恋と愛の関係
小田急鶴川駅。スーツの男五人は町田へ向かう。この五人の名前に数字が入っていることで「NUMBER BOYS」と呼ばれていた。
一ノ瀬隼人、二条孝則、三橋英明、四月一日信之、七五三掛章造といった名字が珍しいと言われていた。
五人は大学のゼミで課題をするため、行きつけのレストランに来ていた。
「一ノ瀬君。今度のゼミの課題、難しくねぇか」と七五三掛は言う。
「そうだけど」と一ノ瀬は返事をする
「俺たちの名前が珍しいから、周りから読めないって言われてるよね。」
と訳の分からないことを言う三橋
「三橋、今はゼミの話をしているだろ!」と四月一日は突っ込む。
「俺たちって名前に数字が入っていることで『NUMBER BOYS』って呼ばれているらしいよ」
「それは本当か?」
「そうらしいね。」
すると、ゼミの仲間の一人、川島風花が入ってくる。風花は女子三人と行きつけのレストランに来ていた。
「あ、一ノ瀬君たちだ」
「ごめん、今さゼミの課題をやってるから話せなくてごめん」
「いいよ。あたしたちもやらないといけないからさ」
「締め切りが来週だし」
「あいつはやってなさそうだけどな」
「あいつって?」
「原口だよ」
「あいつね、いつも一人でいる奴ね」
「あいつを揶揄ったらさ、いきなりキレてきてね」
「キモいね」
「ちょっと言いすぎだよ」と前沢優香は言う。
「いや、いいだろ。俺は原口と一緒にやりたくねぇし」
「どうした?」
「原口の話になってね」
「原口ってあの陰キャか?」
「あいつに嫌がらせをしたら、『うるせんだよ!』って言われてさ。」
「ヤバいじゃん」
「俺、過去にさ原口に虐められたんだよね。」
五人の男たちは、ゼミの課題を終え、『NUMBER BOYS』について話していた。
「俺たちってテレビに出れるのか?」と三橋は言う。
「出れるとは思うけど、この五人で募集すれば」
「原口とかが騒ぎそうだけど」
「そんなの知らねぇよ」
翌日。ゼミの授業の後に原口がいきなり暴れ出した。原口は一ノ瀬に馬鹿にされていた。
「一ノ瀬君、うるさい」
「お前みたいな陰キャが言うな。」
煽られたと思い込んだ原口は教室の机を壊した。
「おい、やめろよ」と氷川は言う
「氷川、原口がむかつくんだよ!」
「仕方がないだろ」
ゼミの終わりあたり、風花は泣いていた。
「一ノ瀬君、やりすぎだよ」
原口は一ノ瀬に怒っていた。原口は一ノ瀬を侮辱するようなことを言ってきた。
「一ノ瀬君みたいなクズなんてゼミの仲間じゃない!」
「何だよお前!!」
原口は椅子を投げ飛ばしたため、風花の顔に当たってしまっていた。風花は泣き出し、教室を飛び出した。すると、温厚な優香が声を荒げる。
「原口君、なんで風花ちゃんに当たるの?」
「もう嫌なんだよ!」と原口は優香に怒鳴る。
優香は本気で怒ってしまい、声を荒げた。
「いい加減にしてよ!なんでいつも喧嘩になるのよ!!」
一ノ瀬は風花を教室の外に一ノ瀬を呼んだ。
「一ノ瀬君、どうしたの?過去に原口君に虐められたこと」
「一度さ、俺たちは原口君から旅行に行こうって誘われてさ、俺たちは良かったんだけど、そいつが夕飯の時にいきなりキレてきてね、もうそいつとはもう距離を置きたいとおもっていた。俺の嫌いな奴の名前とか出して、そいつと遊ぼうとしたし!」
「話は分かったわ。でもさ、言い過ぎなところもあるわよ。」
「原口って一年の頃に先輩に多寡っていたらしく、サークルを辞めさせられたらしい」
「そうなの?」
「うん」
原口が椅子を投げたせいで風花は一週間学校に来ていなかった。心配をしていた一ノ瀬は、風花の家に来ていた。
風花の部屋。風花は床に座り込んでいた。
「急に来てごめん」
「話って?」
「原口のことだよ。あいつのことを先生に話したら、動いてもらった。」
「原口君ってどうなるの?」
「ゼミから外れるんじゃないかって思う」
風花は部屋着でいた。普段はスカートを着用している彼女は、部屋着がコスプレであったことに一ノ瀬は床に倒れた。
「風花ちゃんってコスプレ好き?」
「そうだけど」
「可愛すぎだろ」
風花はなぜかどこかの城にいそうな姫のコスプレをしていた。風花は原口に怪我をされたことでトラウマと感じていた。
「あたしね、もう大学に行かないことにした」
「原口のせいで?」
「うん。原口が嫌いだから」
「風花ちゃんも原口に何かされた?」
「うん。LINEの通知がしつこくてね。ストーキングをしているのかって思っている」
「明日、原口を呼び出して、話する。風花ちゃんも来てくれ」
一ノ瀬は、翌日の放課後に呼び出していた。
「お前、風花ちゃんにストーキングしているんだろ」
「してない」
「嘘つくな。お前はそうやって昔、先輩に多寡っていただろ!」
「そんなこと関係ないだろ」
「関係なくねぇよ!俺以外に七五三掛君と四月一日君がお前のしている行動を調べていた。」
二人の話し合いに気付いた優香は、原口に注意をする。
「なんでそんなことをしたの?」
「うるさいんだよ!!」
原口の怒号に優香は泣き出す。原口は暴れた。それを止めたのは氷川だった。四月一日と七五三掛は、原口を警察に連れて行こうとする。
「原口、優香ちゃんを泣かせるなんて酷いよ」
過去に原口は、発表をする際、声が小さいと陽キャのある生徒に注意していたため、怒って椅子を投げ飛ばすこともあった。
七五三掛は一ノ瀬に原口を警察に連れて行くと宣言をした。
「原口には反省させるべきだな」
「一ノ瀬、恨んでるからな」と原口は言う。
優香と風花は泣いており、いつも原口のせいにしていた。怒りが収まらない原口は机を叩いていたが、一ノ瀬達には伝わるわけなかった。
グループLINEでの会話では、原口が一ノ瀬に謝罪をしろと命令をした。一ノ瀬は命令に従わなかった。一ノ瀬は、優香や風花を泣かせた原口をゼミから外させようと決めていた。
一ノ瀬が所属するゼミの三村先生は、原口のことで困惑していた。
「一ノ瀬君、原口君をゼミから追い出すしかないと思う。一ノ瀬君、今度のゼミの会議でどうするか話をしてほしい」
ゼミの授業。一ノ瀬は教卓に立っていた。
「みんなに協力してほしい事があるんだけど、原口のことはどうするか決めたい」
優香は原口を見ていたが、助ける気配もなかった。
「一ノ瀬君、原口君のことに関してはどうするの?」
「原口、もうやめてもらってもいいかな?お前、うるさいんだよ!」
原口は「死にたい」と自暴自棄になり始めた。すると、ゼミの先生は急に怒り出し、原口を殴った。
「原口君、君は何も分かっていない!」
原口への指導で授業時間が過ぎていた。そのためか補講として別の日に移動することになった。
他のゼミ生の三井美優、菱田明里と石井さくらの三人は、原口がストーキングをするんじゃないかと恐れているため、一ノ瀬達に周辺警備を頼んだ。
居酒屋にて。一ノ瀬は美優と明里とさくらに呼ばれていた。
「一ノ瀬君、明日からあたしたちの家の周辺警備をしてくれるかな?」
「良いけど」
「それなら、二条君とか三橋君などでもいいかな」
「良いけど。原口だろ?あいつの屯ってる場所の情報を掴むからな」
「風花ちゃんと優香ちゃんは?」
「風花ちゃんは今、学校を休んでいる」
「優香ちゃんは?」
「そのうち、中退する可能性があるな」
「友希ちゃんも?」
「そうだな。友希ちゃんは風花ちゃんと優香ちゃんで住んでるからな。それなら、一緒にいればいいと思うけど」
「ありがとうね。」
四人は風花たちが住んでいる部屋へ向かった。風花は一ノ瀬から事情を聴くと承諾して、その三人を住まわせることにした。