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16、スタヴァ―の魂を宿すリグとリプラ、眩き王ブレトルと光の王インシュビ―の魂の形

巫女もゲームを体験します。


「それは年齢を超えて、人知を超えて、新たなる礎を取る者よ・・・」


はい

いいえ◀


「よき理解者へと巡り合えたな・・・相対する理よ、予期と預言どちらを選ぶ?」


はい◀

いいえ


「老後は他者を労わらなくてはならぬ、そう願うと?」


愛情

憎悪

預言◀


「導かれよ・・・」


“キュオオオアアアァ―――”


 リグは生まれつき体力がある。

 対してリプラは神秘的な化学を表現していた。

 リグは父・孝弘に似てわんぱくだ。

 そんなリグに対してリプラは抱擁的である。

 ただリグはリプラに対し見守る姿勢。


 それはまるで神が降臨していたかのような眩き光・・・つまり、ブレトルとインシュビ―そのものだった。


「創造的なゲームは楽しみが幾つかあるのですよ」

「これがNew Game‘sの作品らしさ?」

「ええ。労なき者さえ、労わるのですよ」

「へぇ、巫女という職業は偉大ね!」


 かつて、親子同士が労わり、民達を引き連れたという流れで動かされた時代が存在していた。一つは眩き流れ、一つは光の流れと云われている。

 それは畏怖なる社会でも流行語となり、人工生命体は単なる移植術ではなく、失われた遺伝・生体から記憶を司り、これまでの人生を新たに作り上げるという形式術として灯されていた。

 それは法という方法として―――


「哲学って重要だね?」

「ええ、勿論、自然生命“法”での礎には重要な役割を示すのです」


 理なき知は、鉄則として開発分野に身を捧げては成らないともされている。しかし、時として人命の寿命・救助に携わるなら、多くの声が「再び生きて欲しい」とか「新たな人生を迎えて欲しい」という願いに属して「声が欲しい」と欲でない欲に駆られるのである。事実に乏しい人工生命という形式は、かくして時の生命とも呼ばれる事になるのだが・・・


「理論的に考えると、数式と国芸的なもの?」

「巫女は、自然なる礎にも定を求めざるを得ない。それは57代目の言葉なのですよ」


 対して、最古とした世界線を求める者も幾つか存在する。

 それにしても従順たる巫女の願いとはかけ離れ、老後になってから新たなる説明を求められる者も居る。

 どれほど過去に縋り付こうが、憎しみしか求めないなら観点が異なり、事実無根となる証明が必要となる事だってある。もう少し、生命理論を哲学的に学ぶとよいのだが、「生き残って欲しい・生き残りたい」のなら、人を思いやる気持ちが強くなければならない。


「よく見なさい。このコマンドでは、儚い壺は調べられないのです」

「じゃあ、どういうコマンドなら調べられる?」

「いいですか、辺りをよく眺めてみるのです」


 調べなくても、暗黙の了解を得なくともその、心の礎が意志と魂を操る様に導こうと形を求める。すると不思議な程に簡単なコマンド=選択=決定で内容がガラリと変化する。似通るもの、正しくは形式と異なる形状で認識する事、この上ない。人の評価・評判が如何なる内容で在れ、付く、付かないはその人それぞれの意志が準じて行っているに過ぎない。

 それがまた、人類たる由縁の一つであり、魂の分かれ目でもあるのだ。


「お父さんと、道彦 小父おじさんが親子だったり兄弟だったら、お母さんはどちらと一緒になりたい?」

「選ばれるまでジッと時を刻むのを待つのみです」

「それが巫女の掟?魂?」

「いずれも巫女なのです」


 ただ、説明しながらも費える命は再生を期する事も無く、終わりを迎える事もある。実際に人工生命体理論が完成を迎え、時代に則った超人工生命体が完成したとしても新たなる希望として、更なる技術の進歩と形状を求めるだろう。

 それについても孝弘は詩集に近い物を残しており、道彦も現状、科学者・医師・技術博士としての実験でも証明している様に、再生と破壊はつきものだと言い残している。

 そこについても全て再構築・再構成と呼んでいるが、別に近くにも虫がそのように傷口を元に戻す法則に従って、宇宙の中の土の上で蘇っていたのだ。


「幾つもの発見と推進は、人によって異なるってお母さん言ってたけど、小学生の私には分かりにくいよ」

「すると、コマンドの使う・調べる・捨てるは大した効果を表すものではなく、その目的を告げるように確認するのです」

「へぇ、昆虫博士もアクビをする話になるのかぁ~」

「ええ。あくびは生命理論的に再充填リ・ロードとなるのです」


 それは大変だとリグは聞いていたが実際、親子は闘う事もあり、親子同士で睨み合う事など無いのだ。それを気付かされるような出来事と言えば、心無い意見と対立でしかない。

 そこを弁えれば実際と事実と遠慮と中身が合計され、雷光となるべき轟きが鳴るのである。

 ――それが神成家の名前の由来だとは、リプラ自身も受け取れていなかった――――。


「技術革新と技術革命で産まれたものは?」

「赤子です。リグ、あなた自身なのです」

「嬉しかった?」

「もちろんですよ、」


 正確には“受け取れていない”のでなく、“生命として受け口が残っていない”のである。その様にして、現実と過去との理が叶うのなら、自ら追って出るには勇敢なる隊列が必要になるかも知れない、と孝弘は言い残している。

 かつての世界に居た頃よりもとっぴつであるが、逆に道彦なら大掛かりな隊列を真っすぐに整えてしまうのかも知れないと言ってしまうだろう。


「ねぇ、お母さんは、お父さんの事と、お兄ちゃんの事は好きなの?」

「愛しています。リグ、あなたもそれが分かる時がやって来るでしょう」

「愛は情けだとか、歴史学で習ったよ?」

「それを“愛情”と“輪廻”と呼ぶのです」


 リグが新たなる言葉を選ぶと、リプラは陰からそっと覗いて見守る様な返答を行う。それに従って、態度を改めるリグがリプラにとって愛おしい。以前の魂がこのようにして結合をするに従って、光の束の急速なるエネルギーがやがて強い遺伝子を運んでくれば、ジパンという世界は崩壊するのか、再生を期するのかどちらも選ぶことが出来ると、リプラはかつての魂と意志から判断するのであるが、そこは再び、未来へと遠のく形として残されるのであろう。


「最後に―――、あなたは創造主でしたか?」


はい◀

いいえ


「残りの力で、再び愛を知りますか?」


はい

いいえ

わからない◀


「では、新たなる旅へ向かいましょう」


See you Again

Fin

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