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ソード・オブ・ベルゼビュート  作者: 篠崎芳
第一章 SOB シェルターズフィールド
26/133

26.七崎悠真の宣言


『この七崎悠真が、徹底的に叩き潰す』


 黄柳院オルガは2−Bの教室で七崎悠真のゲリラ放送を聞いていた。


 机の上の弁当箱の包みはまだ解いていない。


 予想にたがわず教室の生徒たちは激しくざわついている。放送で名の挙がったオルガにも注目が集まっていた。取り澄ました顔でオルガは淡々と弁当箱の包みをほどいていく。けれど、実際は身体が強張っていた。この感覚をどう言語化すればよいだろうか。


 緊張感? 不安感? 高揚感? 恥ずかしさ? 現実感の喪失? それとも、打ち震える感動?


 様々な感情の候補が、定まらぬままオルガの胸中きょうちゅうを駆け抜けていく。


 放送は続く。


『七崎悠真の実力は、先日の特例戦で示した通りだ。閲覧したければ記録映像が残っている。対戦相手である柘榴塀小平太が閲覧不可の申請を出さない限りは、いつでも閲覧が可能だ』


 あの特例戦の映像を目にすれば、この殻識の生徒なら七崎悠真の異常性をすぐ理解できるはずである。伝聞よりも与えるショックが大きいのは確実だ。悠真が自分の得意な戦法を封じられていたという追加ルールの件まで知ったなら、そのショックはさらに倍増するに違いない。


『俺が乱入した黄柳院オルガの特例戦を知る者ならわかるはずだが、俺は魂殻に頼らずとも十分に戦える。柘榴塀小平太がそれを追加ルールで封じたのが、すべてを物語っている。つまり俺は魂殻を使用せず”敵”を倒し叩き潰すすべを、何通りも知っているわけだ』


 あえて悠真は”敵”という言葉を強調した。普通の感覚を持つ者は”個別に敵視される”のを恐れる傾向にある。その他大勢の一人として敵視されるのと、個別の固有名詞をもって敵視されるのとでは天と地ほどの差があるのだ。


 オルガはとある政治家がメディアに出ていた時、こんな話をしていたのを思い出した。


『私は”政治家”というくくりでメディアや大衆から批判されるのにはなんとも思わないが、私個人へその批判が向いた途端に、とても絶望的な気分になるんですよ』


 効果的な脅迫。


 オルガはそう理解する。


(七崎くん……)


『最初に言っておく。俺は、。この意味がわかるか?』


 悠真は一度、溜めを作った。


『つまり先ほど宣言した”徹底機に叩き潰す”の中には”場外”での奇襲が含まれているかもしれない、ということだ。まあ……大人から見れば、俺が今言っている”叩き潰す”など、子どもの喧嘩程度にしか映らないかもしれないが』


 闇討ちもありうる。


 彼はそう言っている。さらに、闇討ちを終えたあとで事態を大ごとにせずに済ませる算段があるとも、暗に告げていた。


『さらに言えば、俺は霊素値が最低値……つまり、ランキングは最下位だ。失うものは何もない。そして仮に退学しようとも、黄柳院オルガに特例戦を挑んだ者の名は忘れないし、むしろ――』


 クラスメイトも皆、固唾をのんでいた。


『退学後の方が何かと、やりやすい場合もある』


 フン、と悠真は間を作った。


『安心しろ。犯罪レベルにまでコトを持っていくつもりはない。一線はわきまえているつもりだ。しかし、この殻識の試合でも同じことだが……どんなものにもはありうる。俺もにまで責任は持てないし、持つつもりもない』


 着実に包囲網を築いている感じだ。気づけば、囲まれている感覚。


『ただし、俺に特例戦を申し込んで勝利した場合に限り、黄柳院オルガに特例戦を挑んでも手は出さないと誓おう。理由は、俺に勝つような実力を持つ者なら、上位の黄柳院オルガに挑む”正しい資格”があると考えるからだ』


 ここで生徒たちには、ある一つの疑問が生じているはずである。


 なぜ七崎悠真は、これほどまでに黄柳院オルガに入れ込んでいるのか?


 オルガを視界に捉える2−Bの生徒は、彼女の落ち着きようから、あらかじめ彼女はこの宣言放送を知っていたと推測するだろう。


 となると、次はこう考えるはずだ。


 今の二人の間には何かがある、と。


 悠真は次にその疑問と違和感の解消にとりかかかった。


『黄柳院オルガは連日の特例戦でコンディションを日常的に悪化させていた。それを俺は見過ごせなかった。だがここで、七崎悠真がなぜこれほど過剰に黄柳院オルガを守るような行動をするのかを疑問に思う者もいるだろう。しかし、聞けばシンプルな話だと納得してもらえるはずだ。少なくとも――そうするに足る理由が、俺にはある』


 普段と変わらぬトーンで、悠真は告げた。



『昨日から俺は、黄柳院オルガとつき合うことになったからだ』


 

 カァァぁぁぁあああ――ッ


 自分はいま穴があったら入りたいとでも無意識に思っているのだろうか? 顔面を真っ赤に染め上げたオルガは面を伏せたまま、気づくと、太ももの間に両手を突っ込んでいた。面映ゆさに呼応してりきんだ肩と、どうしても綺麗な一文字を維持できない口元。わかっている。


(すべて事前にわかっているはず、ですのに……っ!)


 そうして、七崎悠真はこの放送(告白)を締めた。


『これで今日の俺の”宣戦布告”の意味はわかってもらえたはずだと、勝手に思わせてもらう。以上だ』



     △



「かりそめのっ――こここ、恋人同士の関係ですってっ!?」


 その素っ頓狂で上擦うわずった声を黄柳院オルガが発したのは、昨夜、七崎悠真を招いた自分の家でのことであった。


 この時のオルガはすでに、かなりねばったものの、悠真の巧みな話術によって”校内放送を使って全校生徒に脅しをかける”という提案をのまされてしまっていた。


 けれど、こちらの提案だけは即了承とはいなかった。


 そもそも最初の提案の段階ですら、承諾までに小一時間を費やしている。


 悠真によれば、まず、この方法なら黄柳院オルガと黄柳院総牛の取り決めの内容は一切変更する必要がない。そしてその提案は七崎悠真が勝手に行ったことであって、オルガが頼んだわけではない――そういう”設定”とする。何かツッコまれた場合は”ああなった七崎くんは、止めても聞かない人ですから”と諦めた風に答えること。


 そういう決まりになった。


 確かにこのまま特例戦を受け続ければ、次のトーナメントも勝ちあがるのはほぼ不可能に近い。今の状態を変えるには、オルガにとっても悪い条件の話ではないと思えた。


 ちなみに、黄柳院家の側がもし何か言ってきた場合は、その時になったら考える――そんなフランクな回答を悠真は口にした。適当に答えたようにも聞こえたのだが、彼の場合だと、何か方策があるような不思議な安心感があるのだった。


「放送を聞いた学園の生徒はこう思うはずだ。なぜ七崎悠真が黄柳院オルガのためにそこまでするのか? とな……それが恋人関係になったからだとしたら、納得する生徒も多いだろう。ま、若気の至り……若さゆえの暴走というやつだな――そう、思わせる。フン……暴走してるやつほど、恐ろしいものもないしな」


 悠真の目を見る限り、他にも彼なりの打算がありそうだった。だがオルガはあえて捨て置いた。今オルガの脳内メモリは、返答をどちらへ転ばせるかの処理で手一杯であったのだ。


「当然、かりそめの恋人関係でかまわない。学園で一緒にいる時に、たまにそういう関係であるかのように振る舞うだけでいい」


 オルガは口もとを引き締めると、視線と口で問う。


「……下心も、い、いくらかあるのではなくて?」


 ドキドキしながら返答を待つ。ニヒルに微笑む悠真。


「少しくらいは、あるかもな」

「……し、正直者」

「おまえの洞察力だと、嘘を見通しかねないだろ?」

「むぅぅ……」


 はぁぁっ


 オルガは観念の息を吐いた。息と一緒に葛藤と迷いも吐き出す。


「わかりましたわ。わたくしも、覚悟を決めます」


 頬の熱が引いていくのを感じながら、わずかに崩れていた姿勢を直す。


「先ほど了承の際にも言いましたが……今の話、わたくしにとっても悪い話ではありません。キミの言うように今の状態が続けば、トーナメントでの優勝は不可能と言っていいでしょう。わたくし自身も、連日の特例戦の疲労を自覚し、行き詰まりを感じていたのは事実です」


 悠真は黙ってオルガの次の言葉を待っていた。


「この件でもしお父様から何か言われたら、対応はその時に考える――それも、のみましょう。いわばこれは一種の賭けですが……はなから負け戦とわかっている戦よりは、マシに思えますから」

「恋人の件は、問題ないか?」


 きた。


「か……かまいませんわよ? ただ、あの……わたくし、と、殿方とおつき合いした経験が、その……か、皆無でして……」


 強気な自信が波のように一斉に引いていく。そして波が引くのと同時に、マグマの方が首から上へのぼってきた。


「あ――ちちち、違うんですのよっ? 今まで心を掴まれるような男性が、あ、現れなかったので……い、異性に興味がなかったわけではありませんのよっ? よい相手が見つかれば、わ、わたくしだって――」

「……かりそめの関係でかまわないから、俺に恋愛感情を持つ必要はないぞ?」

「ぁ――そ、そうですわよね……?」


 悠真は冗談っぽく言った。


「ま、おまえが俺に惚れるのは勝手だがな」


 何やら年下をからかうオトナな空気で言う悠真に、ちょっぴりオルガはカチンときた。


 オルガは小さなトゲを仕込ませて尋ねた。


「あら……七崎くんって、なかなかの自信家ですのね? ちなみに七崎くん、じ、女性とおつき合いをしたことは……?」

「そうだな、七崎悠真としては……」


 何か言いかけて、悠真は双眸そうぼうを細めた。口から出かけていた言葉を捨てて、何か別の言葉を探している感じだった。


(七崎、くん……?)


 フッ


 悠真は自虐的に微笑んだ。ああいう自虐の感じは、珍しい。


「初恋の相手にフラれて……恋らしい恋は、それっきりだな……」


(えぇぇ!? 七崎くんが、ふ、フラれた……っ!? なんだかよくわかりませんけれど、い、意外ですわ……フラれるのは、どうも彼の人物像に合わないというか……えぇ!? って……この人が、自分の方から告白を……っ!? 一体、どんな人ですの……? き、気になる……っ!)


「つまりお互い、初めて同士みたいなものだな」

「えっ!?」

「……どうした? 俺の恋愛経験が、そんなに意外だったか?」

「あ……い、いえ……」


 もういつもの七崎悠真に戻っている。クールで達観している、七崎悠真に。


「まあ、そう気負う必要もない……おまえが不安なら、俺の方がリードしつつなんとか合わせる。お気に召すかは、わからんがな」


 年不相応に大人びたこの彼の雰囲気はなんなのだろう、とオルガは思った。 


「それに俺たちには恋人同士というさえかかっていればいい。当然だが、本気で俺に恋をする必要はない」


「……ええ」


 彼は気づいている。


 そんな気がした。


 かすかに自分の胸の内に芽生えた、この感情に。



     ◇



「一体なんなんだ、あの馬鹿げた放送はっ!? おい! HALは何をやっているっ!?」


 教頭の砂漠的デザート禿頭とくとうが、ゆでダコのように赤みを増していた。


 今ほど、七崎悠真の”宣戦布告放送”が終わったところである。


 殻識学園の職員室。


 弁当持参や出前の教師は食堂へ行かず、いつも半数くらいは昼休みもこの職員室に残っている。職員室の居心地がよすぎるのもいかがなものかと狩谷は常々思っているのだが、自分がまさにその居心地のよさにどっぷり浸かっているため、安易にそう口には出せなかった。


『放送室の使用申請は正式に受諾済みです。問題はありません』


 HALが素っ気なく回答する。


「いやはや驚きましたなぁ……前代未聞ですよ、これは……」


 2−Aの担任である三宮長みつみやながが、のんびりとした顔でスピーカーを見上げながら、口もとへ指を二本持っていく。彼は喫煙者だ。しかし学内での喫煙は禁じられているため、二本の指には何も挟まっていない。口もとに煙草を持ってくる動作は、長年の喫煙生活によって染みついた癖らしい。


「おー……すっげぇなぁ、あいつ……つーかよ、七崎ぃ? その気合をさぁ? あたしの体育の授業で見せろっつーの……あんにゃろー、昨日の特例戦の映像見る限り……あんな平均的なタイムでおさまるタマじゃねーだろ……」


 体育教師の辰吉たつよしがブツブツ文句を垂れている。放送の内容への文句ではなく、別の部分への文句のようだが。


 狩谷はひっそりとした笑みを浮かべながら、内心、感嘆していた。


(やるなぁ、七崎君)


 異常なペースで行われる黄柳院オルガの特例戦の件は狩谷も把握していた。狩谷も彼女の健康を心配し、さりげなく気にかけていた。本人は語ろうとしなかったが、オルガ自身に何か理由があるのも知っている。こんな無茶な特例戦はやめるべきだと勧めたこともあった。けれど、彼女のかたい決意は変わらなかった。


 変えることが、できなかった。


(だけど、七崎君……君はその黄柳院さんの決意の壁をブチ破るのに成功したんだね。今日、急に放送室を使いたいと頼まれた時は何ごとかと思ったけど……なるほど、君の腹づもりはわかった。さて――)


 弁当箱を、デスク脇のバッグにしまう。


「誰だっ!? あんなふざけた生徒に放送室の使用を認めた、非常識な教師はっ!? 定期時間外の放送室の使用許可申請は教師にしか出せない! ここにいるならすぐに名乗り出なさいっ! 調べればいずれわかることだっ! 黙っていればいるほど、自分の立場が不利になるんだぞっ!?」


 ヒステリックに叫ぶ教頭。急激を全身を満たした怒りをぶつける対象を、血眼ちまなこになって捜している。


 狩谷は手を挙げて席を立つと、ヘコヘコしながら教頭に近づた。

 そして足を揃え、深々と頭を下げた。


「申し訳ありません、教頭っ! 僕が、申請を出しましたっ!」

「む?」


 教頭の動きが止まる。


「狩谷先生、ですか……」


 声の調子が変わった。わざとらしく、大きな咳払いをする教頭。


「と、とにかく……まず事情を聞かせてもらいたいものですなっ」

「彼の熱意に押されました」

「ね、熱意……?」

「ですので、僕の判断で使用理由は尋ねませんでした。すみません、僕のミスですっ!」

「う、うぅーむ……それは、しかし……」

「ですが……若者の心も理解できる豊かな感性をお持ちの教頭なら、今の放送を聞いておわかりになったかと存じます。若い時分、ああして愛する恋人のために想いが暴走してしまう気持ち……ご理解、できるのではないでしょうか?」

「ん……むぅ……」


 視線をあさっての方向へやりながら、考え込む教頭。


「ま、まあ……わからんでもないですがな……かくいうワタシも、今の妻とは激烈な愛の逃避行の果てに結ばれたわけで……おかげで今も、ラブラブですからなぁ……」


 背後にいた三宮長と辰吉がボソっとハモりながら「「それは聞いてねーっつーの」」と渋い反応を示した。狩谷は教頭に頭を下げながら”頼むから二人とも今は余計なことを言わず黙っててくれ!”と心の中でテレパシーを送った。


 狩谷は面を上げると、厳しく真摯な声と態度で言った。


「ですが、彼の放送がこの学園の規則を飛び越え、常識を欠いていたのは事実ですっ。七崎悠真には、担任として僕からあとでしっかり言って聞かせますので……どうか教頭、寛大なご判断をお願いいたしますっ!」


 すっかり毒気を抜かれた顔になった教頭は、今度は、先ほどと違い威厳の込もった咳払いをした。


「うぅむ、他の気が緩んでいる教師ならともかく――」


 チラッ


 教頭が辰吉を一瞥した。辰吉は、にぱぁ!と能天気な笑顔を作った。完全に教頭を馬鹿にしていた。


「狩谷先生からそこまで言われてしまっては、その……ワタシも、引き下がるしかありませんなぁ……」

「あ、ありがとうございますっ!」

「まあこの件は、狩谷先生が責任をもって処理してくれるのであれば問題ないでしょう。いや……ワタシもつい激昂してしまって、悪かったよ」

「いえ、とんでもありません……僕の方こそ、監督不行き届きで……」

「いやぁ、事情を知らなかったのだから狩谷先生に責任はないでしょう……あの七崎とかいう生徒も、聞けば転入してきたばかりみたいですし……今回は、大目にみるとしましょうか」


 そう言い残すと、満足げな顔で教頭は教室を出て行った。


「ひゅーっ、やるねぇー狩谷セーンセーっ!? 日頃の行いの賜物ですなぁーっ」


 隣にスライドしてきた辰吉が「くのっ、くのぉっ」とヒジでわきをつついてきた。三宮長は呑気な顔でゆったり拍手している。狩谷は弱々しい苦笑いを返しながら、心の中で七崎悠真にエールを送った。


(今の僕にできそうな援護は、このくらいかな……あとは、黄柳院さんのこと……頼んだよ、七崎君)



 いつもお読みくださりありがとうございます。

 また評価、ブックマーク、ご感想をくださった皆さまにこの場で感謝申し上げます。


 タイトルに関するご意見をいくつかいただいております。

 今の章が完結しましたら、タイトルの件は一度検討してみます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 先生がちゃんと先生してる。 生徒に親身になる良い先生と言う前振りもあるから説得力があるし。
[一言] 主人公はオルガの恋心に気づいていながら無視するつもりなのか、可哀想だな
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