3年後から始めます
そんなこんなで3年の月日が流れました。
本当にこの3年間、笑いあり、涙あり、飛び膝蹴りありの波乱万丈な出来事のオンパレードでしたが、どうにかこうにか落ち着きました。
異世界トリップにも色々ありますからね。
どん底から這い上がっていくようなのもあれば、出会った王子様ときゃっきゃうふふもあれば、魔王倒して私が魔王に!なんてのもありますよね。
私は幸せな方で、お金持ちに拾われてお世話してもらえるコースでした。
そもそも私をうっかり召喚しちゃった王様が悪いんですからね。
私の人生奪った償いはきっちりしていただいています。
現在進行形で。
ふふふ。
そんなこんなで、私の日常、始めさせていただきます。
とある世界のとある国。
その国の王様の住む城の周りには城下町が広がっております。
大きな街です。
その街の中心部にある老舗の帽子屋の横の道をまっすぐ行って、3軒を右に。
隣が喫茶店になっておりますので、すぐ分かるかと思います。
王城からだと自転車で20分ってところですね。
そこで私は、貸本屋を営んでおります。
蔵書数は1万と五千。
月に一回入れ替えを行うので、次来た時には、あなたのお目当ての本はないかもしれません。
貸出料金は、一週間で7冊1000ミンス。
まぁ妥当な値段でしょう。
お金のない子どもたちは店の二階に閲覧室があるので、そこで貪るように読んでます。
私は受付で、日なが一日本を読みながら、お客さんが来るのを待っているのです。
お昼時とおやつ時には、隣の喫茶店にいます。
日曜日と水曜日以外の朝9時。
店に来て、掃除して、本日読む本を決めて、受付に座ったら、
貸本屋さん、開店です。
「いらっしゃーい」