6話 王からの呼び出し
不味い、非常に不味いことになった。何が不味いって?
なんと俺、この国でお尋ね者になったんだよ。
やったね!!
そのせいで朝から兵士が来て王室に連行され今、王の前に正座されている。
もしかして、俺が昨日しばき倒した男の件のことか?
「お主か?昨日、上級の水魔法を無詠唱で放ち男を倒した、黒の魔物狩りわ?」
はい、昨日の件ですね。
もしあの男が王族なら俺、処されるね。
最悪、死刑ですね・・・もう正直に話すか・・・。
「そうですが、何か不味かったですか?」
「?いや何も不味くないぞ、あの男は、先日我が城で盗みを働き指名手配中だった者だぞ」
マジっすか・・・じゃあなんで俺、呼ばれたんだ?
「あの・・・なんで俺、呼ばれたんでしょう・・・」
俺がそう言うと王は、ゆっくりと立ち上がり俺に対し少し顔を下げて話しかけてきた。
「実は、お主の実力を見越して頼み事がある・・・」
すると王は、驚きの行動に出た。
「先日、我が娘、レルナが誘拐された・・・報酬ならお主の好きなようにしてよい!・・・なので、どうか我が娘を・・・探し出して、救ってくれんか・・・!この通りじゃ!」
そう言いながら王は、一般人である俺に土下座してきた。
もちろん少し顔が怖いが大臣だと思われる人や護衛の兵士達は、「頭を上げてください」など言うって王が頭を上げるように促すが王は、ずっと俺に向けて土下座したままだ。
・・・だがこれで分かったのが1つある。この王がとても娘思いなことが・・・そんな王の姿を見て決意した。
国王の娘を助ける!そして報酬として大金と魔物などの情報を与え続けるのを報酬にしてもらおう。
クククッ・・・おっと今、顔に出そうになったな危ない危ない。
「王様、分かりました。その依頼、お受けましょう」
「た、頼んだぞ・・・黒の魔物狩り・・・!」
俺の言葉を聞いた王は、土下座したまま次は、泣き始めた。
どんだけ娘思いなんだよ・・・
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「どうしたものか・・・」
泣いてしまった王の代わりに大臣から詳しい事を聞いてきた俺は、作戦を練るため串焼きを買ってベンチで食べている。
王の娘・・・ようは、王女は、4日前の晩に、突如現れた、仮面をつけた集団に攫われたみたいでしかも、王女が拐われる少し前にあの男も盗みに来ていてほとんどの兵士達は、男を確保し行ってしまいその間に誘拐されたそうだ。もちろん護衛は、居たが魔法で瞬殺されたとのこと。
魔法を使う謎の仮面集団か・・・分かんねぇ・・・・・・ああ!もう考えても仕方ない!!串焼き食ったら情報収集のついでに昼飯食いに行くことにしよう!