母と通った道
小5の頃
健康診断で 蓄膿症と書かれてあった
t.v.の宣伝とかで見た事があったけれど
まさか自分に降り掛かるとは思っていなかった
びっくりした
母に連れられて 電停から耳鼻科への道
美容院の予約まで
お買い物をしても まだ1時間潰す必要があった
還暦過ぎた私には もう母はいない
独りでぐるりと辺りを周ってみる
名医の耳鼻科への道
今もはっきりと覚えている
その頃の人も車もそんな無い道 真ん中辺りを
母は左側を歩き 私は右を歩いていた
それとも逆だったろうか
想い出すのは 何故か自分には見えない筈の
2人の輪郭
記憶は反転したりするのかな
確かにこの場合 逆かもしれない
それきり 検診結果は
アレルギー性鼻炎が1回くらい
その後は 何も書かれ無くなった
高校辺りでは
自信無さそうな 若い医師の問いに正しい回答もせず
不問となった
大きくなると 時には独りで通った道
婚後には 今度は我が子を連れて行った事も
それは車だったけれど
今では お洒落なカフェに
モカキャラメルに 綺麗に模様が描かれてある