5話 王都に来訪!
「・・・よし、通れ!」
「ありがと〜」
ラナル王国に来た俺は、門の前で兵士に荷物検査され通される。
ここラナル王国に来た理由は、2つある。
1つ目は、冒険者から魔物の情報を集めるため。
2つ目は、転生者・・・クラスメートの現状を調べるため。
優先事項は、魔物の情報だな。クラスメートの現状は、正直の所どうでもいい。
まぁ折角、王都に来たから美味しいもの食べるか!腹が減っては、情報収集は、できないとよく言うしな!・・・あれ?戦だったけ?まぁいいや。
適当な屋台で俺は、できたての串焼きを数本買い、食べながら広場に向かおうとすると。
「どけっ!!」
いきなり走ってきた男に弾き飛ばされその衝撃で先程買ったできたての串焼きが全て地面に落ちる。
いや、ふざけんなよぉ!!!!さっき買ったばっかりだぞ!!マジでぇぇぇ!!!あの男・・・絶対・・・ゆ、る、さ、ん!!
俺は、全力で男の追跡を始めた。
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「ハァハァハァハァ・・・ま、巻いたか・・・」
路地裏で息を切らしたあの男を発見。
さっき男が行ったあと兵士が走ってきたからおそらく何か罪を犯し、追われていたのだろう。
ククク、いい機会だ俺の強さの検証ついでに鉄槌を下してやる。
「どうしたのおじさん」
笑顔で男に話しかける。
「何だガキ!」
「僕?そうだなぁ・・・・・・」
正直に名前を言うっても嫌だし・・・・・・よし、安直すぎだが、これで行くか。
「黒の魔物狩りっと言ったところかな?」
うむ、かっこよく決まった。
「・・・ガキが調子乗ってるんじゃねぇぞ!!焼き払え!!フレイムキャノン!!」
うおっ!あの男、中級の火魔法できるのかよ!!・・・まぁ大したこと無いな。
「おじさんにいいこと教えてあげる、食べ物の恨みは、恐ろしい事を」
男の火魔法は、俺が放った水魔法で軽々消されそのまま男は、水魔法に当たり盛大に吹き飛ばされる。
ちなみだが俺が出したのは、上級の水魔法、アクアウェーブ。
普通なら詠唱が必要だが俺は、じいちゃんに鍛えられ無詠唱で発動することができる。
本当にじいちゃんには、頭が上がらない。
一応、吹き飛んで行った男を見に行くと奥で白目向いて気絶していた。
「逃げないように・・・草魔法で拘束〜」
草魔法で根を生成し動けないよう拘束して俺は、新しい串焼きを買いに行くことにした。
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ラナル王国 王室
「国王陛下!!大変です!!」
ドアを勢いよく開け兵士が慌てて入ってくる。
「・・・どうした?」
頭を抱えながら座っていた国王は、兵士が入ってきた時、座り直しながら兵士に質問する。
「た、たった今、先日、城の宝物庫で盗みを働き、金品を奪っていった。男が路地裏で拘束されている所を発見されました」
「本当か!?誰が捕まえたのだ!!」
座っていた国王は、驚きのあまり立ち上がってしまう。
「目撃者によると黒の魔物狩りと、名乗る少年が無詠唱で上級の水魔法を使い男を倒したとのことで・・・」
「く、黒の魔物狩りじゃと・・・?」
国王は、立ったまま、考え決断した。
「黒の魔物狩りと名乗る少年を今すぐここに連れてくるのだ!!」
「はっ!」
国王の命令を聞いた兵士は、すぐに動き出した。
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「ハクション!!」
宿の部屋で買い直した串焼きを食べていた俺は、思いっきりくしゃみをした。
風邪か?それとも誰かが俺の噂してるのか?・・・まぁ今は、串焼きを美味しく味わうことにするか!