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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕がアナタの過去をキレイにします。

作者: 企画開発部


 ボクは、最近ずっと恋人がいなくて久しぶりにマッチングアプリで新くできた恋人と付き合い始めていた。まだ、付き合いたてで1ヶ月もたっていない関係である。

 今日はその恋人と仕事終わりに食事に来ていた。

 でも、その恋人は何かに怯えているように、ご飯を食べている間もビクビクとしていた。

「ん?セリカさん、どうしました?」

 気になったので、話のきっかけとして聞いてみることにした。

「最近、つけられている気がするんです…」

「ストーカー被害ですか?」

 彼女は、ファミレスの窓の外や店内をキョロキョロとした。

「わかんないんだけどぉ」

「でも、心当たりがあるんですか?」

 すでに、家に帰るまでの間に誰かにつけられた事実があるから、警戒しているのかと思っていると、彼女はカバンからスマホを取り出して、自分に届いたメールの内容をボクに見せてくれた。

「なんか、元カレから写真が送られてきてて…」

 そこには、セリカさんの後ろ姿が写っていた。

「元カレってことは、別れてるんですから、ストーカー確定ですね」

 元カレというワードを元に話を進めようとすると、彼女が罰が悪そうな顔をする。

「うーん…今日まで何も考えてなかったんだけど、もう連絡しないで!って一方的に言って別れ話とかそもそもしてなかったかも?って思ってきちゃって」

 別れ話をしなかったことに悪気がないのか、あっけらかんとしている。自分勝手な行動ゆえに、相手はまだ付き合っていると思っているということだろうか?

「セリカさんが、別れたと思った日は、いつですか?」

「えとー3ヶ月前かな」

 なるほど、彼女の中では3ヶ月には元カレと別れた事になっていて、マッチングアプリを登録して、その後ボクに出会うという流れなのだろう。

 これでいくとすると、相手からしたら、いきなり彼女に「もう連絡しないで!」と言われて、わけのわからないままに連絡が取れなくなり、気づけば新しい男とデートしている場面を見てしまい、ストーカーになった。が、正解なのだろうか…?

「セリカさんは、元カレさんとはよりを戻すつもりはあるんでしょうか?」

「ないない、ないよ!」

 彼女は焦りながら否定してきた。そりゃ、それじゃなきゃボクと付き合う事になるわけないもんね。

「えーと、その元カレの小鳩アプリとか分かる?」

「分かるけど、何するの?会うの??」

 彼女が元カレのアプリのプロフィール画面を見せてくれる。

「ボクは、会わないです。こういうのが得意な友人がいるので、お願いしてみようと思います。」

 IDと名前とアイコンを記憶して相手にスマホを返した。

河野コウノくんって、何の仕事をしてるんだっけ?」

「ボクは探偵ですね」

 めんどうなので、表向きに他人に職業を聞かれたら、そう答えるようにしている。

「その仕事って儲かる??」

「儲かるかどうかというよりは、仕事が楽しいかどうかで決めたほうがいいと思いますよ?」

 そう、仕事は楽しくなければ続けられない。と、ボクは思う。

「そうなの?私、派遣だからよくわからないなぁ」

 彼女の基本は、自分の気分でコロコロと好きなものを変えるところにあるのだろう。きっと、ボクにも飽きてしまったら、すぐに捨てられてしまうのかもしれない。けれど、いま現在はボクが彼氏で間違いないのだから、その主張は元カレさんにきちんとさせてもらおう。


◇◇◇


 そんなやりとりがあったところから2週間くらいが経過したある日のこと。

「最近、つけられたり変なメールが来ることもなくなったんだぁ」

 彼女は、ニコニコしながらボクの隣を歩いていた。

「それは、よかったです」

 でも、この人の性格からしたらきっと……………

「セリカさんって、もしかして誰かと別れる時はいつも音信不通なのでしょうか?」

 ふと疑問に思った事を口にしてみた。

「基本的には、そうかも?なんで?」

「もしかしたら、今回みたいに根に持ってる元カレとかいたら怖いじゃないですか。他にも気になる人とかいないんですか?」

 ステルス系な元カレ達が、いまも彼女を狙っている可能性がないわけではないかもしれない。

「…………お金とったりしない?」

「しませんよ。だって、貴女はボクの恋人なんですから」

 ボクは彼女に優しく微笑んだ。


 そう、貴女の恋人はこの世でボクだけなのですから、いらない存在は一人残らず排除しなくちゃいけないですよね。



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