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18、発明の第一歩

人類は最終的に無重力感に近い道具を手にする、という話です。

異業種との繋がり、各国との技術討論・・・

より傷付かず、より繊細な技術が必要とされている昨今、このようなストーリーに仕上げました。

 阿歴に車のタイヤが発明された。耐震動・挙動耐性・耐重性にも優れる。

 異歴では現在車は電解推進機能を備えている。タイヤの業者が倒産しないように人工成体の筋肉へ応用されたことは生命学を学んだ者にとっては興味のある項目だ。

 そこへ臣子博士の導きだした光体と闇体のエネルギーが推進剤として適用された。

 例えば事務仕事である電子ノートはそれ等のエネルギーによって、ペン型照射機能を持ち合わせるキーボードとモニターへ。そこからメガネ型照射機能を持ち合わせるモニタークリック方式が採用され、視界的に支障がないゴーグル型のモニタークリック方式が採用された。しかしそれでは手先にサーチャー・クリック指証ししょうタイプが必要になり、それでも紛失しかねないので、帽子型のモノへと変更した。これなら一端子のソケットを装着するだけで脳波ごと操作可能となる。

 だから電子光学的に、闇体エネルギーを局所的に適用するのであれば、これをサーチ・モニター搭載型車両にも採用可能という事も技術の進歩をうかがわせるのである。

 たとえば、車のタイヤを応用した遠隔装置、耐電圧リモーディ・ディバイスをサーチャー・クリック方式へレベルダウンした医療器具の場合-――、



“これから太刀川古江たちかわ・ふるえさんの腰椎剥離離脱術を行う!最小サイズなので12分で終了する!”



「局所麻酔を患部の左右一箇所ずつ注射して、」

「針内君、たとえば腰椎治療なんだけど、2ミリの切開を施すだろ?」

「そこへこのリモーディ・ディバイスを操作する、三谷君、ワイヤー」

「皮筋肉を拡張。それから沸方わきかた君この、ワイヤーハンドを通すんだ“シュル”すると、」

「サーチャー・クリック方式により見えなくとも脊椎を掴んだ!そこはゴーグルモニターで確認することが出来るんだ。次に咲君そのワイヤーに闇体エネルギーボルトを送る!」


“ピキュイイイイ―――ィン”


「すると脊椎の骨が分解され、そのまま筋細胞へ馴染むんだ。つまり神経自体は傷付かない。そこで針内君この、マインドライバーでショックを3,0 FLinフアイン(=縮圧電波)だけ与え、強制的に裸になった神経及び血管を縮めろ・・・、」


“パツンッ、パチン―ッ、タン――ッ”


「よし、失った脊椎が無くともこのように神経も血管も伸びたままなく時間を掛けなくても大丈夫だ・・・。皆ご苦労!これで彼女の神経麻痺もなくなり、歩行できるだろうね・・・穂沙君、縫合をしておいてくれ“シュ、シュル、ピイィ―”・・・合格だ!」

「太刀川さん、もう治療は終わったので起きてもいいですよ?」

―――

――――阿歴29年

 かつては10センチの切開を行い症状のある腰椎を取り出す手法が最適とされていた。

 その予後として自らの組織変化と、外気温度の溶解で組織癒着を促すのに2カ月間とされていた。更に切開部分へ医療用チューブで排膿する方式。消炎剤と抗生物質にて感染予防をし1年間で完治。

 その総額289万3400 Rinリンで高額限度助成カードだと28万9,340Rin。

 もう一つは1センチから5センチの切開をし、内視鏡を通してのリモーディ・ディバイス方式で症状のある腰椎を砕いてそれを吸引、ジパン造血薬食で組織の定着を促してきた。その治療期間及び完治は1週間。光学電子型ロボットアームが採用されたのだ。

 その総額509万7,802Rinと減額保証すら成されていなかった。

 仕方なく整形外科へ通っては消炎剤と抗生物質、対間接補膜液を注入。それでも人体には年齢をも感じさせぬ再生能力があると謳われていたが、あくまで細胞理学療法士、生態学訪問診療、薬学医術を取得した者達によるサポートが付いてこその成果であるのに、実際は著名人を治療した成果を失いたくないからリハビリテーションすら断られてしまうのだ。その内訳は検査費用、指導料、技術料と敷いては通帳預金との見合わせだ。


      ――――


“そうです!我が国の医療技術は発展途上国ゥ、なに、報酬は要りませんよぉっ!”

“無事故無違反、安全確認、技術開発・・・それは発明も医療も同じだよィ!”

“患者数も多いんだけど医療は更なる進歩を遂げたのですよぉ~?”

“我が国、その医学ゥ、続く若者のぉ~栄誉となるためにッ!”

“現職こそ革命です!副業なんか時代遅れなのです!”

“今や老後保険料を納める時代!尽すのです!”


 やがてそれ等が光学ネットで配信、拡散が成されると次は考察、評論、実態コメントなどが流される。そしてその背景で費用削減のための役場申請や技術支援制度が改定されたりする。その反響は発表した声よりも増えてゆく。


“パチパチパチパチ・・・”

≪人工生命体医学部門チームへ、人命救助の勲章を与える!!≫

「臣子先生ッ、わたし達、頑張りましたよね!?」

「勿論だ。これも生命医学理論、生命学の功績なのだよ」

「臣子博士、次の論文ですが・・・」


      ◆


反響は新たな課題を呼ぶ。


プロ・アマチュア・・・色々ある。


人類の礎となって―――


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