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奇妙な出会い




愛想のない店員は間違えた事を謝る様子は無く皿を洗っている。仕事ない店主はテレビを見ている。競馬新聞を持った男は去って行った。サラリーマンの男は雑誌を読んで一服している。


そして目の前の少女はもはやネギか蕎麦かどちらが主役なのかわからない代物を満足そうに食べている。匂いがこちらまで漂ってきて正直あまり食欲は無かった。


「あーおいしかった!御馳走様っ」


パン、と手を叩く少女の笑顔はキラキラしていた。僕とは正反対の顔。彼女もそう思ったのか不思議そうな顔で口を開いた。


「どうしたの?食べないの?」


「あまり食欲無くて……」


「夏バテ?」


「そう、かも」


原因がネギは言いづらかった。


勿体ないから食べていい?と訊ねられて半分残っていたざる蕎麦は彼女の胃袋に吸収された。よく食べる子だと思う。そして、すごく美味しそうに食べる。


「食った食った~余は満足じゃ」


ぽんぽんとお腹を叩く仕草はどうみても中学生とは思えない。けれどその制服は見覚えがある。なんせ半年前は僕もその学校に通っていたのだから。


「学校出て大丈夫なの?」


「え?だってお弁当忘れちゃったんだもの。仕方なくない?」


「購買は?」


「あそこのパン不味いのよね。あんこが甘くってさ。私、甘いの駄目なの」


「はぁ……変わってるね」


「君だってそうでしょ?ネギ食べれないなんてさ」


女の子なのに甘いものが好きじゃない彼女、日本人なのにネギ駄目な僕。そう、出会ったのは本当に偶然であって、場所は汚い蕎麦屋で。


もう二度と会わないと思っていた。けれど、その一年後。僕は同じで学校で彼女を見かける事になる。


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