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美しき天使達  作者: 国際的なオールドファッション
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テト編 第二章 私という存在

次の日からは通常の授業が始まった。

「おはよう」

返事はない。なぜなら私は孤児院で暮らしているからだ。私の右目は黒い。美しくない。だから親に捨てられた。黒目は私のコンプレックスなため、いつも眼帯をして隠している。孤児院暮らしの眼帯をしている不気味な私は、みんなからハブられている。近づきたいという物好きはナノくらいだろう。ざわざわとしている教室の一番左。前から4番目が私の席。正直学校はあまり好きではない。でもレミーに心配をされないよう楽しく振る舞っている。本当はかなりきつい。チャイムがなる。ガラガラと入ってきた人物が声を張って言う。

「席につきなさい」

さらさらとノートをとる音と先生の声が響く。

「すなわち、私たち天使は人間で言う地球に今住んでいるわけになります。」

歴史の授業は好きだ。

昔のことから今のこと知らないことを知るって言うのはとても楽しい。

しかしながら、地理などと言う地形やらなんやらを覚えなければならないものは大嫌いだ。なぜ覚えなければいけないのか

暗記は嫌いだ。

「と言うことは僕たちは汚い人間が住んでいたこの星に住んでいるってことですか?」

私が考え事をしているうちに、頭のいいティー(ティア)は先生の話に鋭い質問をしていた。

「いいえ、もともと地球は美しい星でした。が、人間などと言う愚かな生き物が自分たちの醜さに知らぬふりをしてここを占領したのです。まぁ結局はこの星は我らが住むべきところだったのですよ」

先生が負けじと話す。

それを聞いて昔、人間は地下にも住んでいたと言う話を思い出した。

私は手を上げて

「先生、地下は今、どうなってるんでしょう?」

と聞いた。

しかしながらそこでチャイムが鳴ってしまい、質問は中断された。

授業が終わりティーに聞きたいことがあったのでティーのところに行ったのだが、

ティア、通称ティーはクラスの人気者。おまけにモテるので、なかなか輪に入れなかった。

「ねぇティー。聴きたいことがあるんだけど、二人きりでもいいかな?」

恐る恐る私が聞くと、

いいよとティーは場所を移動してくれた。

「ねぇティー、さっきの先生の話。地球は美しいかそうでないか、ティーはどっちだと思ってる?」

そうねとティーは少し考えてから、

「別に正直美とかどうでもいいけど、天界から天使が地上に降りた理由って天使の増加が原因でしょう?でも実際そこまで多いとは思わないから、美って言うのもこじつけかも」

ティーの話にピンとこない私は、ハテナマークだけが脳内に浮かんだ。

「うーん、ようするに、私たちは自ら降りたではなく、堕ちた、落とされたの方が正しんじゃない?って思った。まぁ天界に行かないことには何もわからないけどね」

余計にこんがらがる。

「まぁわからないならいいよ。ゆっくり考えな?」

ティーは用事があるからまたねと帰っていった。だが、天界に行くとは。もしかして推薦を狙っているのかな?頭のいいティーならあり得る。

(推薦とは選ばれた天使が大天使としての修行を積むため天界に行くこと)

と、しばらくそこで考えていると、

「テト!ここにいたの?先生が呼んでたよ」

と学級委員のシュラが呼びにきてくれた。

話ってなんだろうと聞くと今日の質問についてではないかな?と教えてくれた。先生にあうとさっきの質問について話してくれた。

これは本当かどうかは先生もわからないらしいのだが

「地下は今も何かが住んでいるかもしれないと言う噂があるらしい本当のところはだれも知らない。それに地下は陽の光を浴びれないため、1週間もいれば天使は体調が悪くなる。だから行きたがるものもいないだろう」

その話を聞いてなんだか怖くなったので、

途中で話を切り上げ、私は急いでナノのところへ向かった。

「一緒に帰ろ」

私が声をかけるとナノは笑顔でうんとうなづいた。

「明日から、三日の休みだね、どっか行くの?」

「特にないかな、家でゆっくりするよ」

「美容には手を抜かないでね」

ナノが笑った。

夕焼けがさした地面はキラキラ光る。

朝とは違い地面が黄金色に染まる。

雲は薄暗く赤い。

そんな地面はまるで宇宙のようだった。

二人で宇宙を駆けていく。

そして飛び立つ。

これが私、天使の一日。

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