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12人の少女達の日々  作者: ヤマネコ
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柊楓×星名メア

ブクマよろしくお願いします。

私は占いが大好きだ。それも度が付くくらいに。普段暇な時間は占いの本を片っ端から読んでいた。


そんな本とかネット記事に目を通しているわけだから、人と話す時間を少なくしてしまったわけだから、友人も少ない。


まぁ、少ない時間で沢山の友達を作れる人もいるだろう。


でも私はそうではなかった。


姉の2人と話すときは、占い以外でもとことん話せるが、他の人となると、どの程度話せばいいのか、どの程度まで言っていいのか少し戸惑う。


せっかく話しかけてくれた話題にいまいち食いつきが悪いと相手に悪いし、食いつきすぎると気持ち悪そうにされるし…。どこまで食いつけばいいのやら…。


まだ入学して数日が経っていないから挽回できると姉2人に励まされたが、一度苦手意識を持つと、その意識を考えないようにして接するのは難しいもので…。


気付けば複数のグループが作られていて、私は一応仮のグループみたいなものは出来たが、一緒にいても楽しいわけではなかった。


占いをとことん話せる…。いいや、何かをとことん話せるきっかけがないかなと思っていると、ある日ある生徒の噂を聞いた。


星名メアさん


彼女は中学生ながら、持ち前の機械の知識を駆使して大学で講義をすることがあると言われるほどだ。


更に聞いた話だと、他の人とあまりつるむことがなく、いつも一人で機械を弄り、本を読んでいるみたいだ。教室に滅多に顔を見せず、いつも保健室にいるらしい。


教室に顔を出すときは本当に最低限で、1学期間で彼女が教室に現れた回数は1回か2回くらいだそうだ。


なんとなくこの人と仲良くなりたいと思った。人との繋がりが薄くても、何かに没頭しているところが好感を持てた。


もし機会があるなら話してみたい…。


その機会は思ったより早く訪れた。


なんと彼女から私に会いに来たようだ。


放課後になると突然教室にやってきて、私の名前の生徒がいるか出入口の近くにいる生徒に聞きこんでいた。


柊「私です」


そういうと彼女と目があう。眠そうな目つきで手をクイクイと動かしてこっちに来いという感じを出してきた。


星名「私は星名メア。柊さんに頼みがあるの。この後付き合ってくれない?」


柊「頼みですか?」


星名「そう。とても大切なお願い」


柊「なんですか?」


星名「場所を変えたい。付いて来てくれる?」


柊「…わかりました」


自分に何の用かなと思いながら彼女の後を追う。廊下を歩き、コンピューター室の前まで歩いた。その間会話なし。


星名さんがカバンから鍵を取り出して、コンピューター室の鍵を開けて中に入る。


星名「入って」


柊「…はい」


戸惑いながら中に入る。彼女が電気をつけると、そこには沢山の機会と本、工具箱が散らかっている。


柊「うわ」


思わず声が漏れてしまった。


星名「こっちに座って」


星名が指を差したところに椅子が2つある。カバンを椅子の下に置いて座ると、星名さんは扉をガチャンと閉めたと音がした後、奥の棚からコーヒーカップを持って、機械の前に置きボタンを押すと、ジョロジョロとコーヒーがカップの中に入れられていく。


星名「砂糖とミルクはいる?」


柊「…は、はい。お願いします」


カップを1つとスプーンが私の目の前に置いて、もう1つを向かいに置く。


星名「はい」


砂糖の入った容器と牛乳パックが置かれた。スプーンで砂糖を1杯掬ってコーヒーに入れて、牛乳を入れて混ぜる。真っ黒から白色の飲み物に変わった。


星名「…」


星名さんは何も言わず、砂糖を大量にコーヒーに入れた後、牛乳を私よりも多く入れてスプーンでかき回すと、私のより白色になった。星名さんがカップに口をつけたのを見て、自分も飲む。


柊(…少し砂糖を入れすぎたかも…)


星名「話というのは、あなたの占いの知識を私に教えてほしいこと」


柊「…? なんで私に?」


星名「あなたは学園でも有名なくらい占い大好き。そして的中率も高いと聞く。私にも占いの仕方とか、知識を教えてほしい」


柊「…それなら本とか読めばいいじゃないですか」


そういうと星名さんは立ち上がり、奥から何冊も分厚い本を幾つも持って、私の前に置く。私にはそれに見覚えがあった。


柊「…これは…」


星名「占いの本ならここにある本は全て目を通して、内容も把握している。あとは実際に占いをしているあなたの意見がほしいの」


柊「…この本、占い界で有名な幻の本じゃないですか。10冊限定の…よく持っていますね!」


星名「協力してくれたらここにある本を貸してあげる。上げるわけじゃないよ?」


柊「本当ですか!?」


思わず椅子から立ち上がり、顔を近づける。星名さんは顔を近づけられることを嫌がったのか、椅子を後ろに引いて距離を取る。


柊「あぁすみません。…でも…」


星名「いつも一人で機械ばっかり弄っていて、大学で講義をしている私は他の奴らみたいにあなたの占いを一切馬鹿にしない。約束する」


柊「…わかりました」


そこからは占いと機械が大好き少女2人の熱の入った話し合いになった。


星名さんが誤解している解釈を私が違うと指摘すると、星名さんがまた違う解釈でどうかと聞いてきて、私が一度も考えたことがなかった解釈をしてきたりして熱中に話していた。


途中から星名さんの機械の話になった。最初は何を言っているのかさっぱり分からず、ポカーンとしてしまったが、占いの話を絡めて丁寧に教えてくれた。


途中から星名さんが言っていた分からない部分が分かるようになり、また占いの話に戻ったと思ったら機械の話に戻ったりと、あっちこっち行った話し合いになったが、自分の話したいことを全力で返してくれる彼女に好感を抱いた。


もっと話したいと思いながらコーヒーのお代わりを頂いて飲み切った後、星名さんのスマートフォンに着信音が鳴った。


星名さんは一言私に謝り電話に出る。めんどくさそうな顔をした後、耳からスマートフォンを離す。


星名「柊さんごめんなさい。私用事が出来たから話はおしまい」


柊「…そうですか」


もっともっと話したいのに…。落ち込んでいると


星名「柊さんの占いの話もっと聴きたいからさ…また話そうね」


スマートフォンを突き出し、連絡先を交換するよう促してきた。


柊「っ…。こちらこそ星名さんともっと話したいです!」


喜んで連絡先を交換してコンピューター室の前で別れた。


家に帰ると、椿ちゃんと奈那子ちゃんが話しかけてきた。


椿「楓機嫌がいいね。何かあった?」


楓「あったよ」


次はいつ話せるかな~♪


連絡先に表示されている「星名メア」を見てにやけていた。


今後もよろしくお願いします。

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