EP.10身分証
更新遅くなりました_(:3 」∠)_
アリアント家のみんなを襲撃から救ったのは良かったが、問題があった。
「護衛の騎士が減りすぎた。さっきの賊はやはり"ブラットキャット"だったらしいな。」
「ブラットキャット…ですか?」
なんだそのThe山賊みたいな名前は。
「ああ、最近王都周辺で商隊や貴族の馬車を狙っている輩だ。男は殺し、女は犯される。そして壊れたら捨てる。そんな奴らだが、元傭兵崩れが多いため、今問題となっていた賊だ。」
「なるほど…。」
それなりに強い山賊さんだったみたいですね。
「本当に、ルーヴィル殿には助けられた。相手がブラットキャットなら、今頃私たちはどうなっていたかは想像にかたくない。本当にありがとう。」
そういうと、メテオラ様はまた頭を下げる。
「…!そんな大したことはしていません!現にいま私は王都まで連れて行ってもらえるわけですし…。なので頭をあげてください!」
「…そうか。感謝する。…ルーヴィル殿、1つ依頼があるのだが、いいだろうか。」
依頼?
「内容にもよりますが、なんでしょう?」
「先の防衛で、護衛の騎士が何人か亡くなった。それでこの馬車を護衛するのに人数が足りなくてな。恩人に頼むのは気が引けるのだが…、頼まれてはくれないか?」
なんだ、そんなことか。
「構いませんよ。」
「ありがとう。オルガ…護衛隊長には私からも伝えておく。さっき話していたからわかると思うが、あの指示を出している騎士がオルガだ。」
さっきの異空間収納持ちの騎士さんね。
「わかりました。では、挨拶してきますね。」
「いってらっしゃい!ルーヴィルさん!」
「…いってきますね、アクア様。」
私は馬車を出てオルガさんの元に向かった。
オルガさんは、あれだな。
他の騎士に指示を出している騎士に声をかける。
「護衛隊長殿!」
「貴女は…外套を被ってはいませんが、先程の旅人殿ですかね?」
あぁ、被るの忘れた…。
「あ、そうです、すみません被り忘れて…。」
恥ずかしすぎる…。
被り直そう、うん。
「あ、いえ、そのままでいいと思いますよ。その方が貴女の顔も見えますしって、俺は何を言ってるんだ…。」
最後は小声になって言う。
「…ふふっ。ありがとうございます。そうだ、自己紹介がまだでしたね。私はルーヴィルと申します。よろしくです。」
「そうですね、まだでした。私はアリアント家の護衛隊長をしています。オルガと申します。よろしくお願いします。」
そう言って2人で握手をする。
「そうだ、先程は見事な手腕でしたね。どうでしょう、王都に着いたらお手合せなんてして貰えませんか?」
手合わせ!
「!是非!私のは我流なのでオルガ殿との手合わせしてみたいです!」
「そうですか!ではお願いしますね。それと私には殿など付けなくてもいいですよ。ただの護衛騎士ですので。」
「そうですか?ではオルガと呼びますね。私のこともルーとお呼びください。敬語も不要ですよ。私はボロが出そうなので、このままでいきますが。」
だって絶対メテオラ様達は、貴族でしょう。
護衛だよ?苗字みたいなの名乗ってたよ?
ボロが出たら怖すぎる。
「そうか、助かる。俺は実は敬語が苦手でな。剣の腕を見込まれて護衛になったものの、元は平民だ。魔法もそんなに使えない方だしな。」
元平民で護衛隊長って、すごくないか?
この世界の基準は分からないが、かなりすごいはず。
私が助太刀する前も観察してたけど、動きが違ったし…。
「…とそうだ、護衛の話をしに来たんだよな。メテオラ様から聞いている。ルーが護衛を手伝ってくれるなら安心だ。」
「過大評価し過ぎですよ。…とそろそろ出発ですか?」
「そうだな、配置も終わったし、行くか。ルーは俺の馬に一緒に乗ってくれ。」
「わかりました。失礼しますね。」
オルガはメテオラ様に合図をした後出発の号令をかけ、馬車は王都に向かって出発した。
途中いくつか、ゴブリンやオークの魔物の襲撃があったが無事に王都に着くことが出来た。
魔物の素材はオルガの異空間収納にしまっている。
ゴブリンは素材になるところは少ないため魔物の核である魔石を回収するようだ。
魔石は魔法が使えない者が少なからずいるこの世界にとっては、誰でも簡単な魔法を使うためのアイテムらしい。
もちろん、使う前にその属性の魔力を込めるらしい。
ちなみに魔石はどの魔物にもあり、魔物によってサイズは様々で魔力が強い魔物ほど大きいものがとれ、高価なそうだ。
オークは魔物だが、肉などは食べれるので解体した後収納していた。
私もブラックベアーとか言う魔物の肉食べたしね。
美味しかったよ。
普通は収納に解体機能などはない。
私のは特殊なようだった。
人前ではあまり使わないようにしないと。
と話はズレたが目の前には王都スカラの南門。
そう、王都に着きました。
「俺はブラットキャット達を軍に引き渡さないと行けないからここでお別れだ。まぁ、引渡しが終わったらアリアント家に戻るから少しの間だがな。確かルーは身分証を持ってなくてメテオラ様に作ってもらうんだったな。行ってこい。」
「わかりました、短い間でしたがありがとうございました。また後ほど!」
「ああ、また後でな。」
そうして私はオルガの馬から降りてメテオラ様の馬車に向かった。
「護衛終わりました。」
「ああ、ルーヴィル殿。入ってくれ。」
許可が降りたみたい、ノックして入る。
「護衛ありがとう、助かった。」
「いえいえ、身分証を作ってもらうんですから、護衛くらいお安い御用です。」
「そうか、そう言ってもらえると助かる。身分証はこの南門で作れる。行こうか。」
「はい!お願いします!」
そういうと、メテオラ様は行者に合図をし馬車は動き出した。
南門での身分証を作るのは簡単だった。
「身分証を作るので、この水晶に手をかざして名前を言ってください。」
私は言われた通りに水晶に手をかざし、名前を言う。
すると水晶は白く輝く。
そういえば、こういうのってステータスでるんじゃないか?
私ステータスバレたらやばくないか…?
「ルーヴィルさんですね、光は白で犯罪履歴もないですね。…よし、指にこの針で穴を開けて、このカードに血を1滴垂らしてくださいね。」
「は、はい。」
言われた通りに血を垂らすと、カードが白く輝く。
内容は名前そして歳だけと簡素だった。
ステータスバレなくてよかった…。
「はい、これで身分証の作成が完了しました。作成料銀貨3枚いただきます。」
…え?作成料?聞いてないよ?
「銀貨3枚だ。」
「はい、確かに。」
焦っていると後ろで見ていたメテオラ様が銀貨を払う。
「メテオラ様!?お金払って貰うのは流石に悪いです!銀貨くらいなら私も持っています。」
無限収納庫に入っていたお金がちょっとあったはず。
「身分証を作って我が家に招待するまでが、賊に襲われた所を助けてくれた礼だ。気にするな。」
「でも…。」
「…そんな顔するな、行くぞ。アクアも待ちくたびれている頃だろう。」
「ありがとう、ございます。」
「ああ。」
メテオラ様は私の頭をクシャッと撫でた後馬車に向かった。
というか、我が家に招待って本格的に貴族だよね?
うーんうーん言いながら描いています( ˙꒳˙ )
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