その1 悪魔のゲーム(王様ゲーム)~いじめられる攻介~
「どうも、伊東攻介です!今回は始業式の一時間くらい前の話ってことで、オレ達が1年の時からやっていたことをやるぜ」
「まあ、サブタイトル見れば分かるだろうが是非見てくれ」
「オイ士、オマエズルハ無シダカンナ?」
「おいB、俺はこのゲームでズルしたことはないぞ。お前達の運が無いだけだ」
「あいつ等は何か言い争ってるし俺達で始めようぜ虎鉄」
「わかった栄二。じゃあいくぞ、せーの」
「「始まり始まり~」」
4月。
この日は、私立日乃学園の始業式の日で俺は若干ウキウキしていた。理由は勿論、クラス替え。
早速、正門前に掲示されていたクラス表を見ると進藤真の名前は2年B組10番の所にあった。仲の良い奴等を探すとなんと全員B組に名前があって今日一番嬉しいかも。伊東攻介2番、鬼島虎鉄7番、角田士19番、ボビー・アレックス25番、矢川栄二33番。
俺は嬉しくて少しスキップ気味に教室へと向かった。
2年B組教室。
教室の扉を開けると俺の席の周りにあの5人が集まっていた。
「ようシン、遅かったな」
「だいぶ早く来ただろ。登校時間まであと30分あるぞ?お前らどんだけ早く来たんだよ」
俺の席に座っていた攻介と言葉を交わし、他の4人とも軽く挨拶をする。
暫く雑談をしていたのだが不意に士が口を開いた。
「そろそろいつものやるか?」
瞬間、士以外のメンバー全員が目を見開いた。
「士、まさか今年もやるっていうのか?」
「攻介オマエビビッテんノカ?」
「やりたくないならやんなくていいぜ?」
「去年攻介ばっかりだったからな~、ビビるのも分からなくはないぜ?」
「B、エイジ、テツ、テメェ等今回は絶対負けねぇぞ・・・」
説明しておこうか。俺達は1年の時、クラスはバラバラだったが毎日他の生徒が教室に来る前に集まって王様ゲームをしていたんだ。その内容は王様が決めるんだが、これが滅茶苦茶で誰が王様になるかによって罰ゲームのレベルが跳ね上がるのだ。ちなみに攻介は去年、ほぼ毎日罰ゲームをやっていた。
「マコトもやるよな?」
「士、そのために早く集まったんだろ?」
「その通りだ。さあ、始めるぞ悪魔のゲームを!!」
士はいつもの決め台詞を言って肩掛けカバンから冠が書かれたものと数字が1~5まで書かれた割り箸を計6本取り出した。待て、こいつカバンの中身これしかないぞ?筆箱さえ持ってきていないとは強者だな士・・・。
「王様だ~れだ!(×6)」
一斉に士の手元から割り箸を取っていく。
俺が取ったのは3番の割り箸。つまり、地獄を見るかも知れないということか・・・。
「王様は俺のようだな。さあ、地獄を見るのは誰かな?」
「チッ、なんでツカサが王様何だよ!仕組んだだろお前!」
「攻介、俺はお前達が取った余りを引いたんだ。悪いのは俺ではなく、お前達の運の無さだ」
攻介と士が言い争っているがたぶん今回の罰ゲームは攻介かな。さっき士ちょっとだけ攻介の手元見てたし。
「さあ、罰ゲームと受ける奴の発表だ。
そうだな・・・4番の奴が今日の始業式に目立つ事をしろ。タイミングは問わない。自分の好きなタイミングでやれ」
これまたキツイやつが来たな。絶対始業式の後に職員室レッツゴーの案件じゃねぇかこれ。案の定1人崩れ落ちてる奴がいるし。やっぱり攻介狙ったな士・・・。
他の奴等は歓喜の声をあげてるよ。
「攻介!残念ダッタナ!オマエガ何スルカ楽シミニシテルゼ!」
「攻介ドンマイ」
「天はやはり俺を味方したようだ。攻介今回も楽しませてもらうぞ」
俺はその光景を見て苦笑い。そして俺も攻介に一言言っておく。
「あー攻介、頑張れよ?」
攻介は立ち上がり涙目になりながら
「お前達皆嫌いだ!」
こう叫んで教室から走って出ていってしまった。その姿を見ながら、このメンバーの中だと攻介が1番子供なんだよなぁと思う俺だった。
「何事もなければいいな」
「士、お前自分でやっといてそれ言う?」
「角田士だ。攻介が逃げたんで今回は俺が締めさせてもらうぞ。
今回は王様ゲームをやったんだが、罰ゲームの餌食となったのは攻介だったな。
主役は真のハズなんだが、今回は攻介の方が目立っていたな。次回は攻介の罰ゲーム施行。次回も攻介が目立つ回になってしまうが、未来は誰にも分からない。攻介がどうなるのか、俺達はどう楽しむのか、次回お楽しみに」
「士!攻介帰ッテ来ル前ニホームルーム始マッチマッタゼ」
「虎鉄、攻介はどこで目立つ行動をすると思う?」
「栄二、俺の予想だと生徒会長の話のとこでやると思うぞ」
「B、栄二、虎鉄。さすがに攻介だけやるのは可哀想だ。たぶんそのまま職員室連行されるだろうし」
「ジャアドウスルッテンダ?」
「俺達も攻介と一緒に目立つ行動をする。さすがに攻介だけ恥を晒すのは俺が嫌だからな」
「お前が罰ゲーム考えたじゃん・・・」
「黙れ栄二」
「俺は別にやってもいいぞ」
「虎鉄、いいのか?」
「攻介に合わせて目立つんだろ?やっても罰は軽いだろうし。どうせ反省文くらいだろ」
「オレハ面白ソウダカラヤルゼ!」
「真は強制参加だから残ったのはお前だけだ栄二。さあどうする?」
「チッ。わーったよ、やればいいんだろ?」
「さあ、始業式が楽しみになってきたな。始業式は中等部の奴等も参加するしかなりインパクトを与えられるぞ」
「じゃあ今回はこの辺で終わりにしますか~。
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