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12人の少女達の日々  作者: ヤマネコ
2/16

明坂絵美×茅野亜李

ブクマよろしくお願いします。



明坂「はぁ~」


溜息がこぼれる。スイーツをもっと食べたいけど、食べすぎるとお腹が出てしまう。かと言って長期間食べて居ないと、手が震えてくる…ジレンマだ。


そんなことに悩みながら授業を聞き流していた。




授業が終わって放課後に親友とスイーツを食べに行く予定だったが、急用が出来て行けなくなったらしい。そういうこともあると思って肩を落として、一人でスイーツを食べにお店に向かっている途中に


???「っん~!」


苦しそうな声が聞こえた。聞こえた方向に目をやると、自分と同じ制服を着た女子が路地裏に連れていかれるのを見た。


明坂(…相変わらず治安が悪いわね)


連れてかれた方向に耳を澄ますと、複数人の男の楽しそうな声が聞こえた。


明坂「…仕方ないな~」


近くの出店の店主に話を付けた後、路地裏に入っていった。


掴まっている女子「やめて!やめてください!」


男1「ぐへへ。ほら。黙っていろ」


男2「俺最初な。前はお前に譲ったからいいだろ?」


男1「ち。仕方ないな。ホラ」


男1が女子の制服を無理やり脱がそうとするが、女子は抵抗していると、女子の手が男1の頬をひっかいてしまった。


男1「いって!」


楽しそうな男1の目つきが、睨むような目つきに変わってしまうも、女子は抵抗し続けているが、その力が弱弱しくなっている。


カシャ。


カメラのシャッター音が聞こえた男たちは、一瞬動きを止めて顔だけ音のした方向を見るも誰もいない。


男1「おい…撮られたのか…?」


路地裏の近くで声が聞こえる。


明坂「お巡りさん。こっちです。こっちで強姦されそうな女の子が!」


男2「こいつはもういい。おい!この事誰かに行ったら殺すからな」


男1「くそ!上玉だったのに」


男2人が全力疾走で路地裏から逃げていったのを路地裏近くのお店に並んでいるふりをして見届けた。


明坂「ふぅ~。おじさんありがとうございます」


店主「いやいや、これで助けられるなら安いものだよ」


明坂「今度何か買いますね」


店主「はいよ」


店主に頭を下げて感謝を示した後、路地裏に入り込む。そこには目を両手で押さえて泣いている先程の女子がいた。


明坂「大丈夫ですか?」


出来る限り優しい声で遠くから話しかけると、彼女は顔を上げた。


襲われた女子「は…い」


明坂「あいつらはもういないから大丈夫だよ」


襲われた女子「え……っ…と…そう…な…ん…………です…か」


明坂「そうですよ。立てますか?」


襲われた女子「その…まだ…」


明坂「そうですか。落ち着くまで一緒にいましょうか?」


襲われた女子「…お願いします」


特に会話することなく、距離を詰めすぎないように、目線も合わせず、10分程度そこにいた。空気は少し重苦しかったが、彼女の気持ちと比較してみれば、軽い方だと考えることにした。




襲われた女子「あの、ありがとうございました。まだきついですけど、もう大丈夫です」


明坂「そう。あぁ、これ見て」


女子にある写真を見せる。


襲われた女子「それは…」


明坂「あなたが襲われたときの写真。男2人の顔も映っているし、あなたの胸やお尻に触れているところもバッチリ映っているわ。この写真をあなたにあげるから連絡先交換しましょう」


襲われた女子「えっと…」


明坂「もし使えることがあったら使いなさい。襲われたあなたは何も悪くないわ。悪いのは襲ってきた奴らよ。遠慮する必要なんて全くないから」


襲われた女子「…わかりました」


その子と連絡先を交換して、写真を送る。


明坂「あと、目撃者がどうとか言われたら、そこのお店のことを言いなさい。私もあのそこのお店に協力してもらったからきっと力になってくれるわ。それに、人通りも多い方だし、男2人が突然飛び出した所を誰も見ていないというのは考えづらいと思うから、そこまで深刻に考えなくても問題ないよ」


襲われた女子「…ありがとうございます。あの…お名前は?」


言うか悩んだが


明坂「…明坂。明坂絵美」


襲われた女子「…明坂さん。この御恩は必ず…!」


明坂「別にいいわよ。それじゃあ私はもう行くわ」


襲われた女子「はい。ありがとうございました!」


路地裏から出て、先程のお店と周辺のお店に、彼女のことを説明し、もし警察に事情聴取をされたら協力してあげてほしいと頼み込み、スイーツを求め、目的地に向かった。



数日後


私は普段通りに学校に行くと、クラスメイトが私を見た瞬間、それまでの談笑が止まり静寂に包まれた。


明坂「…?」


気にせず、自分の席に座り、カバンを机の横の出っ張りに引っ掛ける。クラスメイトが私を見て何かを話している。話している感じが何か嘲笑うとか冷やかしとかそういう感じではなくて、尊敬とか崇拝とかそんな感じの印象だった。


明坂(居心地が悪い)


気を紛らわせるためにスマートフォンを取り出し突いていると、親友の茅野が登校してきた。


茅野「おはよ~」


明坂「おはよう」


茅野「なんか教室の雰囲気変。何かしたの?」


明坂「なんで私が何かしたこと前提になっているのよ」


茅野「親友だから」


明坂「それ理由になってないわ」


茅野「なっている。で?何があったの?」


明坂「…路地裏に女の子が連れていかれて強姦されかけているところを割り込んだ」


茅野「…あ~。あれ絵美のことだったの」


明坂「…あれ?」


茅野「さっき廊下を歩いている時、すれ違った人が、強姦から助けてくれた人がいてその人の名前が明坂絵美って言っていたから」


明坂「…いや、それ私の名前でしょ?私以外に誰がいるのよ」


茅野「言わせているのかと思って」


「テヘッ」と右手を頭にこつんとぶつけて可愛らしく舌を出している。


明坂「…今度のスイーツ亜李の分なしね」


茅野「あ?ふざけんなよ?」


冷たい口調で返してくる。

明坂「冗談だって冗談」


両手を前に出して、「まぁまぁ」と落ち着かせると、


茅野「それで~~~」


そこからは適当に話した。何を話したかを覚えていないがどうでもいいことを話したような気がする。


放課後


茅野「そういえば今日沙耶と遊ぶの?」


明坂「沙耶は予定があるらしい。仲良くなった友達と遊ぶって言っていた」


茅野「そうなの?…ねぇ、絵美。あの子絵美に話しがあるんじゃない?」


茅野が向けた視線にはこの前の女子がいた。


茅野「…お邪魔虫は退散しますね~」


返事を聞かず、教室を出て行った。茅野とすれ違うように、あの時の女子が教室に入ってくる。


襲われた女子「…私のことを覚えていますか?」


明坂「覚えているわよ」


襲われた女子「…あの後、被害届を出して、あの男2人は逮捕されたみたいです。私と会う前に、確認されているだけでも20人の女性が性的被害を受けていたようで…。貴方のお陰で、事情聴取とか、拘束時間も素早く終わって…丸く収まった感じです。本当にありがとうございます」


明坂「なんども言っているでしょう?私はたいしたことはしてないわ。あなたが被害届を出そうと決断できたからこその結果でしょう」


襲われた女子「…それでも助けてくれたのは事実です。あの…もしよかったら友達になっていただけませんか?」


明坂「え?私不良って言われて、結構他の人から距離を取られているけど…」


襲われた女子「そんなことはどうでもいいです。私が明坂さんと友達になりたいです!」


明坂「えっと……うん。わかったわ。今日から友達ね。よろしく」


襲われた女子「こちらこそよろしくお願いします!」


明坂「いや、あなた同学年でしょう?敬語はやめなさいよ」


襲われた女子「そんな恐れ多いこと出来ません絵美様」


明坂「ちょっと待って。絵美様って何?」


襲われた女子「? 絵美様は絵美様ですよ?」


明坂「いや様付けはやめて」


襲われた女子「わかりました絵美様…あっ、違う絵美様…あ~、絵美様」


やめろと言われても流れる水のように絵美様を連呼している。


明坂「~~~。わかったわ。絵美様でいいわよ…はぁ」


これから余計に奇怪な目で見られそうだ。


襲われた女子「ではさっそく行きましょう!絵美様」


明坂「…はい」


教室から出て一緒に下駄箱に向かう。茅野の姿はなく先に帰ってしまったようだ。


襲われた女子「それでですね~」


明坂「…へぇ~」


会話をしているとスマートフォンが震える。画面を見ると一見の通知が表示されていた。


茅野亜李『絵美様~♪』


…あいつのスイーツ今度目の前で奪ってやる。


そんな思いを胸に秘めながら、夕焼けの下に彼女と一緒にこの前協力してもらったお店に一軒ずつお礼を言いに行き、そこでスイーツを一緒に食べた後、家に帰った。



体重計に乗って表示された数字を見て悲鳴を上げたのはまた別の話。




今後もよろしくお願いします。

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