もっさんのイラストは孔明の罠足り得るのか。
前書きと内容が全然関係無いかもしれません。
『空城の計』と言う言葉をご存知でしょうか。
兵法三十六計の、三十二計に当たる戦術のことです。
具体例として、三国志において、かの有名な蜀軍軍師『諸葛孔明』(孔明)が、魏軍軍師『司馬仲達』(仲達)が率いる大軍を前に撤退する際に行った計略のことです。
『三国志演義』では、孔明が野戦で魏に敗れた際、蜀軍は魏軍と比べて圧倒的に兵力が少なく、しかも仲達率いる大軍はなおも追撃してくると言う絶望的な状況。
そこで孔明は一計を案じ、敢えて城内に引きこもって城門を開け放ち、兵士らを隠した上で自らは一人楼台に上って琴を奏で始めます。
こんな隙だらけで「どうぞご入城ください」とでも言っているような状況……遠慮なく攻め込もうとする魏軍ですが、仲達は慌ててこれを制止させます。
「待て 慌てるな これは孔明の罠だ」
そう捉えた仲達は、追撃を取り止めて軍を後退させます。
実際のところ城に罠は無く、寡兵しかいないのですが、仲達は「孔明がこんな迂闊なことをするはずがない、城内には罠や伏兵が挙って待ち構えているに違いない」と勘違いしてしまったのです。
用心深い仲達ならば勘違いをする……と言うことは当の孔明にはお見通しであり、結果、それ以上の損害を出すことなく撤退に成功します。
決して仲達が無能だったのではなく、むしろ孔明に匹敵するほど(あるいはそれ以上)の策略家であったが故に、勘繰り過ぎた末に『勝手に騙されてしまった』のです。
もしも仲達が「これは罠のフリに過ぎない」と見抜いていたら、あるいは無策で城へ兵を突入させていたら、孔明はここで討ち取られていたでしょう。
仲達の優秀さを逆手に取り、まんまと騙しきって見せた孔明の作戦勝ちだったのです。
前置きはこんなもんにしまして。
今回はみて民の皆さんから『孔明の罠』と恐れられる(?)、もっさん流のイラストメイキングの彩色について紹介しようと思います。
画像多めの回です。
お題は『夕暮れの高校生男女二人』と言う構図です。
まずは一枚目。
線画の状態からスタートです。白紙からのスタートはまたの機会で。
二枚目。
もっさんの主戦力、ダイソーのイラストマーカーの、大まかな塗りを終えた状態。
三枚目。
インクがある程度乾くのを待ってから、重ね塗りに入ります。
二枚目と比較しても、色に深みが出ていると思います。
四枚目。
クリアブレンダー(ぼかしペン)で重ね塗りの境目を馴染ませたり、光沢の反射を表現していきます。
ぼかしすぎると滲んでしまって線からはみ出す恐れもあるので、注意が必要です。
五枚目。
夕暮れの中と言う情景を表すために、空白部を色鉛筆のオレンジ色で薄く塗り潰して、それっぽく。
これで完成になります。
以上でおよそ一時間〜一時間半ほど掛かっています。
これのどこが『孔明の罠』なのか、と言うことになりそうですが、
それは当のもっさんにも分からんのです。
どう言うわけかもっさんのイラストは異常なほど難しいらしく、みてみん・なろうでも屈指のファンアーターの方々が「ムリじゃ_| ̄|○」と声を揃えます。
「制服の構造に問題がある」
「目では追えても身体の反射が追い付かない」
「もっさんはびしょーじょだけ描いてればいい」
「『ほっこり可愛い美人の素』を使っているに違いない」
「優等生ぶるばかりで全然エロくない」
「待て慌てるな、これは孔明の罠だ」
とのこと。
そんな異常に難しい(らしい)イラストをホイホイ♂と描いているもっさんは一体何者なんだ……バカ野郎俺は絶対に勝つぞ!
ちなみに孔明は真冬に南風を吹かせた『東南の風』を起こしたことでも有名ですが、もっさんは『洗濯物を外に干すことで、天候の周期を入れ替える(つまり雨を降らせる)』ことが出来る疑いがあります。