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12人の少女達の日々  作者: ヤマネコ
3/16

柊椿×瀬奈来夏

ブクマよろしくお願いします。

ある日の午前授業。


教師「では2人一組になってください」


2クラス合同の授業で、違うクラスの人とランダムでペアになり、一緒に作業することになった。私は瀬奈さんと組むことになった。


瀬奈来夏。彼女は服装を大きく崩しているグループの一人でリーダー的ポジションにいる。お洒落にとても強い興味があるようで、制服を改造して、フリフリを沢山付けて登校してきたことがあったり、学校の指定したセーター以外のセーターを着てきたりと服装関係でなんども教員に注意されている。


以前生徒指導部の教員が複数人出てきて、彼女を連行していった。教員に「お洒落だ」と抵抗しても教員はそれを聞き流して、説教をしたそうだ。それ以来露骨に制服を改造することはなくなったが、良く見ると、細かい所に彼女なりのアレンジが加えられている。



性格も明るく、サバサバとした感じの人なので、クラスでも中心的な存在であり、発言力が高いが、そんな彼女にもあまり印象がよくない噂が流れている。


いわゆる援○だ。実際この前の身体測定で聞こえてきたが、彼女の3サイズは85/57/82の165センチらしい。男に取っては彼女の身体は十分魅力的に見えるだろうし、スカートを短くしている所から、性的な魅力を感じてしまうのは分からなくはない。


私には可愛い妹が2人いる。奈那子と楓だ。あの二人も最近お洒落に興味が出たようで、何かと雑誌を読んで話し合っている。女子力を磨くのは結構なことだが、あまり行き過ぎたお洒落をしないでほしいと思っている。そう。例えば瀬奈さんのような感じのはやめてほしいと思っている。


柊「瀬奈さん」


瀬奈「ん~?」


瀬奈は爪の手入れをしながら、柊の顔を見ずに生返事をする。授業をまともに受ける気はなさそうで退屈そうにいている。瀬奈さんと話したそうにこちらを見ている生徒が複数人いるが、授業はきちんと受けているようで、気になる程度ではない。


柊「最近あなたの服装乱れすぎてないかな?スカートも短いし、シャツもそんなにボタンを開けて…瀬奈さんが少しでも屈んだら中見えるわよ?」


瀬奈「ブラしているから平気よ」


柊「あなたが平気でもそれを見て平気じゃない人がいるから」


瀬奈「そんなの知らないよ。平気じゃないなら見なければいいでしょ」


もっともな意見だ。見るのが不快なら見なければいい。それが一番手っ取り早いのも理解できる。


柊「…私には妹が2人いる。最近お洒落に興味が出たみたいだけど、瀬奈さんみたいお洒落をしてほしくないの。瀬奈さんはそれをお洒落だと思っているみたいだけど、妹たちがあなたの真似するのをやめてほしいから、少し控えめにしてほしいの。それなら多分まだ許容できるし…」


瀬奈「…はぁ」


爪の手入れを中断してとても怠そうな溜息をついた後、この時間初めて瀬奈は柊と目と目を合わせて話し始めた。


瀬奈「あのさ、柊さん。妹さんたちのお洒落は妹さんたちが考えたお洒落だから好きにさせてあげればいいじゃない?それに妹達が私の真似をするのをやめてほしいって言うのはあなたの願望でしょ?その子たちが自分たちで真似をすると決めたなら姉として見守るべきじゃないの?許容できるって何?柊さんは私の何なの?なんであなたの許容内にしなくちゃいけないの?」


柊「…確かに私の願望だね。でも姉だからこそ、行き過ぎたお洒落をするのはやめてほしいと思う。貴方のお洒落は世間一般では派手な方だと思うわ。そんな派手な真似はしてほしくないし…」


瀬奈「はぁ?姉だからってなんでもかんでも妹に制限をしたら嫌がられると思うよ?世間一般?世間一般とか知らないし。私のしたいお洒落をするだけだし。ていうか控えめなお洒落って何?」


柊「それは…」


自分の主張が間違いではないかと思い始めた。


瀬奈「…したいようにお洒落させてみたら良いと思うよ」


柊「…」


瀬奈「話しは終わり?」


柊「そうね…ごめんなさい。少し言い過ぎたかもしれない」


瀬奈「んー」


チャイムが鳴って授業が終了した。瀬奈さんは同じクラスの人と仲良さげに話して教室から出て行った。



~昼休み~


クラスメイトA「柊さん。一緒にご飯食べよう~」


柊「うん」


友達が自分の机の周りに椅子を置いて、私の机の上で各自の昼食を置いていく。


柊「お洒落ってなんだろう」


クラスメイトB「突然どうしたの?」


柊「いや、妹がお洒落に興味を持ち始めたけど、私自身お洒落について何も分かっていなかったなって思って」


クラスメイトC「確かにお洒落って難しいよね」


クラスメイトB「隣のクラスの瀬奈来夏さんがお洒落ってよく聞くよね」


クラスメイトA「あれ少し色々つけすぎじゃない?私はもうちょっと抑え気味で良いと思うけどな」


クラスメイトC「そんなことないよ!あれくらいがちょうどいいと思うよ。ねぇ?」


クラスメイトB「私にはよくわからなかったよ。お洒落なんて自己満足で良いと思うけどね~、妹の好きにさせて見たら? きっと正解は無いよ」


柊「…そうだね。好きにさせてみる」


クラスメイトA「それでさ~~~~」


こうして談笑しながら昼食を摂り、午後の授業を終えて家に帰る。


家に帰ると、奈那子と楓が床に雑誌を散らかして話していた。


奈那子「あ、聞いて椿。楓ったらこっちの方がお洒落って言うのよ、おかしくない?」


楓「聞いてください椿ちゃん。奈那子ちゃんがこれをお洒落と言うのです。おかしくありませんか?」


椿「あ~、はいはい」


妹2人の話の間に入ってお洒落とは何かを聞いていた。


お洒落って難しい。




今後もよろしくお願いします。

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