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―3―畏怖の世界線「ジパン・バルラー」  作者: 醒疹御六時
終章、確かなる手ごたえ
33/37

33、史上最年少の登山家、桜衣奈留紀(おうい・なるき)と人工生命技術

人工生命体と登山スポーツ選手の壮絶なる闘いを描いています。

始まりは、道彦が不運の事故に遭った時期とリンクしています。

――――

 技術の進歩を認めたジパン大国は阿歴を異歴として歴名を変更、年紀だけは受け継ぐ形をとる。


 その異歴203年頃、人工生命体の技術の進歩の裏では、健康成就ともされる神の儀式が500年の歴史を経て流行していた。神成リプラの生まれ故郷である弥氏の寺で洗礼された一人の幼子が『生命と根源』のモデルとなるまで、様々な岐路に立っていたリプラの幼馴染である。


 その幼子こそ“史上最年少の登山家、桜衣奈留紀”と呼ばれる女性である。幼少からスポーツ万能で数々の優勝を経て、身体能力においてはその才能を開花させる程だった。奈留紀の場合、身体能力だけでは成り立たなかった。その頭脳は学業においても成績も上位である理由としてスポーツ部門における脳酸素量と、地形に対する適応性を保つほど優れていた。


 異歴215年に標高2千メートルにある伊豆区山の登頂に成功すると僅か16歳である肉体を駆使してベシェトレブリー大陸にある標高5千メートルビコンファス山へ登頂する。


 そこで奈留紀はスポーツ業界に着目され2年に渡る身体強化と脳の耐久度テストを受けられる機会を得た。その一方で各地の山でライト・オブ・ホールによる災害事故がニュースとなる。


      ◆

「このようなニュースで私は登山の頂で成長を遂げることが出来ないのだろうか?」「・・・どうすれば?いや、奈留紀・・・君には最もらしいチャンスが訪れているよ!・・・この冊子を見てくれ」

「あ・・・!この人は、あのスポーツ業界で有名な・・・」

「時を待とう、そしてそれまで鍛錬を重ねておくんだ!」


 災害事故とは裏腹にスポーツ業界では、如何なる才を以ってしても通常の身体では9千メートル以内の登頂までが、自然と生命との限界である事が研究・実験的な工程を経てデーター分析を成される。

 そして異歴217年にデヴァ・イピョセ・美門スポーツ連盟より、人工生命体の移植手術を適合される。そこから奈留紀は多大な支援と援助のもと僅か3日のリハビリを経て2カ月で標高1万2千メートル“基壇な頂ポディオキー・エネル山”へ挑戦することが出来た。

 しかし、1万1千980メートルまで到達するとライト・オブ・ホールに引き寄せられ登頂を果たしていた事が判明する。

挿絵(By みてみん)

――――

「“バサッ”―くそっ!私にはまだやり遂げていない事がある・・・」

「桜衣選手・・・最登頂を目指すという夢を諦めては・・・?」

「いや、奈留紀一つだけ手はあるよ。コレを見てくれ―“スッ”」

“ペラッ、ペラ、ペラ・・・クシャ―こ、これはっ!?”

「――なんてこと・・・あの災害事故をモノにしろというの?」


 奈留紀は人工生命体に対する機械工学技術が適応されるようになり、ライト・オブ・ホールとの共鳴を果たす事を各専門技術者が、ジパン大国での評価を一気に押し上げる方向へと発展させた。

 あらゆる学問と科学が結集した最高傑作として奈留紀が、次に壮観なる頂きスぺキュトルキース山を制覇していた事や、異歴224年の25歳で全ての山を制覇したことが分かると新たな問題、身体の変容による現象で黄視炎敗血症こうしえん・はいけっしょうを患う事が判明・報道された。



「ごほ、げぼッ―、な・・・なぜ、この私が黄視炎敗血症なんかに・・・負ける?」



「どうやら科学的な視点だけだと、元々の身体機能へ感染源から身を守る事は厳しいかと思われます。そこで桜衣奈留紀さんの魂へ本来の肉体へと還す儀式が流行していると」

「奈留紀、君にはチャンスがある。大変だろうが気をしっかりもつんだよ」


 そこで魂の交信と呼ばれる神降しの儀式が着目され、奈留紀の人工生命体に創造的な命を宿すこととなる。

 そのような経緯からスポーツ界の才女が人工生命体を宿した結論として業界のカリスマとなる功績の第一歩を遂げたのである。その後、奈留紀は波戸家の妻となり出産に成功する。出産は人工生命体の技術から人工授精が採用された。

 奈留紀の夫の遺伝精子を定着させる機械的な要素が取り入れられ、その効果が多様化できる事も判明した。



「私はこの子の母であるけど、登山も諦める訳にはいかないよ・・・!」



 ――――それから異歴229年、30歳の生命理論を介し奈留紀は、標高2万メートルの登頂記録を果たす。美門スポーツ連盟とティケット財団により驚異的な身体能力を評価され人工生命体という形で生体実験を受ける事が出来るようにもなる。

 異歴233年、34歳で家族同居という環境では精神的な拒絶反応が見られ、その一方で身体的にジパン大国摩魏阿山マギア・トールにて3万メートルの登頂を果たすことも出来る事が、人工生命体とスポーツ業界との橋掛けとして永続的な記録に残るようになる。

 異歴242年、42歳で人工生命体としての肉体と能力に限界が起きていた。そこで神野学理瑠の生成した機械型ライト・オブ・ホール発生器の光に反応し、その細胞を新たな人工生命体へ移植させる事になる。



“桜衣奈留紀選手、またしてもスポーツ業界のピークを20歳分、乗り越えるゥ~~!”


「これぞ魂と人工生命体との融合だァ!孝弘、飲むぞぉ~」

「道彦お前は、やっぱり俺の誇りだァ!酒だァ、乾杯ィ!」


“ザワザワ・・・?ワアァ――ッ!ヒソヒソ・・・”

「臣子博士に彌汲博士・・・、落着きましょうよぉ・・・」


      ◇

 異歴250年、50歳から奈留紀の人工生命体に、身体能力が追い付かなくなる。人工生命体の次期開発者、臣子道彦博士による生命学の理論が功を成すと、その登頂記録が3万5,902メートルという内容で書き換えられると、著書『生命と根源』が発行されると同時に登山スポーツ業界の頂点と歴史に残る。

 異歴254年、年齢的なピークを大幅に塗り替えることを達成したのだと感じられた彼女自らスポーツ業界での引退を表明。核融合生命体の暴走による闇の災厄、ライト・オブ・バーストの事故とは裏腹に、桜衣奈留紀自身が生命の絶頂を体感。

 彼女自身が精神的な自由を手に入れたため、夫と最高研究学者の息子と関係を取り戻すことも生命医学的に高く評価され、彼女の存在が新たな文明を彩り始める――――。


――――

「私はやり遂げた―、ようやく頂きを―、変容を―遂げられるのね・・・」


 その後、彼女自身の著書『―宇宙―光とスポーツ科学』が受賞、ジパン大国各国の各科学者から人工生命体による、身体能力の強化案が更なる移民計画の礎と成った。


スポーツ選手の話を描くのも初めてですが、上手く描けていたらと思います。

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