25、生命との共鳴・再構築
インシュビ―再び!
――ジュニース・アン・・・いやいや、
「お客さん、あなた達はいい年してどうして暴れるのォ?警察呼ぶわよぉ!」
「へ・・・、い、いやぁ~ボク達も流石に大人げなくてすまなかったねぇ?」
――――
先程“ジュニース・アンジ”と言ったか?
遺伝子的にあなた達は家族と異なる生命を示す。
それは事態が“済まなかった”のか?それで俺は母から与えられたこの身にコブを産み、肌をも割かれ、頂いた服をも引き裂かれ、この者達の血液にも塗れたと言うのか?
だが、事態は更なる闇をも覆う。
是非ともこの者達の“魂”に語りかけてあげたい。
その意志にも。
◇
“ユラ~ァア・・・サアアア――ァッ”
「あれぇ・・・?風かしらね。ここに木々はない筈」
「ブツブツ・・・げ――が――い・・・“ゴォウ―”」
「い?ヒッィィ~~、巨大な・・・影ぇ・・・!?」
―その語りに対して、個々は“巨大な影”と言い返す。俺は赤き星に問う。これは感情などではない“赦す”という意味を説く。気高き天使よ、この餌を赦し賜ることを願われるか?
“パキッ、キッ―、ポキ・・・モコ、”
「つ――を――て・・・“ブチ、ビリィ”」
「う、ひィ!み、身が裂けて・・・ぇ、」
「こ・・・この子は、何なの・・・、さ」
―なんと慈悲なる愛撫であろう。この糞共の股間から尿意を与え、涙も与え、鼻さえ喜び水へと変え、ようやく口をも開かせるなど、なんと意義のある事であろうか!では神よ、大いなる意志よ、あなた方へ告げる。哀れなこの汚物の“意”に一時の安らぎを与え給え。
“メキ・・・ゴキ・・・ボコ・・・グキョ・・・”
「あ“~あんだ、何を・・・言っで?」
「脳に声がびびぐゥ~~いだい、痛ァ“、~イ”!」
―我こそは最古の民に崇められし王――汝らに鉄槌及び裁きを下す道、古来より承ろう。
汝、我に求めるは肉体、皮膚、眼球、頭蓋、鼻腔、聴覚、口、爪、神経、臓腑のどれだ?
“グオォ・・・ドゴンッ、ノ―シ、ノッシ、ピタ”
「かかががカ・・・金ぇを、あげるかだぁ・・さァ、やめ~でよね~ぇ?」
「い、いぐだ・・・いぐらなら・・・お小遣いほじい、ィィ、ぃ~~ッ?」
―光と闇の元へ唱えよう、罪深き業に喜びという生命を与えよう、意の文言を赦そうッ!
主よ、教示、慈愛、苦渋、悲観、狂喜、審判、罪状、痛烈、血熱、逆鱗の何れを望むか?
“グォアァ――・・・ドシン、ギョロ、グォアァ―・・・ピタッ”
「ささ、さ、3メィ――トゥルァァ――ッッ!?」
「で・・・で、けぇ・・・オレの、3倍長いィィ」
―キサマ等に安らぎを与え求め望みをもくれてやったのだぞッ
「ひィ、ひっ、フッ、はっ、オ、があアァぁぁ?」
―儚くも醜くも脆く崩れやすいこれが、生命というモノだとッ
“ぎょォ!?ミョキミョキミョキモキ、ベキョ、プチュ、プチ、プチンッ”
俺の目が“そこで何が起きていたのか”と覚ましている。地面にひれ伏すは70センチもの足跡、それに白くて固い突起物、赤い泥、管、膜らしきモノが散乱している。
俺の位置から7メートル3センチ29ミリに渡る周囲の様子を表したソレ等。
その場で繋げたなら一戸建て家の半分を覆うだろう。そこへ水と酸素に推進剤から電気信号まで送るなら動くのか?
まず喉が渇いた。それに頭に突く痛みは何だ。しかもその身にあった傷さえ消えている。
ピチョ、ポタ・・・水は、どこだ・・・?
“ピ、トン、ポ、ポタ―、ボタ―ン、ポ、ポ―ツ、ポト―、ポ――、”
ジュリ、ドロ・・・これは―、涙?喝采?
“ザアアァアアアアァ――――ァァ・・・”
グチョ、ズル・・・何?俺の望みを洗え?
“だ、ず・・・げ・・・助げでぇ――、ズリ、ジュルゥズゥ――”
――――
おかしい、俺は彼等を赦した筈なのに何故こうも悲しくなる?折角楽しい一時を与えてあげたというのに何を助けてほしいと?まだ動けるではないか。そこに感謝を述べてくれ。
“ザァァ――ボグ・・・あ”・・・がァ―、ヒゥーゼぇーわ“る”がっッだ・・・”
俺に対して何が“ボクが悪かった”のか理解不能だ。何を謝る?謝るより慣れろと伝えた筈だ。その生命という名の“再生能力”をどうして知るより先に吐く?俺が教えてやろうか?
「え“っ?」
―――汝、罪を以って懺悔するがいい!
“ゴシャ、ボリ、ゴッ、ガリ、ムシャ”
◆
ふふふ、美味なり・・・
“ラードウ”の効果、確かに受け入れたぞ!
道彦は16歳の頃にライト・オブ・ホールから様々な遺伝子を受け継ぎました。
その影響か、発言が呪いの様になってしまうという・・・。




