茅野亜李
ブクマよろしくお願いします。モチベが上がります。
今日もスイーツを食べようかな~♪ ルンルン気分でスキップして街を歩く少女は誰でしょうか?
私です。茅野亜李です。
前からこの街は治安が悪いなと思っていましたが、最近またその思いが強くなりました。
そうあれは先日のことです。
授業を終えて、帰宅中の時、同じクラスの××が他にも何人かのお友達を連れて私の前に現れました。
私に用があるとのことで、とりあえず話を聞いてみることに。
話を聞いてみるとあらがっかり。なんて下らない話でしょうか?
私がこの前喧嘩してきた男の彼女と名乗ってきて、謝りなさいと言ってきたではありませんか。
どうも××は勘違いをしているようなので一から事情を説明しました。
その日はスイーツ店で順番待ちをしている時に、横から急に××の彼氏とそのお友達が割り込んできて、しかもぶつかったのに一切謝らず、こちらがそれを注意すると、急に崩れた顔面を私の顔に寄せてきて「こっちこいや」と人気のない場所に連れていかれました。
私もスイーツ店の前で争いになるのは出禁になる可能性が高かったので、おとなしく応じて話をしようとしたらあら不思議。
その彼氏は急に拳をポキポキと鳴らし、お仲間は鉄パイプとかを拾って楽しそうにしているではありませんか。しかもいつの間にか私を△に囲むように立っています。
あらあら困りました。どうやら肉体言語を用いて話すのが彼らのコミュニケーション方法のようです。
一応私なりに優しく言ったのですよ?
「順番待ちしている所を割り込みはやめてください。しっかり最後尾に並べば問題ないでしょう?」
だが馬鹿は肉体接触による会話しか理解できないみたいで、いきなり殴りかかってきたのです。
私からは手を出していませんよ?
それでまぁ、彼から手を出してきたわけですよ。最初に誰かが動けば、他の奴も流れるように攻撃してくるわけですよ。
私は何も攻撃していません。彼らが互いに武器を当てて、倒れただけですよ。
ことが終わったと思い、お店に戻ろうとしたところに××の彼氏が私の足首を汚れている手で掴んできて、足を思いっきり振り回してその手を離させたら彼が気を失った。
それだけですよ?分かってくれましたか?
おぉ、分かってくれましたか。
いいのです。わかってくれたならこちらも安心します。それでは私は行きますね。
はい?なんですか?私を許さない?何故ですか?
私が彼に手を出したからですか?
…。あの今の話を聞いていましたか?
私はもう一度同じ説明をする。すると××は顔を真っ赤にして肩を震わせていた。
あぁ、自分が勘違いしていたことを分かって、私にあらぬことを言ったことを恥ずかしがっているのかと思っていると、
××はまた私が悪いと言い出します。××の連れを見ていると、彼女たちはこちらの言い分がわかったようで××をなだめています。
自分の大切な人が大変な目になった怒りを私にぶつけたいのでしょうか?
…あれ?よく××の取り巻きを見ていると一人見覚えがあります…。あの人は確か…。
私はその一人に声をかける。
あなたは××の彼氏とこの前喫茶店でカップルジュースを飲んでいませんでしたか?
その子は分かりやすいほどにビクッとした後、私を睨もうとしますが、その前に××がその子に詰め寄ります。
××「今の話本当?」
その人「そんなわけないでしょ」
××「…あなたの連絡先と写真フォルダを見せなさい」
その人「はぁ?そんなわけないでしょう?」
××「じゃあ見せられるよね? ほら早く!」
その人に怒鳴って見せるように言っている。
私はもういいですよね?
××「あなたはもういいわ!早く失せなさい!」
はい、それでは失礼します。
どうやら彼女達はこれから楽しい話し合いをするようで、こちらにまで内容が伝わるように大きな声で話し合っています。
大きな声というよりは怒鳴り声ですが…。まぁ細かいところはいいでしょう。
次の日、私は昨日のその人に昼休みに校舎裏に来いと呼び出されました。その人は顔に痣が出来ており、どうやら激しい肉体コミュニケーションをしたことがうかがえます。
楽しそうですね。私は呼び出しに応じず、教室でクラスメイトと昼食を摂りながら退屈な話を聞いていると、その人が私の教室までやってきました。
その人「なんでこないの?」
なんで行きますの? そう返したら、何も言わず、一緒にいたクラスメイトの方に謝罪をして、私の腕を掴んで引っ張っていきます。
抵抗してもキャンキャン吠えるだけですし…。大人しくしてついていくと、人気のない校舎裏に来ました。そこで昨日どうして私と彼の関係を言ったとか、あの後ああだこうだと言われたとか聞かされました。
聞き流していると、その人は話し終えたのじゃ飽き足らず、その変にある石ころを拾って、大きく投げるような動作をした後、私に向かって投げてきました。
軌道は読みやすい方だったので、身体を横に動かして避けると、私が動く前にいたポジションの後ろに誰かが歩いていてその人に石がぶつかりました。その人は私のクラスと一緒で確か…名前は…
明坂絵美
だった気がします。
明坂さんは石をぶつけられて場所を手で押さえてうずくまっていると、こちらを睨んできました。
その人「ひぃぃぃ~」
情けない声を出してその人はこの場から脱兎のごとく逃げていきました。
明坂さんは私を睨みます。私は何もしていないので、すぐに目線を逸らすとあろうことか、明坂さんはその辺の石を拾って私に投げてきました。
私は焦って避けると、避けられたのが気に食わなかったのか、私に詰め寄ってきます。
明坂「あんたが私に石をぶつけたの?」
亜李「違います。あの逃げた奴です」
明坂「本当に?」
亜李「私だったらここにとどまっていないですぐに逃げますよ」
明坂「…いやあえて、ここに残っているかも」
亜李「確かにそう考えると私が怪しく見えるのはわかりますけど、さっきあいつが悲鳴を上げて逃げたでしょ?なんで悲鳴を上げて逃げるわけですか?」
明坂「…それもそうね」
詰め寄るのをやめて、怒りをなくしたようだ。
明坂「…それにしてもなんで石を投げるようなことをしたわけ?」
昨日の出来事を全て彼女に話すと
明坂「…あなた性格悪いわね…」
と言っていますがとても楽しそうに笑っています。人の恋バナで破滅する話はおそらく人類が大好きな話一位二位を争うものでしょう。
明坂さんと少し話していると少し強い風が吹いてきて、パンフレット1枚が飛んできました。私が拾って何かと見ると、それはこのパンフレットを店に持って入れば、今日限定のスイーツ食べ放題と書かれていて、お店の地図も書いてありました。1枚で2名入ることが出来るようです。
この内容を口で明坂さんに伝えると、彼女の口から小さく「いいな」と言っているのが聞こえました。
亜李「よかったら一緒に行きますか?」
試しに誘ってみると大げさなくらい首を横にブンブンと振ってきました。
でも目線はずっとパンフレットで目が潤んでいます。
……。
亜李「明坂さんはスイーツ好きですか?」
明坂「別に? そこまで好きじゃないし?」
変な口調で答えてきました。
亜李「そうですか。私一人で行ってきますね」
明坂「一人?誰かと行かないの?友達とか」
亜李「スイーツを食べることで私かわいいでしょと思っている人と食べたくないので。私はスイーツを食べることが大好きですから…。スイーツ=ファッションとかみたいな考えの奴らと食べてもおいしくありません」
明坂「その気持ちとても分かるわ!」
多分昨日のあいつらの叫びより大きな声で言って、私の手を握ってブンブンと振り回してきた。
亜李「痛いです。やめてください」
明坂「私も今のあなたが言ったような考えで食べる奴大嫌いなの。ほんとなにあれ?スイーツを自分の魅力なさを補うための道具にするなよって感じよね。分かるわ~」
一人でうんうんと首を振って満足そうにしている。
亜李「では私はこれで…」
明坂「待って!私もそのお店に行きたい。一緒に行かない?」
亜李「その提案は私からするものでしょう?何自分が立場上みたいな感じになっているんですか?」
明坂「うわ~!待って待って!今のなし!お願いします。私を連れて行ってください」
亜李「どうしましょうかね~?」
明坂「お願いします。今月スイーツ食べすぎてお小遣いピンチなんです」
亜李「来月まで我慢しましょう」
明坂「一定期間スイーツを食べないでいると、手が震えるんです。お願いします」
亜李「その気持ちすごい分かります!」
今度は亜李が明坂の手を握りブンブンと振り回す。
亜李「分かってくれる人が初めて出来ました。私もです!食べないと手が震えますよね」
明坂「そうそう!身体もうずうずするわ」
亜李「合格です。今日の店は一緒に行きましょう」
明坂「今日の?」
亜李「今度私のおすすめの店を紹介しますよ」
明坂「じゃあ私もおすすめの店を紹介するわ。ていうかあなた私と同じクラスの茅野さんでしょ?敬語やめない?」
亜李「そうだね。よろしく絵美」
明坂「…急にフランクになったわね。こちらこそよろしく亜李!」
その後食べ放題に行った二人は自分の方が多く食べられると言い合いになり、どちらが沢山食べられるか勝負になりました。
どっちが勝ったのかは二人にしか分からない。
今後もよろしくお願いします