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コンピテンス4  作者: G.j.jijo 沼里泰行
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さざなみ2

メンバー全員10時半に東京駅に

集合して11時04分発北陸新幹線

長野行きに乗り込んでいた。



みんな高校生らしくまるで

修学旅行のようにワイワイ

ガヤガヤ騒がしい。



二人がけの席にユキチとユカ、

説子と洋子、同列の4人がけに



実と大介と謙二が座り、

隣の席は空いていた。



ユキチが、

「洋子さん、軽井沢には何時に着くの?」

「はい、12時17分です」



「本当か、1時間とちょいで

着くのか、近くなったな」

「ええ、本当に近くなりました」



説子も、

「ウチから新宿に行くのと

同じくらいなんだから驚いちゃうわよ」



実も信じられない、といった表情で、

「ディズニーランドに

行くのと大差ないもんな」



それを聞いて大介が、

「軽井沢についたら

バスでも乗るのか、洋子」



「ううん、迎えに

来てくれるはずよ」



「へえ~、そうなんだ。

至れり尽くせりだな」



「だって軽井沢なんて右も左も

全くわからないじゃない。



バスなんか乗ったら、

何行きで、どこの停留所で

降りるかもわからないし」



ユキチが、

「そうだよな、さすが幹事だ。

ところで説子さん、パーカッション

をやってみてどうだ?」



「うん、私今まではリズムなんて

まるで考えたことがなかったけど、



頭より、躰で感じた方がいいみたい。

ビートに乗るって難しいけど結構楽しいわ」



「へえ~、説子いい線いってるんだ。

私ギターを弾いて楽しい、

なんて絶対にいえない。



大介は失敗すると

すぐ怒るんだから」



「本当か、洋子さん。

大介、厳しすぎるんじゃねえのか」



「ユキチ、1日も早く弾けるように

ならないと面白くならないからさ。



実がCメジャーの曲も用意する

っていうから、CとFとGのコードなら

すぐに弾けるぐらい成長しているよ」



「そうか、まあ、あまり

無茶するなよ。女の子なんだから」



「大丈夫さ、洋子のこと

なら性格をよく知っているからさ」



「まあ、大介に私の何がわかるの」



「性格の可愛い女の子だろ」



「ちっともわかってないじゃない」



「いいの、いいの小さいことは」



そこで実が、

「じゃあ、使うコード表

を今から配るから。みんな

目を通しておいてくれ」



全員で、

「サンキュー」と合唱!



そして曲の構成を

具体的に説明をはじめる。



「まず1曲めはイントロ

が8、Aメロが16、Bメロ

が8、サビが16小節だ」



それを聞いて大介は、

「洋子、音楽で大事なのは

文章と同じで起承転結

という形なんだよ」



「ふーん、

ストーリーってことね」



「まだ、ストラップ使って

いないからわからないと思うけど、



立ちながらギターを

長時間弾くと、男でも結構きつい。



今回の合宿で体力

をつける練習をしよう」



「はーい、頑張っちゃうから」



「返事はいいんだけど」



「大介大丈夫だって」

とユキチが軽くウインクする。








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