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獣人転生〜忌子の僕は奴隷になる〜  作者: 和泉秋水
2章2節 シオンの冒険者生活 Part1
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番外編 年末年始

明けましておめでとうございます。


小説を書き始めて半年が経ちました。

どうか2020年もよろしくお願いします。


 クリスマスから一週間。

 大晦日だ。


 この世界にも大晦日や正月がある。もちろん日本人の転生者の仕業だ。

 この世界では年越しには鐘を鳴らし、初詣は神社の代わりに教会へ行く。

 教会という点以外は日本とさほど変わらない。


 今日は大晦日。

 家族総出で家と店の掃除をした。魔法で建物ほど消し飛ばそうかと思ったほど汚れが多かった。


 そして年越しまであと一時間。私はいつものメンバーで集まっており、今は時計塔に登り街を眺めていた。


「今年もいろいろあったなぁ」

「ええ、そうですね」

「依頼にもいろいろあったからね」

「でも今年も大きな怪我もなく越せましたからね」

「ほとんどの魔物、シオン様が倒してたけどね」

「あなたたちが心配だからで……ん? あれは……」

「どうしたの、シオン様」


 時計塔から壁の外に目を向けると魔物の群れがこの街に向かってきていた。


「うわっ、本当だっ。警備員は……」

「おそらく大晦日だから油断してんじゃねぇか?」

「急いで向かった方がいいですね」

「でも今から行っても年越しが」

「私が先に行ってますので。そうすればギリギリ間に合います」

「俺たちはどうすれば……」

「ここで待っていてください。では」


 私は時計塔から飛び降り家の屋根に着地し屋根伝いに走っていく。

 道には年越しを祝う人たちで賑わっていた。

 そんな人たちを無視して私は魔物の元へ向かっていく。


 数分ほど走り続け壁を飛び越える。

 魔物はすでに数十メートル先にまで迫っていた。


「あの魔物は……AランクとSランク、ですか」


 群れはオーガの変異種であるブラッドオーガで、全身が赤く通常のオーガよりも何もかも――知能、腕力、脚力など――がレベルが違う。

 しかもブラッドオーガのさらなる変異種、ブラッドオーガG(ギガ)――普通のブラッドオーガとは一線を画す――が群れのリーダーだ。

 しかもブラッドオーガが十二体、ブラッドオーガG(ギガ)が一体だ。

 普通の冒険者や警備兵では瞬殺されていただろう。


 今の私では少々苦戦するだろうがなんとか倒せるだろう。


 先手必勝と私は雷魔法で突進し剣でつく。

 衝撃で二体が絶命する。


(もう少し死ぬと思いましたが……甘かったですか……)


 ブラッドオーガ達は突然の襲撃に驚くも、すぐに戦闘態勢に入る。

 私と十体のブラッドオーガ達が相対する。



 戦闘が始まって十数分ほどが経っている。

 私はまだ五体しか倒せておらずまだ五体も残っている。年越しまで三十分をきっているというのに……

 G(ギガ)が中々に厄介なのだ。ブラッドオーガを倒そうとすれば邪魔をして、G(ギガ)を倒そうとすればブラッドオーガが邪魔をする。


「いい加減に、してくださいっ!」

「グギャッ!?」


 魔法を付与した剣でブラッドオーガを一体斬り伏せる。

 その勢いで『身体強化』や知識、技量をフルで活用して次へ次へとつなげ、四体のブラッドオーガを切り伏せ、残るはG(ギガ)のみとなった。


「グギャァァ……」

「はぁはぁはぁ……あとは、あなただけですよ。さっさと死んでください」

「グギャッッ!」

「くっ」


 G(ギガ)の全速力からの殴打はかなりキツい。骨にヒビが入ったかもしれない。回復魔法をかけて治す。


「はぁっ!」


 渾身の一撃を与えるも防がれてしまう。


(そろそろ倒さないと面倒ですね。仕方ないですね)


 私はとある魔法を発動する。


「『風雷水花』」


 三属性の魔法の花がG(ギガ)を中心に咲き、その身を滅ぼす。

 威力は上級。暗闇を塗りつぶすほどの眩い光が大きな花から発される。

 しかしそれでもG(ギガ)は耐えている。


 なので更に――


「『雷神之柱(ゼウス・ピラー)』」


 最上級雷魔法を発動し、巨大な雷が地上に降り立つ。それはまるで雷神が降臨したかのようだった。



ゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッゴォォォォォォンッ



 年越しを知らせる鐘が教会から知らされる。

 それと同時に光の柱が壁の外に降り注ぐ。幻想的な光の柱に領民達はさらに盛り上がる。


「あれはシオン様の魔法か?」

「間に合わなかったか」

「でも来年があるさ」

「おまたせしました」


 ちょうどシオンが戻ってくる。


「少し遅れましたが問題ないでしょう」

「シオン様、強かったのか? 敵は」

「はいブラッドオーガとG(ギガ)の群れでした」

「えっ、それヤバすぎだろ」

「そのせいで少し遅れましたからね。まあ、あけましておめでとうございます」

「今年も一年よろしくな」

「あけおめ、シオン様」

「今年は私も目立てるようによろしく頼む」


 ◇◇◇


 年を越した後、数時間ほど仮眠を取り私たちは初詣にきていた。

 教会は朝から多くの人が来ていて混雑している。


 私はせっかくだからと母に勧められて着物を着ていた。

 それに倣うようにリコも着物を着て、それならとユーとリョウは袴を着ていた。


 そしてやっとのことで参拝の列の先頭まで来た。

 賽銭箱に小銭を入れお祈りをする。


(家族に幸せあれ)

(シオン様に幸せがありますように)

(神楽様が見つかりますように)

(神楽様が元気でいますように。ついでに私の出番も増えますように)


 お祈りが終わったので列から外れる。


「シオン様はやっぱり神楽様について願ったのか?」

「いえ、願ってませよ」

「え……そうなのか?」

「当たり前です。神なんかに頼るぐらいなら自分でどうにかします」

「お、おおそうか」

「ん? あれは……支部長?」


 少し雑談を交わしているとリコが支部長を見つける。


「あ! いたいた、おーい! シオン君! あけおめ!」

「あけましておめでとうございます」

「おめでとうございます支部長」

「あけおめです支部長」

「あけましておめでとうございます支部長」

「うん、おめでと。それでシオン君、年越しの時の光の柱って……」


 支部長の三人へのあいさつは軽いものだった。


「はい、ブラッドオーガの群れがいまして、これから報告に行こうかなと思ってましたが面倒くさいので諦めようかなと思っていたところです」

「だと思ったよ。だから初詣ついでに聞きに来たんだよ。じゃ、早速支部長室に行こうか」

「着替えてから行きます」

「そのままでいいのに」

「動きづらいんですよ」

「でも可愛いよ?」

「ではまた後で」


 寂しそうにしている支部長を置いて一旦別れ着替えに帰ることにする。三人は私が終わるまで店などをみて時間を潰すそうだ。


 今年も波乱万丈な一年になりそうだ。

読んでいただきありがとうございます。

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