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純粋な気持ち
純粋な気持ち
中学生の時。
給食の時間で席に座っていると給食当番が私たちのグループに1本の牛乳を置き忘れ、私の分がなかった。
すると隣に座っていた友人が、あげると言って私の前に置いてくれた。私は友人のさりげない優しさに、すごく嬉しくて自然と涙が溢れ出していた。
それを見ていた『悪ガキ』がそれを取り上げ、もっと泣けと騒ぎ立て始めた。
私にとって嬉しい気持ちで、感動して涙が溢れ出ていたのに、ありえない行動をするその『悪ガキ』によって、私にとっての『とっても大切な純粋な気持ち』が無造作に踏みにじられ、粉々に砕け散ってしまった。
『 もう、泣くものか! 』
そう私の心に誓っていた。
歳を重ねるにつれて様々な体験を通し、どうしてこうも人間は荒でしまうのか驚いてしまう。
あの時のような純粋な気持ちは、ずいぶんと減ってしまったようだ。
まったくもって、すごく悲しいことだ。
だが、それよりもあの時の『悪ガキ』は、もっと可哀想だ。それは、そもそも、その純粋な気持ちなど、これっぽっちも持ち合わせていない、『とてつもなく、ひどく哀れな輩』だったからだ。
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