プロローグ
いよいよ4月2日から『コンピテンス 4』がはじまります。
『コンピテンス 3』後も様々な文章を書いていたので、
この半年間休んでいたなんて余裕は全くありませんでした。
だけど、いろんな意味で文章で伝えることの難しさも痛感しました。
やはり、自分のフィールドに立つのはいいもんです。
「小説家になろう」に久し振りにログインしてそう実感がわきました。
シリーズ4は、まず路上ライブをメインに展開しようと構想を立てていたのですが、
アマチュアによる路上ライブの現状はとても厳しいものでした。
都内ではもうできる場所がないんですね。それで川崎駅ならできる、
という情報を手に入れて取材に行ってみたら、地元のアーティストが全くいなかった。
すぐに取り締まりが強化されたな、とピンときました。ちょうどその時、
2カ所で演奏している人がいたのですが、案の定30分もしないうちに
警察官が注意をしにやってきて、演奏はできなくなりました。
こんな状況になったら誰も路上ライブをしようとは思いません。
だって下手をすれば警察署に連れて行かれて始末書を書かなければならない。
なんでこんなに目の敵にするのか、僕にはわかりません。
沿道の人たちにも迷惑がかからないように、音量や演奏場所
にも細心の注意をしているにもかかわらず、彼らの言い分はいつも
ここで演奏することはできません、を繰り返すばかり。
それなら右翼の街宣カーとか、聖書を街頭であんなに音量を上げて
宣伝しているのになぜ取り締まらないのか、疑問に思いませんか?
いろんな感情の人がいて、気にくわないという気持ちも分かりますが、
警察に通報するという行為は何か弱い者いじめをするみたいで、フェアとはいえません。
やっぱりお金を出さなければ音楽は楽しめないのでしょうか?
ライブハウスを借りて演奏すればいいじゃん、と思われがちですが、
ペイするには多くの人を集めなければならないので、
どうしてもどこかで告知をしなければならないのです。
お金もかけないで、なおかつ自分たちの音楽を知ってもらうために、
路上ライブほど適した活動はありません。
道端で無許可ではダメだというのなら、
代わりの方法を考えなければなりません。
僕も今後小説の中で自分の考えを提案するつもりでいますが、
みなさんにもいいアイデアがあったら教えて欲しいのです。
世の中には音楽にものすごく情熱を傾けて活動していても、
なかなかチャンスがありません。
昔は路上ライブがミュージシャンへの
登竜門だった頃もありました。
好きな音楽と出会うことはとても興奮するし、
自分がどういうものを望んでいるのか、再発見にもなります。
そうですね、人間が理想の人と出会うこと
にも通じる感触なのかもしれません。
あなたにとって僕の小説がそう感じて
いただけたらこれほどの喜びはありません。
壁は乗り越えるために存在する。
誰がいったのかわかりませんが、
必ず壁は乗り越えられると
僕は信じて生きています。
これから毎週シリーズ4を連載して
いきますので楽しみにしていてください。
g.j.jijo 沼里泰行




