を四本立てて、一つ一つ指折り数えて見せる。

「まず装備系統。これは………そうじゃな。主様がみた中では第六神の心具に該当する。文字通り武器や防具、装飾品から果ては家や城など身の回りにある物を創り出す系統じゃ。特色はよく言えばオールマイティ、悪く言えば器用貧乏。フィードバックダメージも比較的低めの、ど安定系統と言った所じゃの」

パフェの話を聞きながら、第六神、夢渡との戦いの様子を思い出す。

身に余る程の大きさの大剣を振り回し、一切歯が立たなかった。

第一契約を結べるようになった今でさえ、勝てるビジョンが見えない。

まあ、それは他の終焉神たちも同じ話だが。

それはひとまず置いといて、パフェの口から出た新たな単語を聞き返す。

「フィードバックダメージ?」

何となくの意味は解る。

だがこのようにして使われる単語は得てして意味合いが違う事が多々ある。

先入観で意味を決め付けるのは浅薄だろう。

「吾が主様に話したかった事の一つじゃ。そしてこれは主様が修行と休養を両立できない要因の一つでもある」

「まあ、簡単に言うとじゃな、フィードバックダメージとは心具を破壊された時に己に返ってくるダメージの事じゃ。心具は己の心象を使こうて創ってはおるが、それは消費ではない。確かに己にあるものじゃ、じゃから解除すれば元通りにもなるし、破壊されれば失ってしまう。フィードバックダメージとはその失った分のペナルティの様なものじゃ。主様も右腕の影響が如実に出ておるじゃろ?」

パフェは言葉と共に俺の右腕に視線を向ける。

俺も釣られる様に包帯で厳重に封印されている右腕に目を向ける。

正直今でも痛みはするが、姉貴の術式のお陰で耐えられないレベルではない。

だが確かに影響が出ていると言えばはっきりと出ていると言えるだろう。

「確かに今でも痛い」

俺は包帯の中の右腕を動かそうと試みて、痛みで顔を顰める。

まだ暫くは使い物にすらならないだろう。

「……………いや、それもじゃが、まあ主様には気付きにくい事かもしれぬの」

「なんだ? まだ何かあるのか?」

パフェは顎に指を添え、暫し考える素振りを見せる。

「―――――今日の主様は己でもいつもより気弱だとは思わぬか? 吾としては実にからかい甲斐があるのじゃが、やはり出会った時の様に何事にも揺らがない主様が好きじゃ」

馬鹿にしながらナチュラルに好きと言ってくるパフェ。

告白しているのか馬鹿にしているのかどっちなのだろうか。

「どちらも、じゃ」

俺の心の声が聞こえていたかのように、愉快そうにパフェは返事をする。

いい加減心の声が相手に洩れるのを何とかしなくてはならないのかもしれない。

「それと俺の休養と修行が両立できないのと何の関係があるんだ?」

パフェが心の声を読んでくる事は今は諦め、話を進める事にする。

「両立できない、は言い方が悪かったの。正確には両立する意味がない、と言った方が正しい。先程も言った通り心具は己の心象を使い創られておる。それにダメージがいったと言う事は心象領域が摩耗し、失われた事を意味する。そんな状態で心具を創る修行でもしてみろ、自ら心象領域をめちゃくちゃにするようなものじゃ。特にカルマの位階の心具を象っていない主様だとな」

「つまり、完治しなければ心具の修行はマイナスになると言う事か」

パフェは緩く笑い、肯定する。

右腕が治る時間にもよるが、パフェの口振りから心具の修行は殆ど諦めた方がよさそうだ。

そう考えた瞬間、ずきりと胸が痛む。

「さて、少し話が脱線したの。フィードバックの続きじゃが、要するに心具にダメージがいくとそれとは別に何らかの変調が発生する訳じゃ。具体的には心身の虚弱化、つまり身体能力の低下と精神力の低下と言う訳じゃ。心具は強い祈り、意思によって創られる。精神力が低下すれば当然心具は弱体化し、場合によっては心具その物を創れなくなってしまう事もある」

「それは放っておけば治る物なのか?」

もしかすればすぐに治るのかも、と言う何の根拠も無い淡い期待を胸に、パフェへ問う。

そんな甘い傷ではない事は受けた俺自身が良く解っているのだが、聞かずには居られなかった。

「治るか治らないかと言えば治るが、主様は時が心の傷トラウマを癒してくれるまで何年も待つつもりなのかや?」

案の定と言うべきか、思った通りの答えに俺は首を横に振り、返答した。

しかし、数年か。

ただでさえ俺達には時間がないのだ。

何年も掛けれる時間などあるはずがない。

「……だったらどうするんだ。時間も実力も足りないのは先刻承知のはずだろ」

自分でも少し解るくらいにはいらいらした声を出してしまう。

時間がないと解っているのに毎度毎度パフェの話は前置きが長すぎて要点に何時まで経っても辿り着かない。

そんなパフェの態度に何時しか俺は焦燥の色を隠せなくなっていた。

前回の戦闘は俺に終焉神同士の闘いと言う物を教えてくれた。

そしてそれが如何に遠く高いかを思い知らされたのだ。

「いい加減落ち着け主様。焦りは心具に力を生むが、回復を遅める。『喜』や『楽』と言わぬから平常心で居れ」

怒る訳でも苛立つ訳でも呆れる訳でも無く、パフェは淡々と自然体で俺を諭す言葉を吐き出す。

それに対して文句を言おうとしたところで、パフェの強い瞳に黙らされる。

「―――っ」

喉まで出かかった言葉は言葉にならず、吐息として宙へ消えて行く。

「焦りたくなる気持ちも解る、前向きに何かしようと言う気持ちも解る。じゃから落ち着け、心安らかな状態こそ心象領域に安定をもたらす。それこそ何よりも大事な事だと解らぬ主様ではないじゃろ?」

その言葉で冷水を掛けられたように焦りが沈静化する。

「―――ああ、あんたの言う通りだ」

鎮静され、冷静となった思考で俺は今、自分の心が弱っている事をはっきりと自覚した。

そう、まるで―――。

―――まるで人間の時の様だ、と。

思わず出た比喩表現に頭が痛くなる。

そんな俺の様子を気にせず、パフェは再び話し始める。

「一先ず話を心具の系統の話に戻す。次は覚醒系統、これは主様の心具が該当する。特徴としては使用者の身体の一部と融合して発現する、と言う事じゃ。その事から融合系統とも呼ばれたりもするが、厳密には融合ではない為正式な名称は覚醒系統と呼ばれておる。吾としては融合系統の方が解り易いとは思うのじゃがの」

不満そうな顔でパフェは折角吾が名付けたのに、と漏らす。

パフェのそんな呟きの意味を少し想像して空寒さを覚えた。

神に必須の概念心具の前提である心具の系統の名称を名付けるなど、一体何時から生きているのだろうか、と。

長生きだと言っても限度があると言うモノだ。

「まあよい、“覚醒系統”の特色じゃが、ハイリスクハイリターンと言った所じゃの。威力、概念の干渉力、強度、操作性、どれをとっても心具の中で最高のパラメーターじゃ。じゃが当然そのリスクは重い。フィードバックダメージは群を抜いておる。主様の“それ”は拮抗した遠心型同士の鍔迫り合いだけで出来た傷じゃ。もし切り落とされておったら二度と再生しなかっただけでなく、一発で廃人となっていたかもしれぬ。それ程までに覚醒系統の心具のコストは重いのじゃ。覚醒系統は数値だけみれば最強じゃが心具の創り直しを許さぬ系統じゃ。心具は武器であり、弱点でもある諸刃の剣である事を主様は特に理解してくれ」

パフェは指で軽く俺の右腕を弾く。

包帯の結界より外部の衝撃は吸収され、痛みとして伝わる事はない。

暗に二度と無茶はするな、と警告しているのかもしれない。

「3つ目は領域系統。該当者は恐らく第九神じゃな」

「恐らく?」

曖昧なパフェのもの言いにオウム返しする。

「主様も見たじゃろ? 彼奴が幾つもの神器を取り出している所を」

「ああ」

「装備系統やそのほかの系統でこういう事をする事は可能か不可能で言えば可能じゃが、実際に最もあり得る可能性がこの領域系統じゃ。この系統は装備や覚醒と違い物質的なものを創り出さない系統じゃ。具体的に言うと空間、領域、結界を創り出す系統じゃ。特色はフィードバックダメージが最も低く、空間把握能力に優れている所と、空間を創り出す事による最高範囲の概念干渉じゃ。領域系統は正しく概念干渉の為だけに特化した系統と言える。じゃがまあ、その分他の系統よりも概念干渉力は遥かに低く、また空間を呼び出しておる為、概念心具を武器や防具として使えず、契約と概念による殆ど生身の戦闘しか行えないのが欠点じゃ」

「成程、だから第九神あいつは多種多様の神器を召喚して使わざる負えなかったんだな」

「そう言う事じゃ。アレは己の系統の特性をよく理解しておる。その上で最も効果的に使用しておった。彼奴が神器を集めておるのも蒐集家という面もあるじゃろうが、最大の理由は自己強化の為じゃろう」

確かに第九神が何かを転送する概念を持っていたのなら、武器として様々な神器を召喚する意味はこれで解る。

しかし、一つだけ腑に落ちない事がある。

「だが、あいつは第二契約を結んだ辺りから電柱の様な馬鹿でかいサーベルを取りだしただろ。あれは何なんだ?」

確かパフェはあの時アレに対して~系統と言っていた。

それはパフェが先ほど述べた4つの系統の内どれにも該当しない名前である。

そしてパフェは4つの系統をSINを発現した者の心具と言っていた。

そこから推測するに第九神が出したアレは四つの系統の例外ではなく上の位階、第二契約時に創れる心具なのではないだろうか。

勿論第九神が二つ系統を操れ、その内の一つが4つの系統に当てはまらない特殊な例、と言う可能性も否定できないのだが。

「くっく、よく覚えておったの。じゃがその話は後じゃ。残る系統、現象系統を説明してからの」

俺の質問を保留にし、パフェは少しうずうずした様子で口を開く。

先程何時から生きているのか解らない事に恐怖を感じた所とは一変して、無邪気……は違うな、子供の様に説明したくて堪らないと言う顔をするパフェを見て、精神年齢は俺達とさほど変わらないのではないかと思いたくなった。

そしてその態度から何故説明したいのかもう解る。

その系統がパフェの系統なのだろう。

「該当する心具は吾の此の『漆黒』じゃ」

と、自慢げに漆黒の布を取り出すパフェ。

「この系統はちと特殊での、心具を創り出すのに何らかの条件が必要な系統じゃ。例えば吾の心具でゆくと闇が必要となる」

「『漆黒』を創り出すのに『闇』が必要? どう言う事だ?」

昼であれ夜であれ、パフェが心具を創るのを困っていた所など見た事がない。

現に真昼間でさえ掌の上から心具を創っている所を幾度も見てきた。

「ふむ、そのまま噛み砕けばいいだけなのじゃが、理解したい主様にとっては少々解りにくかったかの。――――――――そうじゃのぅ、この世界で言う火とマッチ或いはライターの関係……の様なものじゃ。マッチやライターは火を熾す道具じゃが、ただあるだけでは火は熾きん。それらを用い着火させる必要がある。それと同じように現象系統も心具を起動するには何らかの引き金アクションが必要、と言う訳じゃ。そのアクションは物質物体に留まらず、行為行動など多種多様じゃ」

パフェは創り出した漆黒を影絵のようにくるくる変化させて見せる。

一応ここは店の中なのだが、こんな手品紛いの事をして大丈夫なのだろうか。

俺はちらちらと店内へ視線を走らせる。

幸いな事に客足は疎らで、パフェの行動を気にしているものはいなかった。

「今そうやって自由に創り出しているが、本当に闇を必要としているのか?」

「ん? 何を言っておる。闇ならばあるじゃろここに」

パフェの言葉で俺は辺りをきょろきょろ見渡す。

確かに建物の中だからテーブルの下や食器のそばには影が出来てはいるのだが、それならば何故パフェの掌の上から生まれるのだろうか。

それとも闇さえあれば創りだせる場所は関係ないのだろうか。

「ここじゃよ、ここ。この吾こそが闇じゃ」

薄い胸に手を当て大仰に威張る。

薄いと思った瞬間睨まれたが、人の心の声を聞く方が悪い。

「―――さて、ここまでで何か心具について質問はあるかの?」

掌の上に漆黒を折りたたむと、背凭れに体を預け、少し不機嫌そうに踏ん反り返る。

「現象系統の特色についてまだ聞いていないのだが」

「主様が遮……いやまあ良い。特色はじゃな、吾の心具の様に一定の形を持たぬ流動体である事が多い。なので装備や覚醒の様に心具が破壊される、と言う事がない……消失はあるがの。だからフィードバックに関しては領域系統並みにダメージが無いと言ってもよい。その上領域系統と違い心具を武器や楯に出来るのじゃから使い勝手は非常に良い。じゃがまあ、この系統にもデメリットはある。今まで見てきた主様は何じゃと思う?」

「場所や状況、時間などに左右されるんだろ? あんたの場合昼に弱体化するのは心具が見えやすくなるからではなく創れる心具の量が減るから、だろ?」

先程の様にパフェは自分の体を媒体にしても創る事が出来るので戦う事事態は可能だが、幾らでもどこからでも創れる夜と比べるとどうしても劣ってしまう。

とは言え、これは弱体化でも何でもない所がパフェの胡散臭い所だろう。

「………概ねそんなところじゃ。まだ何か質問があるかや?」

パフェは一瞬解答を躊躇う様な素振りを見せる。

何か他に理由でもあるのだろうか。

「………この後第九神の第二契約後の心具について教えてくれるのであれば何もない」

問い詰めるかとも思ったが、話せないと言う事は何か訳があるのだろう。

黙って話を進める。

「随分とソレに興味津々じゃのう、そんなに強くなりたいとはやはり男の子じゃな」

ふふん、と半ば小馬鹿にしたように笑いながら見つめてくるパフェに抗議しようとしたが、時間の無駄だと思い直しやめる。

ただ、心の中で弁明するなら誰だって自分の命が危険にさらされていると解っているのであればそれなりの対処はするであろうと言う事だ。

第二契約が俺にとってのソレだっただけで、別に無闇に強くなりたい訳ではない。

「主様の考えておる通り、概念心具はKARMAの位階に辿り着くと新たな系統へと進化する。要塞系統、神化系統、聖域系統、召喚系統の4つじゃ。詳しい事については主様が第二契約に至る妨げとなるので話さぬが、SINの系統の上位互換と考えていればよい」

「上位互換? じゃあ領域系統の上位系統は要塞系統になるのか?」

それが正しいと言うのであれば妙な話だ。

領域系統と言えば心具で空間を創る系統だと聞いた。

その上位系統があの電柱の様な長さの剣になるとは考えにくい。

まだ上位系統がどのようなものか名前しか知らないので憶測でしかないのだが。

「あぁ、そうではなくての。先程カルマの心具はシンの心具の上位互換と言ったが、そのシンからカルマへ移行する際にちと特殊な変化をしていての。必ずしもシンの系統の上位互換へなる訳ではないのじゃ」

「どういうことだ?」

シンが装備系統だったとして、カルマの系統が装備系統の上位系統である要塞系統へとなる訳ではないと言う事じゃ。つまり、装備系統から4つの上位系統への道があり、同じ様に覚醒や領域、現象にも上位系統の様な道がある訳じゃ」

「つまり、シンカルマでそれぞれ一系統ずつ所持できると言う事か?」

「うむ、概略するとその通りじゃが、一つ間違えてはならんのが、カルマの系統が同じだとしてもシンの系統が違えばそれは別の系統だと言う事じゃ」

「……? シンの系統が違うだけでカルマの系統は同じなんだろ? ならカルマの心具だけで見れば同じ系統じゃないのか?」

領域系統の心具で一つ、要塞系統の心具で一つと言った様に俺は考えていたのだが、パフェの言葉と齟齬が生じる。

「確かにシンカルマで一系統ずつ所持できるとは言ったが、それらが別々の心具だとは一言も言ってはおらんぞ?」

「先も説明したように心具は心象領域から一部を切り出して創られておる。それが契約を重ねるごとに深層へと拡大されていくだけで基本的に繋がっておる。第九神を例にすると領域+要塞で一つの系統じゃ。じゃから第二契約を結べる神は16系統もの種類分けが出来る。まだまだ聞きたい事があるじゃろうが、カルマの系統についてはひとまずこの程度の説明で納得してくれ」

主様が強くなりたいのであれば特に、のと付け加え口を閉ざす。

先程ちらっと言っていた第二契約の妨げになると言っていた事の延長だろう。

「――――解った、一応何となくは飲み込めたし、今回はこれでいい」

俺はこれ以上質問はしない事をアピールするように肩をすくめる。

パフェは俺がまだ強くなれると確信していると解っただけで十分だ。

「そうかそうか、物分かりの良い主様で吾は……」

「だが、この心具みぎうでが具体的にどうすれば早く治せるのかは教えてもらうぞ。まさか当てがないとは言わせない」

逸る気持ちを抑えきれずパフェの言葉に被せる。

パフェと共に俺も早く回復しなければならない。

そうしないと第二契約も夢のまた夢だ。

「くっく、勿論じゃ。全て吾に任せれば良い……全て、な」

パフェは扇子で口元を隠しながら今にも吹き出しそうな意地の悪い顔で笑っていた。

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