テト編 第三章 レミーの孤児院にて
「これでも頑張ったんですよー?」
食堂の片隅で私は声を張り上げて言った。二人きりの食堂では声はどこまでも響いた。後日、テストの結果が返ってきた。(ここでは配達式)
自分なりには上出来だと思ったのに、レミーにとっては、悪い成績らしく、さっきから説教である。
外はまだまだ明るく、庭からは妹達(血は繋がっていない)の楽しそうな声が聞こえてくる。
(正直混ざりたい)
「じゃあどーしてこんな点数なの?」
(む、こんなとは失礼な)
「だ・か・ら!これでも頑張ったんですって!」
私は一度椅子から立ち上がった。
「ふーん、これでもねー」
レミーがチラッとこっちを見る。
「42点、23点、56点、46点、21点…これのどこがいいわけ?」
一通り読み上げて私を睨みつける。しょぼくれてまた席に座った。
(確かにそう言われると…)
「うぅ、でも56点は我ながら上出来かと…」
そこまで言って顔を見ると、炎の如く燃え上がった顔がみえた。
「次は…がんばります…」
「それでよろしい次は全試験50点よ」
とレミーが不気味な笑みを浮かべる。とほほと肩を落とし自室へ向かう。
「どこいくの?」
「部屋に戻るよ」
わかったわとレミーは席を立ちながら
「ご飯は食べるの?」
と聞いてきた。少し迷って、
「うん、食べる。夕方には起こして」
と返事をした。
「わかったわ。ご飯を食べた後私の部屋にきて頂戴。」
私はうなづいて、ドアを閉じた。レミーはここ、孤児院の長だ。
私の思考が皆と少し違うのも、レミーの影響が大きい。レミーは少しやんちゃな性格で、昔、天使との間で色々あったらしい。
だから、それに関しては深い考えを持っているようだ。
しかし、そのせいで、周りからは変な目で見られているから、この孤児院には少し変わった子しか来ない。私もそうだ。そもそも天使は白とかピンクとか青とか、そういう綺麗な色しかない。黒など見たことない。(生まれてもすぐ廃除されてるだけかもしれないが)だが、私の目は黒い。眼帯をしているから気付かれないが、私の右目は黒左目は白だ。
母とは会ったことはないが、きっと母は私の目を嫌って、私を捨てたんだろう。
そう考えると、それでも私と仲良くしてくれているナノはやっぱり優しい子だなと改めて思った。黒眼のことは言っていないが孤児院で過ごしていることは知っている。それなのに私に何も聞かづ、いつも仲良くしてくれているのは、テトでけではないだろうか?
なんだかふわふわした気分になって
私は頭から毛布をかぶった。
まぶたはゆっくりおりていった。
「テトー!!起きてー」
ボフっと私の上に何かが乗った
「お、重いー」
ゆっくりとまぶたを開くと、小さくてまん丸な顔が二つ。
「アニー、アトメ、起こすときはもう少し、ゆっくり起こしてって何度も言ってるでしょう?」
ちぇーとアトメが顔を背けた。アニーとアトメは、額に傷がある。生まれる前からだ。そのため親に捨てられたのだろう。
布団から出てカーテンを開ける。まだ日は開けて無くて、夕方から夜へ変わる頃だった。
「で、何?」
「あ、そうだった。ご飯だって、食べる?」
「うん、よしじゃあ行こっか」
私は布団をたたみながら二人の顔を見た。
うんとアニーが元気にうなづく。私たちは廊下を歩いていった。
ガチャ
アニーが勢いよく広間のドアを開けた。
それに気づいたシャルたちが、テトに駆け寄った。
「おはよう、テト。(もう夜だけど)よく眠れた?」
「ありがとう、シャル」
するともう一人シャルの後を追ってこちらにきた。
「で、何をどうしたら、21点取れるわけ?」
うぐっ、まさか知っているとは。
「ええ〜なんのことですか?シャロン?」
「とぼけるんじゃないわよ?42点、23点、56点、」
(そこまで言われると耳が痛い)
「そっそこまで!!もうやめて〜」
うわあーと足元から崩れて、シャルの車椅子になきつく。
「あ〜はいはい。シャロンもいじめないの」
シャロンの意地悪。私がみんなにいじめられていると、シャティがこちらに来た。シャティは目が見えないので、手探りで歩いている。
「んー?あれ?ここからテトの声がしたと思ったんだけど、、、」
「背が小さすぎてわからないんじゃない?」
む、やっぱりシャロンは意地が悪い。
「失礼な!ここにいますよ!シャルの車椅子のとこ!」
「あっほんとだー何?泣いてたの?」
「違います」
あら可愛い〜とテンションが上がっているシャティだが、泣いてなど無いのでそこ間違えないように。
「もう、早く席につきなさい!」
レミーが呼んだ。みんながレミーの方へかけていく。私もシャルの車椅子をひきながら、行く。席について、手を組む。
「我ら天の恵に」
レミーが唱える。
『いただきます』
みんなが言う。
食事を終えると、私はレミーの部屋に行った。
「レミー話って何?」
するとレミーはにこっと笑った。
「おめでとう、テト。今日からあなたはみんなのお姉さんよ。」
嬉しかった。私は姉に任命されたのだ。
孤児院の姉。
この孤児院では、入院してから10年いたらお姉さんチームに入れるのだ、
やっと、、
やっと!
私は今日やっと姉になったのだ。
今日から私はみんなのお姉ちゃん。
幸せな日々。