表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魔闘諍  作者: ゆっけ
第壱章
12/22

11話 四堂八間会議 - 前譚 • 2 -

 両隣の武装兵が八幡やはた直弥なおやに車を降りるよう促す。それに従い、車外へと足を踏み出す。後方の記者らによるカメラのフラッシュでかすかに照らされながら、前を行く熊野くまの璃久あきひさの背中を追うようにして門をくぐった。


 門の先の敷地内は広かった。整備された白い砂利道に、奥まで続く左右両隣の自然豊かなガーデン、道の途中にある大きな噴水広場、その後ろで堂々と聳え立つ、ドーム型の屋根を持った大きな宮殿など、先程窓の外に見えていた現代ビル群から一変、そこはまるで遠い欧州の地を思わせる。


 人もたくさんいた。だがそのどれもが軍人らしき風貌であり、前を歩く璃久と同じ濃灰色の者も居れば、藍色に染まった軍服の者、深緋こきあけ色の者、さらには全身真っ白な者もいた。

 だが色は違えど、服の構造などはどれもすべて同じである。誰もが詰襟式の服と、同じ色のストレートパンツをエナメルベルトで締め、きれいに着込んでいた。胸の勲章の数は各々違ってはいるが、誰もが多くのそれを胸につけてある。


 璃久が道の真ん中を悠然と歩く。それに気がついた濃灰色軍人らは敬礼したり、軽く会釈をしたりした。他の色の軍人の殆どは、璃久を見てもこれといった反応を示さず、各々談笑に戻ろうとする。

 だが直弥が通ると服の色に関係なく、すべての者達が驚愕や困惑、奇異な目で見られ、「なぜこんなやつが」と言いたげな目線を送ってきた。


 だが直弥にはどうしようもない。気まずさを紛らわすために、誰とも目を合わせず俯いて歩く。

 誰もが談笑をやめて直弥を見つめ、通り過ぎればひそひそとなにかを囁きあう。何をいっているかは聞き取れないが、大概は自身に対する様々な憶測や、どこからか流れた根も葉もない噂を掘り返しているのだろう。


 噂は直接聞いた訳では無いが、一週間前に四阿あずま庸平ようへい―――いわゆる寛解かんかいから、少しだけ耳にはしていた。なにやら魔族側のスパイだとか、あの高校襲撃の本当の主犯だとか言われているらしい。

 前者は混血等が疑われている以上百歩譲って仕方がないにしろ、後者に至っては怒りすら湧く。自身は平凡な生徒ながらにあの学年、学校を愛していた。それを自らの手で壊すなど到底考えられるものではないし、仮にそうだとしても、ならば牢内でおきた発作に説明がつかないだろう。あれほどクラスメイトの死がトラウマになるほどなのに、彼らを殺そうなどと夢にも思うわけがなかった。


 だが軍人らにそれを訴えることもできない。歯向かったらどうなるか想像に固くないからこそ、どうしようもなかった。



 俯いたまましばらく歩き、噴水の目の前まで来た。周りの違和感に気付いたのは、そんなときだった。

 背後の軍人らのざわめきが耳に届く。どうやらそれは自身に向けてではないらしかった。彼ら軍人よりもさらに後方、門の方に視線が集まっているように思える。


 璃久も異変に気づいたのか、そこで初めてゆっくりと振り返り、そして顔が固まった。両隣の武装兵も同様に緊張した面持ちで固まっている。何事かと、直弥も後ろを振り返った。


 門付近で、先程乗っていたセダン車以上の護送車をつけた黒いリムジンが停められている。周りの護送車からは深緋色の軍人が数多く降車して来て、そのうちの一人がリムジンの扉を外から開けた。


 すると中から、遠目から見てもわかるほどの大男が出てきた。男は璃久と同じワインレッドの髪に、他の深緋色軍人とは違いそれよりも濃い赤銅しゃくどう色の軍服を着込んでいるのに加え、服と同じ色の大きなマントを羽織っている。顔にはフルフェイスの朱と白を基調としたヴェネツィアンマスクを被っていて目鼻立ちは確認できないが、それでも尻込みするほどの気迫と圧迫感を感じ、思わず冷や汗をかいた。


 その男の後ろに、二人の軍人がつく。一人は目付きの悪い不良のような男、もう一人は中性的な顔立ちで、目に感情を浮かべずただ無表情で前を見据えている人物だった。そしてさらにそのまた後ろを、護送車から降りた数多の深緋色軍人が続いた。


 その群衆は、まっすぐ直弥の方へと歩いてくる。そこら中にいた軍人は色に関係なくすべて片膝をついて跪き、どこか緊張した面持ちで男に最大限の敬意を払う。風格に劣らず、男はかなりの権力者らしい。一体誰なんだろうか、と呑気に考えてるうちに、ついに男ら群衆が目の前に来た。


 璃久と武装兵二人は他と同じく跪く。前に立ち塞がるようにして立ち止まった男はじっと直弥を見つめた。威圧感に気圧されて蛇に睨まれた蛙のように動けないでいると、横にいた不良のような男が耐えかねたように怒鳴った。


「ガキコラァ゙!頭が高ぇんだよ死にてぇ゙のか!!」


 横で跪いていた璃久が即座にその声に反応し、直弥の頭を掴んで無理やり跪かせる。髪を引っ張られたことの痛みに耐えていると、少しだけ間をおいて男は口を開いた。


「、、、久方ぶりだな、璃久。達者にしておったか?」


 問われた璃久は緊張した様子もなく平然と答える。


「おかげさまで、閻魔えんま卿。」


「堅苦しい挨拶はよせ、何時ぞやのように『親父(・・)』と呼んでも構わんのだぞ?」


「、、、今の俺は、オリオンのいち隊員でしかありませんので。」


 璃久の言葉を聞くと、一拍置いて男は豪快に笑い、跪いてる彼の肩を2度ぽんぽんと叩いた。


「がはははっ!そうかそうか!昔から我に反抗的で手のかかるせがれかと思っていたが、今や貴様は立派な熊野家の跡継ぎであるな!思慮分別があり、冷静に物事を判断する力が圧倒的に長けておるわ!我が耄碌したとて、憂いなく此奴に家政を任せられるわい!」


 周りにいた深緋色軍人らが同調するように笑う。一方璃久は口角をひとつも上げず、ただ無表情に地面を見つめていた。

 笑いが収まった頃、男は直弥を一瞥する。先程とは違い、目には彼を蔑むような冷たい気配が感じられる。直弥を見下げながら、男は圧のある声で言った。


「、、、貴様が、例のわっぱか。」


 重くのしかかるようなその声に、思わず冷や汗をかく。たった一言だけだったのに心臓の高鳴りが止まない。この緊張感はなんだ、なんなんだ、、、そう考えていると、 突然ぐしゃりと頭頂に荒々しい手が沈んだ。


 次の瞬間、髪全体が鷲掴みにされ、そのまま力任せに引き上げられる。


「っあ、、、!?」


 首が反る。肩がついていけず、全身が軋む。逃れようにも、分厚い指が根元まで絡みつき、頭皮が焼けるように痛んだ。視界がぐらついたまま、大男の顔がすぐそこに迫る。


「、、、醜い顔であるな。貴様のような者がのうのうと、息をしていると考えるだけで虫酸が走る。」


 低く唸るような声を浴びさられる。低く、押しつけるような声。そこに反抗も拒絶も、言葉一つ許さないような圧があり、かつどこか暴力的な説得力を帯びていた。


 ベネツィアンマスクの奥でかすかに見える男の目に浮かんでいたのは、怒りでも叱責でもない。もっと深い、冷えきったもの――憎悪だった。


「どれ、今ここで骨一つ残さず燃やしきってやろうか。髪の毛先からつま先に至るまで例外なく、無慈悲に。それで貴様が灰になろうが砂塵に帰そうが、我は何一つとして、、、」


 そこで男の腕を、いつの間にか立ち上がった璃久が引き止めるように掴む。そうして低い声で言い放った。


「やめろ、親父。いくらなんでもやりすぎだ。」


 先刻の丁寧な言葉づかいはどこへやら、今のは完全にタメ口で、高圧的な男をもろともしない静かな声で語り掛けた。

 そんな彼を、男は静かに見つめる。


「、、、何の真似だ、璃久。」


「、、、親父が、こいつを信用できねぇのはわかるさ、だが今親父にこいつを殺されちゃ、俺含め多くの玄武隊員の怒りを買うことになる。下手すりゃ、玄武と朱雀の内部紛争まで発展する可能性もあんだぞ。それは親父も望んじゃいないだろ?」


「てめ゙ぇ、平隊員のくせにだれに向かって口聞いてやがる!」


 後ろにいた不良のような男が声を張った。額には青筋が走り、璃久に向かって激しい怒りをぶつけている。璃久は男には取り合わず、ただまっすぐ大男を見つめていた。

 不良のような男はその態度に更に激昂し、今にも璃久に殴りかからんとする。が、それを大男がもう一方の腕で制した。


「良い、寛嗣かんじ。」


「な゙ぜです閻魔卿!こい゙つは、、、っ!」


「我が息子に手を出すのは、我に背くのと同義ぞ。」


「な゙っ、、、ですが、、、」


 寛嗣と呼ばれた男は依然不服そうではあったが、主人である大男を背くという言葉からか、璃久らを睨めつけながらもゆっくりと引き下がった。

 大男は再び璃久に視線を戻す。


「玄武に毒されたか?璃久。」


「いいや?尊敬する上司を守るためってのは、部下としては当然のことだろ。その思いは親父の後ろにいる永縛えいばく公と何ら変わらねぇさ。」


「そのためになら、血の繋がった親に歯向かっても良い、と?」


「ありがたいことにあの御方らには十何年も世話になってるからな。熊野邸で過ごした期間より、玄武隊こっちにいる期間のがもはや長ぇんだよ。」


「その体たらくを弟妹らが見れば、どう思うだろうな?」


「あいつらはオリオンにはいれねぇって言っただろうが。」


 璃久の声に力が込められた。目には今まで以上の怒りが含まれている。一方、それまでの荒い言葉遣いに、後ろの深緋色軍人も殆どが殺気立ち、臨戦態勢といった様子で彼を睨めつけている。一触即発といった、ピリピリとした空気が辺り一帯を占めた。


 だが、その輪の中心の一人である大男は特に意に介した様子もなく、直弥の髪を掴み上げていた腕を離した。

 張り裂けるような痛みが止み、重力に従ったまま直弥はへたれこむようにして地面に倒れた。痛みの名残は未だ止まないが、呻く程度ですんでいるのは不幸中の幸いといったところか。


「、、、ふん、まあ良いわ。どうあれこの童は今宵死にゆく。我が自ら手を下すまでもない。」


 大男は吐き捨てるようにそう言うと、へたれこむ直弥の脇を通り過ぎる。だがその後一瞬立ち止まり、振り返らずにこう言い残した。


「、、、従う者はよく考るのだぞ、璃久。一定のものを盲信する輩は大抵、される側から良いように利用され、最終的に使い捨てにされるからのう。」


 大男ら一行はそのまま、奥の宮殿内へと姿を消した。その瞬間周りの空気が一気に弛緩し、周りで跪いていた軍人らが静かに雑談しつつ立ち上がる。皆どれも、ホッとした顔つきであった。


 周りのざわめきが徐々に戻って来る。そして自身に対する目線がさらに強くなった気がする。痛みが和らいできたので、直弥はゆっくりと起き上がった。


「大丈夫か、八幡直弥。」


 横から璃久がぶっきらぼうながらにそう声をかけてくる。直弥は頭を抑えつつも、ひとまずは平気だという旨を伝えた。

 そしてそれから、こう問うた。


「あの、、、今のは、一体?」


 璃久は男が消えた宮殿の方へ目を向けていた。目元には複雑な思いをかすかに浮かべ、下唇を少し噛んでいた。

 彼は直弥の方を見ず無愛想に答える。


「、、、朱雀隊四堂(しどう)、熊野焔冥(えんめい)。巷じゃ閻魔だなんて豪勢な名で呼ばれてる。んでもって困ったことに、神から選び選ばれた我が最高の肉親とかいうオプション付きだぜ?」


 おどけたように言う璃久だが、目は一切笑っていない。それどころか嫌悪すら感じられた。

 直弥はまた問う。


「四堂って、、、そんな人が、お父さんなんですか?」


「まともに顔合わせるのは十三年ぶりだけどな。今俺は弟妹たちと一緒に別の場所で過ごしてる。俺と違ってあんな親の影響を受けずみんな実直でいい奴らだ。」


 いいから立て、と璃久は調子を変え、直弥の方へ手を伸ばす。その手を取って立ち上がった直弥ら一行は、璃久の父―――焔冥が消えた宮殿の方へ歩を進めた。


 皆緊張した面持ちだった。璃久も平静を装っているが、目元の緊張は隠せていない。おそらく自身も同じ顔つきだろう。


 そしてすぐそこまで近づいた一行は、大きな宮殿の入口の、そこに続く真っ白な階段を一段一段登っていく。周りの武装兵は璃久に向けて敬礼する。それを尻目に、彼は自身に言い聞かせるように呟いていた。


「大丈夫、、、うまくいく、、、寛解かんかい公ならうまくやってくれる、、、」


 ただただそうつぶやき続ける彼の顔は、言葉とは裏腹にどこか自信なさげに見えた。



 ***



 控室にいた四阿あずま庸平ようへい―――寛解は、椅子に背中を預けながらぼーっと天井を見つめていた。


 極度の緊張感が身体を支配している。当たり前だ、下手をすれば今日、尊敬する上司とともに命が潰えるのだから。


 結局、桜田さくらだ風音かざね―――佳人かじんは、当日になっても目覚めなかった。今はすぐ近くの特別病棟で寝かされているらしく、いつ起きるかはまだ推測すら立っていない。

 つまり、今会議において様々な場面での発言権や特別な投票権を有し、玄武隊を守るために動ける貴重な人間の一人であった彼女が戦力外となってしまった。正直、こちら側の圧倒的不利な状況である。


 現在味方となるのは玄武隊八間の血沼けちぬま亜沙美あさみ、通称「豊麗ほうれい」と、白虎隊四堂の朽宮くちみや言真ことま、通称「狂風きょうふう」、そしてその八間である緋月ひずきれい―――烈火れっか月島つきしま那海なみ―――海月くらげも先程手を貸すと連絡があった。

 だが一方、閻魔卿率いる改革派の朱雀隊三名は、八幡直弥含め自身や佳人の死刑に賛成してくるだろう。強硬派である氷帝ひょうてい卿率いる青龍隊も同様と思われる。


 つまり5対6、しかも四堂の投票には八間の二倍の効力がつくので、実に6対8という差のついた状況であった。


 フーッと息を吐く。例の事件からここ一ヶ月、気が滅入るようなことばかりだ。

 だがいい意味でも悪い意味でも、今日を乗り切れば一段落はする。悪い意味だった場合、その後の玄武に不安は残るが、璃久はじめⅠ型らがどうにか立て直すだろう。そこにおいては信頼していた。

 ただやはり、そうなったときの朱雀の動向が気になる。下手をすれば内紛という可能性も、、、


 そこで突然控室と廊下を仕切る扉が二回ノックされる。四阿は思考をやめて姿勢を正し、どうぞと声を張った。


 扉を開けて入ってきたのは、勲章が数々ついた白い軍服に淡い赤色の髪、そして左の人差し指に銀色の、虎が描かれた指輪をはめた男が入ってきた。

 白虎隊八間、緋月玲。こうやって対面するのはかなり久々に思える。


「寛解、久しぶりだな。」


「、、、白虎の八間ともあろうお方が、戦犯犯して今から裁かれに行く間抜け軍人になんの用で?」


「おいおい、そう自分を卑下にするな。あんなもん俺だって同じ結果だったさ。実際佳人卿すら予想外だったんだろ?」


「、、、さぁな。あの方がどう感じてたかなんて、実際に聞いてみなきゃわかんねぇよ。」


 複雑そうな顔をする緋月。彼の耳にも、佳人が未だ眠っていることは伝わっているのだろう。

 少しの間無言が訪れる。気まずさは感じないが、少しだけ緋月に申し訳無さが湧き出てくる。日頃の疲れからか、少々彼に対して冷たく応対しすぎた。


「、、、寛解、コード202と熊野璃久が到着した。どうやら広場付近で鉢合わせた閻魔卿一行と一悶着あったらしいが、とりあえず会議の手筈は済んだ。俺達もそろそろ行かないと。」


「そうか。 、、、なぁ、烈火。」


「ん?」


「俺達は、、、 いや、何でもねぇ。」


 椅子から立ち上がった四阿は、緋月の脇を通り過ぎて扉をくぐる。

 そうして部屋を去ろうとしたとき、緋月は振り返らずに言った。


「、、、きっと勝てるよ、四阿。」


 四阿は振り返って白い背中を見つめる。

 四阿の中にあった不安を見透かしたように言った緋月もゆっくり振り返る。その顔は自信に満ちていて、不安や緊張など一切感じていないようであった。


「そのために、俺はここに来たんだ。」


 そういって笑う彼を見て、胸の中でとぐろを巻いていた不安が嘘のように消し飛び、そこで一ヶ月ぶりに四阿も自然と口角をあげられた。


 ***


「取引、とな?」


 ある豪華な一室、重厚な長机を挟み革張りのソファーが向かい合って並べられ、そこに二人の人間が対面していた。


 一人は高齢男性。濃紺色の軍服を着て、膝の上で肩肘をついている。皺の目立つ顔立ちに、頭髪は白髪がかなり目立っている。腰は曲がっていて、下に履いている袴の隣にはかなり使い古された杖が立て掛けられている。


 しゃがれた声でそう問うた老人―――青龍隊四堂・氷雨野ひさめの与一よいち、通称「氷帝ひょうてい」は、訝しげに目の前にいる人間を見つめていた。


「ねぇ~そんなに顔しかめないでよぉ、怖いじゃ〜ん。」


 相対する男はヘラヘラと笑いながら、足を組み完全に舐めきった態度で応対する。

 白いスラックスに、白い軍服、そして10歳くらいの見た目の彼に、氷雨野は更に眉間に皺を寄せながら低い声で言う。


「お主は何を企んでおるかわからぬ。そうであるのに儂にそれを信用しろと申すか。老いぼれの身とはいえ、随分と舐められたものじゃな。」


「もうすぐ90だっけ?すんごいねぇ、健康を保つ秘訣とかあるの?」


 氷雨野は答えず、ただただ目の前の男を鋭く睨めつける。氷雨野の後ろで立っている八間二人も、緊張した面持ちで固まっていた。

 ただ一人、少年のような見た目の男―――朽宮言真はその三人の様子を愉快そうに眺めつつ、少しトーンを落とし、ふざけた調子から一変、真面目な雰囲気でまた口を開く。


「まぁ聞くだけ聞きなよ、受ける受けないは後ででいいからさ。」


 そういって彼はまた足を組み替え、背もたれに両手を回して口角に不敵な笑みを浮かべた。



「条件はたった一つ、内容は―――」



 続く、、、

本当は前話で前譚は終わらす気だったのですが、まだまだ書きたいことがあったので2として投稿しました、、、

次話からは満を持して四堂八間会議 (のはず)ですので、しばらくお待ちを、、、!!!

ゆっけ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ