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東京鎖国  作者: 憂木冷
2/13

02(風)



 久しぶりに戻ってきたと思えば。


『東京二三区は現在閉鎖中です』


「こんなこともあるんだねえ」

 いつもの癖で、キャスケットを深く被り直す。つま先をそむけた先にあったのは、検問所。とはいっても名ばかりで。実際、見た感じはバリケードの方が正しそうだ。警察の機動部隊なのか、それとも自衛隊なのか。工事現場に使われる様な簡易的な壁と。その周囲には、ここへ近づくなとばかりに武装した男が何人も立っている。

「ま。あのくらいじゃいくらでも突破できそうだけど」

 彼らとしては、一部の人間が突破してしまうことを危惧しているわけではないのかもしれない。大きな事件が起きたとき。厄介なのはその元凶よりも二次災害の方だったりするし。

 今、東京の中で何が起きているのかは分からないけど。この動きを見ると、どうやら都内の人間を外に出したくないらしい。

「これだけ大がかりなことになってるならニュースにもなってるでしょ」

 たまにはアタシも、世情に触れてみよう。



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