空の一点
あけましておめでとうございます。
(もう元旦過ぎましたが)
全くもって小説が書けていないので、気分転換に初の短編小説を書いてみました。
何時もと同じ夏の時。
暑さに項垂れ汗を拭きながら学校の帰り道を歩いていた。
坂をゆっくりではあるが、登り、平坦な道へと来たときにふと足を止めた。
と、言うよりも余り足が動かなかった。
何時もより風が強く、まるで見えない何かに引っ張られているようであった。
今来た道を振り返った。
道は何時もと同じ風景のまま、何も変わらなかった。
気のせいだと歩き始めるも、先程より強い風が吹く。
不思議に思い、もう一度振り返った。
しかし道の風景は相変わらず、けれど風の勢いも変わらず。
いよいよ何が起きているのか分からず、恐ろしくなり、家へと帰路を急ぐ、その刹那。
空の一点が雲を吸い上げていた。
まるで全てを吸い込むブラックホールのように。
周りにあった雲は次々と吸い込まれ、その一点は姿を消した。
その一点が姿を消した時、空には一つも雲がなく、快晴であった。
あの一点は一体何であるのか、私は未だわからない。
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