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ムクドリの木

作者: 行世長旅

長年を共に過ごした、ムクドリのすいちゃんが先日亡くなった。


私はもちろん、両親も別れに涙を流した。


私達はすいちゃんのことを家族だと思っていたし、すいちゃんも頻繁にすり寄ってきたので同じ気持ちなのだと知っていた。


いつまでも一緒にいられるとは思っていなかったが、それでも楽な別れが訪れるわけではない。


ひとしきり泣き終えた後、私は庭に穴を掘った。


すいちゃんを埋めて名前入りの札を立て、両手を合わせて家族全員で供養した。


それからしばらく後のこと。


ちょうど立て札がある場所から、植物の芽が出てきた。


特段それを気に留めはしなかったのだが、数年、十数年と経つうちに、立派に成長して1本の木となった。


両親……すっかり歳を取ってしまった2人が言葉を紡ぐ。


ブナ科の木なんて、この辺りでは珍しいなぁ。


この木は、すいの生まれ変わりかも知れないですねぇ。


私は、この木は偶然ここに生えたのではないと確信していた。


すいちゃんが、私達とずっと共にいたいと願って木になったのだ。


私達はこの木についと名付け、生涯大切に寄り添い続けた。

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