第七章:ガランドとシアンの過去
ガランドとシアンの過去にはいったい何があったのか……
どうしてもう二人しかいないのか……
読んで見てください。
最強の剣聖ガランドと最強の能力者シアンはどこで出会ったのか?
なぜ魔法以外の力を手にしたいと思ったのか。
いま明らかになる。
ガランドとシアンは離れの縁側に移動する。
「懐かしいの……」
「道場を思い出すな」
「はい」
「あの子が命にかえても……」
「守りたい子なのだな」
「ええ、その通りです」
決意した顔をする。
「そうか……」
「雰囲気がミカに似ててのう……」
「動揺してしまったわい」
「わしもここに残ろう……」
「永住するのも悪くないな」
「あと何年生きれるかわからんが……」
「老いぼれの末路にはふさわしい」
その姿には哀愁が漂っている。
「……またご冗談を」
「長生きするでしょう」
シアンは微笑むが……
「抜かせ」
少しだけ笑うガランドであった。
「あれから何をしていたんですか?」
空白を埋めようとする。
「ああ……」
「このセカイを旅しておった」
「もうわしには何も、」
「残っていなかったしな」
「道場も孫も……」
ガランドは張り裂けそうな顔で呟く。
「あまりご自身を責めないで……」
シアンはとにかく慰めようと必死だ。
「あれはわしの行いの結果だ……」
「お前以外の門下生は残っておらん」
「私は出来の悪い弟子でしたよ」
「技術だけ奪って逃げたようなものです……」
「良い人はたくさんいました……」
シアンは申し訳なさそうな顔で話す。
「ああ……」
「……シアンよ」
「こんな老いぼれに、」
「何ができるかはわからんが……」
「あの子を守る手伝いをさせてはくれぬか?」
「もう二度と失いたくはないのだ」
ガランドは覚悟を決める。
「わかってます」
「アリシア様もきっと喜びますよ」
「とりあえずややこしいので……」
「祖父にしておきますか?」
二人は話がややこしくならないように、
口裏を合わせる。
「そうだな……」
「複雑すぎて一言で説明できぬ……」
「……まったくですね」
二人が苦笑いした直後に……
アリシアが走ってきた。
その手にはドクダミ茶を持っている。
「シアン!」
「やっぱりおじいちゃんと……」
「一緒にドクダミ茶を、」
「飲んだ方がいいと思ったの」
「わざわざありがとうございます」
「シアン、お主ドクダミ茶などを、」
「飲ませておるのか?」
「叔母さんに意地悪するためにね!」
「なんと腹黒い女じゃの!」
「シアン!おじいちゃんに、」
「怒られちゃったわね!」
「もう好きに言ってください……」
シアンは珍しく降参する。
「おじいちゃんの刀見てもいい?」
アリシアは興味津々で刀を触りたそうにしている。
「おうよ!」
「ただし気をつけい!」
「こいつは意志を持っておるからの……」
「気に入らん奴は切られてしまうぞ!」
「ハハハ!」
ガランドはわざとらしく大笑いする。
「おじい様……」
「さすがにやめたほうが……」
シアンはまずいと止めようとするが……
時既に遅し……
「あー持てた!」
「剣なんて初めて持ったわ」
嬉しそうに振り回すアリシア。
その後ろで叔母さんは、
子供じゃないんだからと……
呆れた顔で見ている。
「なんじゃと!?」
「あの無愛想な刀が!」
「認めたというのか!」
「さすがに私も驚きました……」
驚愕するガランドとシアン。
「面白くなってきた!」
「アリシアを見届けたいのう!」
「いずれわしの刀の後継者に……」
「いや……」
「よしておこう」
「もうやめたのだ……」
テンションの振れ幅が、
激しいガランドであった。
「昼食にしますか?」
「そうじゃな……」
「では準備します……」
「アリシアよ」
「気をつけるのだ」
「怪我をするぞ」
「そうね!」
「でも楽しいの!」
「なじんでる感じがするから」
「名前でもつけたあげたいな!」
なぜか嬉しそうにアリシアに懐いている刀。
「まあ良い……」
「好きなだけ振り回せ!」
ガランドは大喜びし、
指導を始めたくてウズウズしている。
「あんなに幸せそうなんだから……」
「止める権利はないわね……」
シアンは珍しくアリシア以外を労っている。
「さてと美味しい昼食を作りますか!」
厨房で調理を始めるシアンだが……
詮索好きの叔母が現れる……
ガランドとシアンの過去が少しずつ明らかになりました。
次回もお楽しみください。




