表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Modulation  作者: 玲綟
1/9

入部

僕は今年中学に上がった。正確には今年の春だ。よく漫画とかドラマとかでは桜の木々の中を歩いて登校してたら、美少女とぶつかって…みたいな状況がある。実際うらやましい。

今僕は学校へと続く坂道を登っているが美少女のびの字すら見当たらない。朝からイチャつくカップルや、ゲラゲラ笑いながら登校してくる男ども。全く持って下らない。

「ハァ…」

と、僕がため息をついた瞬間後ろから誰かが走ってくる音がした。

振り返ろうとしたが、遅かった。

ドンっという、鈍い音を立て僕はすこし身じろいだ。

「あっごめんなさいっ大丈夫?」

よく見ると女の子だった。しかも、かなり可愛い。こんな女の子にぶつかられたのでは怒るどころではない。寧ろ有難い

「いえ、大丈夫ですよそれより君は?怪我とかしてない?」

僕は彼女の体に目をやったが怪我どころかピンピンしている。

「はい、大丈夫です。それじゃ私友達追ってるので」

そう言って彼女は行ってしまった。

「可愛かったなぁ」

僕はしばらくその場で余韻に浸ってしまった。我に戻ったのは数十秒後くらい、既に周りの目線が痛く感じる。

「あ、遅刻しちゃうな」

そう思い僕はまだまだ続く坂道を再び登り始めた。

教室に着きHRが始まる。また今日も担任の長い話を聞かなきゃならないのか…僕が憂いていると担任が話し始めた。

「お前ら、今日から部活が始まるなー、もう入る部は決めたか?決めたやつは入部届けを俺に出すように、

んじゃ、今朝の話はおわりっ」

そういえば、部活決めてなかった。

特にこれといって入りたいとことか興味のある部活はない。僕がどうしようかと悩んでいると、隣の人が話しかけてきた。

「ねぇねぇ、バレー部入らない?

結構面白いよー」

そいつは入学当初から僕に話しかけてきた奴だった。結構お喋りなようだ。僕は特に入る当てもないので誘われるがままバレー部に入部することにした。

〜放課後〜

バレー部は基本体育館で行っているそうだ。やっぱり先輩たちは背も高いしアタックも迫力がある。

新入部員は体育館の中にあるバレー部部室に集められた。思ったより人数がいた。大体15人くらいかな。

知らない顔ばかりだったが、その中に今朝ぶつかったあの子がいた。

間違いないあの可愛い顔はそうそう忘れるものじゃない。僕は思い切って話しかけて見た。

「あ、あのー…」

彼女が眩い笑顔でこちらも向く

「あっ朝の人だー、あの時はごめんねー…私寝坊しちゃって待ち合わせてた友達に置いてかれちゃって…」

寝坊したとかドジっ子可愛いー!!

と、心の中で呟いた僕は続けた

「いえ、僕もぼーっとしてたし、お互い様ってことで」

少し微笑んでそう言った

すると、彼女がきょとんとした顔で聞いてきた

「ねぇねぇ名前なんて言うのー?

私はね、彩奈(あやな)って言うんだ」

彩奈ちゃん可愛いー!!

と、心の中で発狂したあと、

「はい、華那(かな)って言います。」

「へー、可愛い名前だねそれじゃよろしくねっ華那ちゃんっ」

微笑んでそう言った彼女の顔はとても綺麗だった。すかさず僕も続ける

「はいっよろしくです彩奈ちゃんっ」

僕たちは笑顔で握手をした。



ーこれは物語、そう僕藍澤華那(あいざわかな)の百合物語であるー



〜プロローグ終わり〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ