4話 魔物狩り、始めました
更に2年後
「おらぁ!!」
ドカーン
「うぉ!」
今までの恨みを込めた斬撃で俺は、ラムラを吹き飛ばした。
「強くなったもんよ・・・ラムト」
「もしかして、じいちゃんを超えたんじゃない?」
「・・・かもしれんな・・・」
ラムラのその言葉を聞いて少し俺は、少しビビった。
普段なら調子に乗るなって言いながらげんこつを食らわせて来たのに・・・絶対何か企んでるな!!
「・・・もう今日は、この辺にしようか・・・」
ラムラの言葉で空を見るといつの間にか薄暗くなっていた。
今日は、いつもより早いなと思いながら俺が家に戻ろうとしていたら夕日に黄昏れているラムラが
「この世界とは、今日でお別れか・・・」
と、呟いていたが俺は、気にせず家に戻った。
程なくしてラムラが戻って来た。
いつも通り俺が作ろうとすると今日は、儂が作るって言うってラムラが夕食を作り始めた。
別にラムラの料理がまずいって言うわけでは、ないがなんか怪しい・・・
俺は、ラムラを怪しみながらできた料理を食べ始めた。
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「ラムト・・・・・・おやすみ」
「おやすみ〜」
何故か間があったのにラムラの言葉に疑問を抱きながら自部屋の布団に飛び込みそのまま寝落ちした。
『ラムラ・ベムラートのスキル、【譲渡】によりスキルを譲渡されました。
譲渡により【統合】、【思考加速】、【火耐性】を獲得しました』
どこからかそう聞こえてきたが俺は、夢と判断しそのまま眠った。
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翌朝
遅い、遅すぎる。いつもなら俺より早く起きるラムラが昼頃になっても起きてこない・・・。
流石に起こしに行くか・・・特訓サボりな・・・。
そんな事を思いながらラムラの部屋に入ると違和感を感じた。
・・・まさ、か、な・・・?
一瞬、あることを思ってもすぐに否定してラムラの側に行き、起こすためにラムラの布団をめくると冷たかった。
震える手でラムラの顔を触ると、氷のように冷たかった。
その時、気づいた。ラムラは、俺が、自分を超えるまで苦しのに、ずっと我慢していたことに。
「じいちゃん・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、…」
涙を流しにながらラムラに謝っても返事は、来ない。
それでも俺は、涙を流しながら謝り続けた。
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昨日、一日中ずっと泣き続けた俺は、大鎌と、ある程度の荷物を持ち、簡易で作った墓の前に居た。
墓は、ラムラ・・・いや、じいちゃんの墓だ。
「じいちゃん・・・育ててくれてありがとう・・・俺は、じいちゃんを超えるために・・・魔物狩りとして世界最強を目指すから少し待っててね」
そう宣言して俺は、墓と家に背を向け歩き出した。