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Demise ~終焉物語~  作者: メルゼ
『Notturno capriccioso』
26/72

その19 「三と七」

「こんな所でなにしてるん、パフェ? そんな状態でこの街歩いとったら死ぬで」

散歩でもするかの様に片割れの少女がこちらに歩いてくる。

薄氷色アイスブルーの髪に特徴的なウサギのロップイヤーの様な帽子。

それに同伴する男が一人。

「死ぬ? 適当な事ぬかすんじゃねぇーよ、殺されるの間違いだろうが」

男の方はスラリとした長身の体格に胸まで伸びる黄褐色の長髪、猛禽類の様な鋭い眼でこちらを睨んでいた。

脳裏にいつぞやの光景がフラッシュバックする。

こんな奴ら忘れようが無い。

紅天と一緒に行った店で見たあの時の二人だ。

前回と違い能力が中途半端に神に近づいた所為で、二人から漏れ出す神気が痛いくらいに感じる。

特に薄氷色の髪の少女の方。

コイツはやばい。

何がやばいかよく解らないが、こいつの攻撃は喰らいたくない。

こんなに膨大な存在圧を示しているのに、ここまで近づかなければその存在を感じる事が出来ない。

存在がでかすぎて常に『世界』から修正が入る所為で、直接でしか情報を感知する事が出来ないのだ。

間違いなくこいつらは終焉神だろう。

一人相手にするだけでもラスボスの様な大変さなのに次から次へと終焉神が出てくるのはどう言う事だ。

まるで趣味の悪い物語の生贄に選ばれたような気分だ。

そう『どうあがいても絶望』と銘を打たれて。

『―――――』

―――っ!?

そんなバカの事を考えた瞬間、ノイズと共に脳裏に一瞬一本の槍が映る。

何だ今のは?

心臓が刺されたかのように痛みを伴って激しく鼓動する。

無意識のうちに距離を取ろうとしてか、後ずさる。

「おいおいおい、何シカトして逃げようとしてんだ? 斬り殺されてぇのか、餓鬼」

「っ!?」

いつの間にか男が左横に出現しており、胸倉を掴まれる。

そしてそのまま宙づりに持ちあげられる。

その瞬間意識は現実へと舞い戻る。

何だ?

今どうやって俺の横に出現したんだ?

動く素振りはおろか、視界から消えた事に真横から声をかけられて初めて気付いた。

「くっ!!」

男の手を解こうと両手で掴むが、ビクともしない。

幾らまだ力の使い方が慣れていないとはいえ、この差は冗談じゃない。

「ふっ!!」

両腕の筋肉を限界まで膨張させ、腕を引きはがしにかかる。

が、万力の様な力で締めあげられていないのにも拘らず、男の腕は空間に固定されているかのように僅かな震えすら起こさない。

「おい餓鬼、病人じゃねぇんだからもっと力籠めろや。こんな程度じゃ……」

と男が言いきろうとした瞬間、俺の服からウニの様に黒い刺が無数に突き出る。

長さにして2,3mだが初速は眼で追えないくらい早い。

この服はパフェの心具で出来ているので伸縮自在で盾にも槍にも使える優れ物だ。

俺も一応操作できない事はないが、今回は俺ではない。

「何の用じゃ、第七神ベイグウォード、第三神ミュールヒル」

パフェが少女とその隣にいつの間にか戻っていた男を睨みつける。

俺は胸元に手を当てながら呆然と縮んでいく刺を見つめていた。

まただ。

また男の行動が見えなかった。

いつ胸倉を放されたのかもわからない。

気が付くと解放されていた。

あんな至近距離でパフェが攻撃したのにも拘らず、男の服にすら掠った様子はない。

ますますもって厄介だ。

コレを見た今でさえも俺は男と少女どちらと戦いたくないかと言えば、少女の方だからだ。

だからと言って男の方も現状勝てる気はしない。

どうしたものかと悩みながらも、注意深く二人の仕草を観察する。

「あぁ? 用? んなもん必要あんのか? ――――終焉神おれらの闘いに理由がいんのか?」

「用なぁ………、ここらへんで結構大きい神気感じて追ってみたんやけど、失敗やわ。出汁に使われて逃げられたし」

二人とも同時に返答しようとして声が重なる。

お互いがお互いに好き勝手に喋ってるせいで所々しか言葉を拾えない。

「むっ!」

「ぁ?」

一瞬静寂。

―――そして。

「「っ!!!!!」」

ベイグウォードとミュールヒルはお互いにぎろりと睨むと額と手を擦り合わせる様に掴み合い、ぎりぎりと鍔迫り合いを始めた。

あまりの突然さに呆然とする。

仲間割れ……なのだろうか?

パフェの横顔を盗み見る。

腕を組み、難しい顔をしている。

何か考え事をしている様だ。

視線を二人に戻す。

「なあ、今うちが喋ってる途中やったよなぁ?! なんでそこに声被せるん?! アホちゃうか、レディーファーストって言葉知らんのか、ボケっ!!」

「レディーファーストだぁ? 虚偽も大概にしろや婆っ! 乾物や干物より皺くちゃで雄雌判別できねぇ前時代のオーパーツの癖に適当な事ぬかしてんじゃねぇよっ!!」

「あぁっ?!! もう一遍言ってみろや、犬っころっ!!」

神気と神気がぶつかり、大気を震わせている最中、俺は呆然とパフェは思案顔で観戦していた。

今にも殺し合いを始めそうな勢いで、逃げる絶好の機会に思えるが案外そうではない。

それと言うのも二人の罵倒はヒートアップしているが、場の空気は反対に研ぎ澄まされて嵐の前の様な状態になっている。

今一歩でも動けば二人の矛先はこちらに向く事は目に見えている。

もし逃げるとしたら殺し合いが始まってからだろう。

それにしても……。

「終焉神ってどいつもこいつもこんな馬鹿なのか?」

パフェにだけ聞こえる様に思念を飛ばす。

原理については省略するが、パフェ専用のテレパシーだと思ってくれればいい。

それはそうとして、呆然と観戦して出た感想がこれだった。

仮にも敵を前にしてこれは無い。

パフェの時もうっすらと思ってはいたが、慢心し過ぎなのではなかろうか。

「まあ、馬鹿で愚かなのは認めるが間抜けではない。このまま放っておいても逃げられるとは思わぬ方がいいぞ。特に第七神……男の方じゃ。概念ルールが厄介なのは第三神の方じゃが、事逃げるにおいては第七神ベイグウォードを相手にするのは酷く分が悪い」

「さっきの突然現れたあれか? ワープでも出来るのかこいつは」

手品の様に突然現れ、消えた光景が思い出される。

間近で二度見ても解らなかった第七神の出現。

見えなかった以上考えられるのは時間を止めれるか、ワープできるか、超速で動けるか。

変則としては相手に記憶させないってのも考えられる。

が、求心型のパフェと共有する体を持つ俺に全く気付かれずに概念干渉出来るとは思えない。

ならば、残るはワープできるか目にも止まらぬ速さで動けるかの二つ。

どちらが関知しにくいかと言えばワープなので、一先ず聞いてみた。

「空間跳躍とは違うの、あれは簡単に言えば超加速の部類の概念ルールじゃ。最も先程のは概念など使ってはおらぬがの」

「どう言う意味だ?」

「そのままの意味じゃ。先程の空間跳躍に見えた移動速度がこやつの素の速度じゃ。なんせまだ吾が眼で追える速度じゃったからの。――――なんにせよ、ここは上手く交渉して潜らねばなるまい。何れ戦うにせよ今はまだこやつらとは戦える時期ではない」

相も変わらない無力さを苦々しく思いながらもパフェの言葉を聞き、二人へとフワフワ近寄るパフェを見送る。

それにしても概念抜きであの速力か。

あれから更に加速すると言うのであれば、概念ありで追いかけられれば地平線の先であろうとも追いつかれてしまうだろう。

如何に自分の認識が甘いかを再確認する羽目となった。

「痴話喧嘩もそれくらいにしたらどうじゃ」

「「ぁ?」」

二人にパフェは同時に目線と殺気と言葉を投げかけられる。

火に油を注いでいるのだが大丈夫なのか。

俺は一挙一動見逃さない様に3人を見つめる。

「別に用も何もないのじゃろ? ならば吾らはこれで帰らせてもらう。後は好きに二人で乳繰り合っておれ」

そうやってパフェが踵をかえす。

いや、かえそうとしたその時。

「なあ、何をそんなに焦ってるんパフェ? ――――――そんなにその子が大事なん?」

激情していた顔は何所へやら、そこには妙に冷めた目をした第三神がいた。

その眼を見た瞬間、心臓が鷲掴みされた様に不規則に動き出す。

体があれと向き合う事を忌避している。

けれど心はあれと戦う時を愉しむかのように凪いでいる。

この自己矛盾はなんだ?

何がそうさせるんだ?

増えるしこりを振り払い、パフェの返答を静かに待つ。

「…………」

パフェは答えない。

答えを悩むような素振りでも無く、黙秘が答えだと言わんばかりの勢いだ。

「……放せボケ」

一方的にミュールヒルはベイグに言い捨てると、弾く用に手を振り払った。

「わざわざうちらの事挑発気味にからかって、戦う雰囲気にしたくなかったんやろうけど、何なん? 第二神様がその子にそこまでする価値があるん?」

「止むに止まぬ事情があるのじゃ」

パフェの言葉を聞き、ミュールヒルは真横に拳を突き出す。

突き出した手は何もない空を殴り、静止する。

が、粉砕音と共にその先にある建物が崩壊した。

「へー、それって自分と命共有してるから護らなあかん~、みたいな戯言ちゃうよな? ――――――そんな必要無いもんなぁ。そんな状況なれば、あんたならその子の存在もろとも吸収すればええねんから」

薄く笑みを浮かべると、ミュールヒルは俺へと視線を合わせる。

道端の雑草を見るような眼つき。

お前は騙されているんだと暗に言いながらも、憐憫も侮蔑もその表情には無かった。

まるで騙されているのが当然とでも言いたい様だ。

確かにパフェの概念から考えれば出来る可能性が高い。

だが、俺は自分でも驚くほどに動揺しなかった。

何故だかは分からない。

相手の言葉を全く信用してない訳でも無い。

それでも尚それがどうしたと思えるくらいの余裕が俺には合った。

「ふーん、全然動揺せえへんか。よく躾が行きとどいてるって褒めたいとこやけど………」

薄ら笑いをやめてミュールヒルは一歩また一歩と俺に近づく。

「お前誰や? いや、ちゃう。お前なんや? なんでそんな眼でうちを見れるねん。ちょっと才能のあるだけの餓鬼かと思ってたけど、お前ちゃうな。何かもっと別の…」

敵意とも殺意とも言えない視線で第三神は俺を刺す様に見据えてきた。

そんなミュールヒルの視線を遮るようにパフェは俺と奴の間に移動する。

「あぁそうじゃ。吾が愛しの主様は違うぞ。そこらの那由他の雄とは違う。なんせ吾に見染められたのじゃからの。――――のう主様」

パフェはにやっと笑い、首だけ軽く振り向きこちらを見た。

その瞬間間違いなく世界は静止した。

何言ってるんだこいつ?

パフェの言った言葉と言うより、この状況で何故それを言い出したのか理解できずに視線が左右にゆっくり泳ぐ。

パフェが何か反応してほしそうにじっとこちらを見ているのが視界の隅からでも解る。

でも俺にどうしろと。

『オレノホウガアイシテルヨ、ハニー』

とでも言えと言うのか?

何と言っていいか解らず、反応に困った末にパフェから視線を逸らしながら頬を掻く。

すると。

『b』

と言う思念が伝わってきた。

何だ『b』って。

どう言う意味だよこれ。

そしてどうやったらそんな思念送れるんだ。

頭が痛くなるやり取りをそのままに、取り敢えず視線をミュールヒルに戻すと。

第三神は俺とパフェの間に視線を彷徨わせていた。

そして暫らく斜め上に視線を飛ばしたのち。

「……………は?」

と言う言葉を発した。

言葉と言うより動物的な感嘆詞。

今さっきまで刺すような表情をしていたミュールヒルの顔が完全に唖然の表情に変わっている。

そう、唖然。

微妙に口を開けて呆けている様は正しく唖然と言うべきだろう。

恐らく彼女は今頭の中が真白になる位呆然としてるだろう。

俺も同じようなものだから手に取る様に解る。

「理解できぬか第三神。一言で言うならば一目惚れの恋じゃ。愛する者を護りたくなるのは当然じゃろ? ―――――あー、そちは生娘じゃったか。ならば理解できぬのも当然じゃったか、すまんの」

謝りながらも悪びれる様子の無いパフェ。

それどころか更に燃料投下している。

本当に大丈夫なのだろうか。

最早空爆レベルの挑発をしているのだが。

パフェの言葉で今まで黙秘していた第七神が爆笑する。

それはもう腹のよじれる様な勢いで。

本当に何なのだろうこいつら。

「はっ!! き、生娘ちゃうわ。な、何周期生きてると思ってるねん、もう経験豊富のバリバリのお姉さんや」

「ならば吾が主様を護る理由も解るじゃろ? 経験豊富のお姉様」

しどろもどろになるミュールヒルを見て笑いながらパフェは『経験豊富のお姉様』を強調して言った。

「あぅ………」

反論の言葉も出ないのか、赤くなりシュンとなる第三神。

いいのかそれで。

これで丸め込まれていいのかあんた。

神がこんな高校生レベルの口論で騙されていいのか。

と突っ込みたくなったが、流石に口に出す事は無かった。

「ベイグぅ……」

ミュールヒルは物を強請る子供の様な眼で第七神を見る。

先程までのカリスマ性は何所へやら、子犬、いや兎?の様な愛玩動物みたいになってしまった。

彼は未だに低く唸る様に笑っていたが、ちらっとパフェを見るとミュールヒルに向き直った。

「諦めろ、口論の挑発に乗った時点でてめぇの負けだ。今手を出せば完全に生娘の嫉妬にしかならねーよ。自称経験豊富のお姉様名乗りたいなら諦めるこったな。にしてもこんな手段を使ってまで戦意喪失させてぇとなると、よっぽどその餓鬼の事が必要らしいな」

第七神は慰めてるとも馬鹿にしているともとれるような叩き方で第三神の頭をポンポンと叩く。

その眼は先程までの獲物を求めるギラギラした目ではなく、何処か鬱陶しそうな眼になっていた。

「そりゃあの。吾の大切なパートナーじゃからの」

「はっ、そのパートナーが生物兵器にかわらねぇ事を祈るよ」

祈る先はその兵器を創り出したとこだがな、と言い残し興味が無くなったかのように踵を返し消えた。

何が何でも戦わなければいけない人種に見えたが、案外交渉?も役に立つのだなと思った。

特にその時のテンションで生きている様なタイプには。

俺は第七神が消えた辺りを見ながら感慨にひたった。

後には納得いかない顔のミュールヒルが残されただけだった。

「…相方に取り残されたがいいのかや?」

パフェは俺と同じように第七神が消えた辺りを見つめていたが、思い出したかのように第三神に目を向ける。

「あ~、ええねん。野良犬気質な野郎やからそこらのゴン箱でも漁ってるやろ」

ゴン箱?

文脈からゴミ箱の事だろうか。

と言うより今更ながらなんで神が関西弁。

いやまあ、どうでもいい事なんだろうが。

「ではまだ何か用でもあるのか?」

「用って言うか、ん~、ほんまは始めっからちょっとからかうだけで戦う気なんてなかったんやけど、ちょっとその子に興味が湧いたわ。――――キミ名前、なんていうん?」

にこっと可愛らしく笑いながら上目遣いでこちらを見つめてくるミュールヒル。

こうして色眼鏡無しで見ると結構…いやかなりきれいな顔作りをしている。

一般的な男子ならばこの笑顔一発で堕ちるだろう。

喋らないでジッとしていれば、の話だが。

ちらりとパフェに視線を送る。

パチンとウィンクしながら可笑しそうに笑っていた。

答えてもかまわないと言うことだろう。

「――――輪廻架音だ」

「カノン、かぁ。うちは第三神ミュールヒル=ドレイクラン=フレイズヴァール。親しみを籠めてミュウと呼んでや」

「はぁ……」

第三神のペースに押されながらも生返事をする。

何なのだろうか一体。

「それで交渉やねんけどカノン、うちと腕試しせん? 条件は…うちは契約も概念も使わん、そっちは契約だろうが概念心具だろうが好きに使ってかまわん。殺す気はないけど当たりどころが悪くて死んだら勘弁してな。代わりにそっちは殺す気出来てかまわん。どうや、そっちにとっても美味しい話やと思うねんけど。――――練習相手ほしいんとちゃう?」

ミュールヒルはその場でくるりと回転すると、両腕を後ろで組み、首を掲げてこちらを窺う。

「………確かに悪くない話だが『こちらにとっても』と言う部分が腑に落ちない。あんたに何のメリットがあるっていうんだ?」

「あんたじゃなくてミュウ。いや、まあそれはええか。メリットならあるで、あんたらを強くするっていうメリットが」

俺達を強くすることがメリット?

一体どういう意味だ。

仲間や共同戦線を張る前提なら解る。

だが、こいつらにそんなつもりはないだろう。

ならば、俺達を強くする事によって間接的に得をすると言うことだろうか。

例えば敵の排除や囮に使ったりする、などで。

「あ~、勘違いせんといてな。別に裏でこそこそしたいからこんなこと言うわけちゃうで」

俺の心の声を読んだかのように俺の考えはミュールヒルに否定される。

「じゃあ、なぜ?」

「ん~とさ、正直言うて今のあんたら弱過ぎるねん。うちもベイグも今のあんたらは殺す価値も無いってのが本音。だから今回はからかって次回上手い事生きて強くなってたら美味しく頂こうと思ったんやけど」

そこでミュールヒルは言葉を切り、ちらっと俺を見る。

「カノン、あんたをこの目で見て気が変わった。いや、次回会うのが楽しみになったと言うべきやな。だから次にあんたらと会える倍率を今ここで上げる。要するにうちは次あんたらと戦う為にあんたらを強くする。敵に塩を送るやっけ? 何か微妙に違う気がするけど、まあそう言う訳や」

ミュールヒルは掌の上に白い立方体を浮かべる。

微かに光るそれはゆっくりと回転し続けていた。

「空間断絶結界か」

俺が疑問に思うよりも速くパフェはそれの答えを口にした。

「簡単な奴やけどな。それでもまあこん中に入ってれば三十分位は邪魔されずに持つやろ。だからうち以外に能力や今の実力がばれる事はない。――――それでどうする? やるかやらんか」

俺とパフェは一瞬視線を交わす。

思念を交わすまでも無い。

俺達は力強く頷いた。

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