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ちーと天使の異世界放浪記。  作者: ヴィル
第1章 冒険編
10/12

EP.9襲撃と出会い

久方振りに更新します…


ノロノロペースで更新しますがまだまだ続く予定なのでお付き合い頂けると土下寝レベルで喜びます(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

 一夜明けて、家はそのまま無限収納庫(インベントリ)にしまった。

 家具も造ったし勿体ないからね。

 ちなみに今は昼前と遅めの時間。

 いつもならばもっと早く目が覚めて活動できるのだが、いかんせん昨日は色々なものを創ったので疲れが出たのだろう。

 これは反省点である。

 話は切り替え、今日は大きな街に行こうと思う。

 先程世界地図(ワールドマップ)を見てみた所、此処は千寿の杜と呼ばれる、神域のある杜のようだ。

 普通の森とは違い強い魔物が出たり、神獣や精霊が数多く住む杜のようだ。

 世界地図には解説機能も付いていてとても便利であったのである。

 そしてこの杜の近くには王都がある。

 というのも此処は神域があるため、どの国の領地ではないが、杜を出たら王国領である。

 遠くはあるが、いけなくはない道のりだ。

 ゆっくり行こうと思う。

「準備もできたし、行くかな。」

 遅めの朝食をとり、外套を被り杜を抜けるべく歩き出した。


 採取や狩りをしながら進むと杜を抜けた。

 少し遠くには舗装された道路のようなものも見える。

「あれ沿いに進んでいけば王都につけそうだな。」

 そう考えるとだんだん王都に行くのが楽しみになったので、少し小走りしながら進むことにした。

 もちろん、探査とマッピングを併用しながら進むのも忘れない。

 こうすれば、魔物の奇襲なんかも防げるだろう。

 というか、“探査とマッピング”っていうの長いから、メニューって言おう、そうしよう。

 と、考えながら進んでいるとメニューに見たことがない点の色が浮かんだ。

 白だ。

 その周りには黒や灰色もあった。

 不思議に思い調べてみると、人だった。

 黒は白を攻撃しているように見え、白は段々と灰色になっていた。

 これから推測するにこれは…

「襲撃…っていうところかな。」

 黒は犯罪者、もしくは賊を表している。

 白は賊などではない生存者、灰色は死者だ。

「生存者はまだ沢山いるけど、確実に死者も出ている。これは見過ごせない、かな。」

 私は急ぎ、そこまで向かう。


 少し遠くから見ていると、豪華そうな馬車を白い鎧を着た騎士が守っていた。

 そして騎士が対峙するは山賊。

 騎士25に山賊40といったところだろう。

 既に15程の死者も出ている。

 そして馬車の中にも3人いるようだ。

「これは見て見ぬ振りなんてできない。」

 そうして私は騎士たちの助太刀に向かった。


「ーーーーー助太刀いたします、騎士殿。」

 騎士は15程重傷となっているが、まだ生きているようである。

「貴方は?」

 指揮官と思われる騎士がそう問う。

「私は只の通りすがりの旅人ですよ。」

 そうして私は動き出す。

 剣で斬って仕舞えば殺してしまう。

 だから力を抑え、剣の腹で攻撃を当てて気絶させる。

 一人一人確実に。

 そうして2分ほど経つと、山賊は全て気絶していた。

 私はダミーの鞄から縄を出すフリをしながら縄を造った。

 造った縄で山賊達を縛り上げていく。

「助太刀感謝いたします。」

 山賊を縛り上げ終わる頃、指揮官と思われる騎士が話しかけてきた。

「いえ、たまたま見かけて助太刀したまでですよ。あ、そういえばこの人たちどうしますか?一応生かしてはいますが…。」

 殺すのは嫌だったから殺さなかったけど、後のことを考えてなかった。

「あぁ、私が異空間収納(アイテムボックス)を持っているので大丈夫です。生き物は入りませんが、予備の馬車があるのでそれで運びます。馬は騎士馬を使うので大丈夫です。この者たちには話を聞かねばなりません。殺さなかったことに感謝いたします。」

「そうですか、ありがとうございます。」

 大丈夫そうならよかった。

 山賊も倒したので立ち去ろうとすると、後ろから声をかけられた。

「待って!」

 ん?

 振り返るとそこには海色の髪と金色の瞳の私と同い年くらいの少年が立っていた。

「…なんでしょう?」

 つか、誰だろ?

「あの、助けてくれてありがとう。お礼をしたいんだけど、少し話せないかな。父上も母上も話したいっていってるんだけど…。」

 お礼とかは興味ないけど、何もせずに去るのも駄目だよね。

 うーん、しょうがない。

「わかりました。」

「ありがとう。では、此方に。」

 そう言って案内されたのはあの守られていた馬車の中だった。

 外から見てても思ったけど、豪華だよね。

 馬車の中には少年と同じ色を持った男性と、白金色の髪と夕暮れ色の瞳の女性が隣り合わせに座っていた。

「失礼します。」

 私はそう声を掛けて中に入った。

「私はメテオラ・フォン・アリアントだ。助けてもらったこと感謝する。」

 そう言ったのは少年の父親と思われる男性だ。

 顔立ちは一見厳しそうだが穏やかな表情だ。

「私はエリナ。この人の妻。助けてくれてありがとう。」

「僕はアクア。さっきは言えなかったけど、助けてくれてありがとう。」

「いえ、ただ通りすがりに襲われているのを見つけて助太刀したまでです。お礼を言われるようなことではありません。」

「そうか…。さて、あなたは私たちの恩人となるのだが、何者か伺っても?」

 失念してた。名乗ってなかった。

 今思い出したが、私の今の格好は外套を深く被ったたままだ。

 しかも無駄に強い。

 側から見れば不審者にしか見えないだろう。

「あー、申し遅れました。名をルーヴィルと申します。以後お見知り置きくださいませ。」

 そう言ってから私は外套のフードを脱いだ。

 結構勢いは抑えてはいたが、戦闘中にフードが外れなかったのは驚きだ。

「…ほう。」

 外套について考えているとメテオラ様が含みのある様な声を出した。

「ルーヴィル殿、通りすがりとの事だが、もしや王都に向かっていたのですかな?」

「はい、王都には冒険者登録をしに向かっていました。私の住んでいた所には登録するところがなかったので、1番近い王都にと。」

「ギルドがない…?」

「はい、祖父母と共に森に住んでいたのですが、2日前に亡くなりました。なので、森をでて冒険者になろうと思い出てきました。」

「そうか、悪いことをした。」

「いえ、もう吹っ切れているのです。大丈夫ですので、お気になさらないでください。」

 王都に向かっていることは本当だが、後半は設定だ。

 もし、聞かれたらそう答えようと決めていた。

 でもまぁ、あながち嘘ではないのだが、それはまた別の話だ。

「森に住んでいたのなら、身分証は持っていないのではないですか、父上。」

 アクア様が疑問を口にする。

「はい、実は持っていなくて…。」

「そうか、なら我々と共に王都へと行かないか?」

「…いいのですか?自分で言うのもあれですが、どこの馬の骨かもわからないのですよ?」

 そういうと、エリナ様が私を見つめて言った。

「えぇ、不安な気持ちもありますわ。ですが貴女は賊に襲われていたわたくしたちを助けてくださいました。普通は見つけてもみて見ぬふりをする方の方が多いのにも関わらず。だからわたくしは、貴女を信じたいと思うのです。」

「まぁ、そう言うことだな。」

 メテオラ様やアクア様も同じ考えのようだ。

「ありがとう、ございます。」

「礼は無用だ。」

 こういう時、人の温かさに触れるとどうしていいかわからなくなる時がある。

 いつもは人の言葉の裏の意味を探っていたからかも知れない。

 だが、今回はそんなのは無いと、初めて感じた気がした。

これからは1週間に1度の更新を目指し頑張ります

ルーちゃんに応援のほどよろしくですヾ(*´∀`*)ノキャッキャ

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