筒山翔太郎の場合 2日目
今日は外は雨のようだ 雨粒の滴る音が聞こえてくる
家の中がやけに静かだなと思っていたが、そういえば幸子さんは今日はお墓参りに行くとかっていたような気がする。ついでに古い友人と食事をしてくるそうだ。やはり皆最後に思い残す事がないように時間を有効に使うのだろうか
生憎今日はアニメも放送しないから一日中する事が無い 僕はどうしようかと悩んだ末にネットで12年前の事故について調べる事にした。実の所今まで調べた事が無いのだ。というのも幸子さんから聞いていた話で十分理解できたからだ。 或いは怖かったのかもしれない。
12年前の事故についてキーワードを検索すると色々な記事が見つかった。だけどその中に僕の両親と兄が亡くなったという記事は何処にも見当たらなかった。
やはり戦争が原因で情報が消えてしまったのだろう でもネットには残っていてもいいはずなのに
僕は1時間ほど調べてみたがやはりそのような記事は何処にも無かった。どうしても気になるので、僕は3年ぶりぐらいに家を出る事にした。最後に家を出たのは丁度中学校の入学式の次の日だっただろうか。僕は両親がおらず親戚の家に引き取られているという事もあってか入学式の次の日には皆にその事を詳しく聞かれた。寂しくないの?なんて声を掛けてくる人もいればしつこく12年前の事を聞いてくるやつもいた。僕はそんな彼らに嫌気がさしたのだ。それ以来僕は人間が嫌いだ
家からバスで20分もすれば図書館に着いた
案の定図書館にも人はほとんどおらず、図書館員すらいない状況だ
僕は過去の出来事がまとめてあるコーナへと足を運んだ 12年前という事もあり、あまり資料は無かったがそれでも僕は十分すぎる収穫を得たのだ
それは幸子さんが言っていたような事故は何処にも存在しないという事だ。あれだけネットで探しても無かったのは事故自体が無かったからなのだ。
というのも僕は見つけてしまったのである。
ちょうど12年前に起こった とある凄惨な事件を
それは当時小学生だった子供が実の両親を殺したという記事だった
その被害者の二人の名前は筒山真美と筒山英世
僕の両親だったのだ