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コンピテンス4  作者: G.j.jijo 沼里泰行
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接触3



「はじめてみんなが揃ったいい機会だから、何か話しておきたい奴はいるか」



と実が提案すると、すぐにユキチが話し出す。



「まず、個々の役割分担と今後の活動方針を決めないか?」



それを受けて実は、



「新しく入った2人に関しては、夏休み中に楽器を演奏することに慣れてもらう。謙二と大介のサポートが特に重要だ」



それに対し大介は、



「洋子には俺がオープンからバレエまで、コードの押さえ方とリズム感を徹底的に叩き込む」



「じゃあ、謙二はどうかな?」



「うん、問題は練習場所をどこにするかだ。俺の家でもいいかい」



それを聞いていた説子は、



「変なことしない?」



と神妙な表情をすると、



「変なことってなんだよ」



と謙二はわかっていながら、



「躰を求めたりしない?」



「好きでもないのに一緒の部屋にいたからってそんな関係になるはずがない」



「ごめんなさい、変なこといって。悪気があったわけじゃないの。ただ、これまで部屋で男の人と2人っきりになった経験がないの」



「大丈夫、そんなに心配なら俺には中1の妹がいるから同席させるよ」



「ありがとう、でも、少し痩せたら意識が変わるかも」



「おっと、気にしてるところをズケズケいうタイプなんだ。でも、そういう正直な女の子は好きだよ。説子さんと仲良くなれるならダイエットしても構わない」



「あら、本気?」



「チームワーク優先。そのあとのことはその後になったときのことだよ」



「そうね、先のことは誰にもわからないわ」



その様子を見ていた洋子が、



「説子、失礼よ」



とキツくいうと、大介もその輪に加わり、


「まあまあ、すぐに信頼関係なんて生まれないさ。まず、お互いを知ること。謙二、誠実さとが感じられなければ、なかなか女性は心を開いてくれないものだ。勉強しなくちゃな」



「大介、わかったよ。まずは楽器に馴染むこと、そこから今度は心から好きになること。それを目指してやっていくから説子さんよろしく」



「ありがとう、ふつつかですがこちらこそお願いします」



その光景を見守っていたユキチが冗談半分に、



「大介こそ、洋子さんを押し倒すんじゃねえぞ」



とクギを刺すと、驚いた実が、



「そんなことしたらチームワークどころじゃない」



と焦るが、それを振り切るように、



「実!俺には新生DEAD PEOPLEでやらなければいけない夢がある。それを実現するまでは恋愛はご法度さ。みんなも覚悟を決めてくれ」



と大介が決意表明すると。



「そうだな、みんなで様々なアンテナを貼っていいものはドンドン取り入れていこう。サザン、superflyやSCANDALの融合も悪くはないが、まだカラーを決めつける段階ではない。いろんな可能性を広げていこう。まずは出発点としてどこに出しても恥ずかしくないライブバンドを目指そうじゃないか。そしてあたいたちだからこそ表現できる音楽を探して、みんなで演奏する喜びを分かち合おう。それが体現できるのも私たちの特権さ。好きなことをとことんやって、みんなで突き進んでいこうじゃないか」


とユキチがこれからのバンドの指針を宣言した。










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