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白馬義従 -隊と共に、貴方の傍へ-  作者: くおん
第1部 隊と共に
21/21

if 2話

「えぇ、それはそれはいじらしいお人でしたね」


 あのあと軽く事情を話し、なら連れてってやると談じた張遼に連れられて謁見の間へ向かう二人。幽州より華美な城に半ば呆然としていた壱夜であったが、持ち直し今は張遼との会話に華を咲かせていた。


「おっもうつくで」


 張遼の一言で姿勢を正す壱夜と華陀。


 開かれた先には曹操並びに主だった者が既に集い、壱夜を待ちかまえていた。壱夜は頬から一滴の汗が流れ落ちる。以前あったときより遥か増した覇気を纏っている曹操に一瞬畏敬を抱いたのである。それまで平然としていた華陀もまた顔が強張るのを止められなかった。そこに可愛くも凛とした声が二人に降ってきた。


「久しぶりね……郭礼」

「孟ちゃん、ちゃうで壱夜や」

「ふふ、とりあえず名乗りましょうか。私は曹操よ、貴方たちは?」

「華陀だ。今は壱夜の主治医をしている」


 そう告げる華陀の隣では何かと葛藤している壱夜の姿があった。一秒にも満たない時間逡巡し口を重苦しくひらく。


「元幽州軍師郭礼……ですが、既に名を捨てて壱夜と名乗っておりますので壱夜とお呼びください」


 瞬間

 動揺が走ったのは魏軍師であった。荀イクは既に分かっていたのか動揺が少ないものであったが総じて何故生きているといった目をしている。その中から黒髪眼鏡をかけた少女が曹操に許可を取り、こちらに顔を向け、


「私の名は郭嘉です。壱夜殿は何をしに?幽州での話はこちらにも届いています、公孫賛を助けるために戦った忠臣郭礼の名は」


 厳しい視線が壱夜に突き刺さる。場にいる一同も一部を除き全員敵意ある目で見ていた。

 気合いを入れる意味で一息吸い毅然とした顔つきで壱夜もまた相対した。


「私が忠臣ですか。3000もの命を自らのために奪い見殺しにした私がですか?


それとも早い段階で幽州に見切りもつけて劉備に情報を売りつけた私がですか?」


 挑発するような物言いに怯む郭嘉。

 そこに待ったをかける声が2つ。


「それはありえないですね~おにいさん」

「ちょっと私を嘗めすぎよ?壱夜」


「それは何故ですかね?曹操殿に……


「程イクなのですよ~」


程イク殿はなぜそうお思いに?」


 疑問を投げかける。その音に戸惑いはなくまるで歴戦の軍師が放つ音の響き。


「大前提として~犠牲といいつつ、おにいさんの体は傷つきすぎなのですよ~。

それにおにいさん

3000で30000を打ち破っておいて犠牲はないのです。古の太公望も真っ青な戦果だと風はおもうのですよ」


「それにね……壱夜。

貴方が劉備に情報を売り渡したのは知っていたわ、連合軍の際公孫賛はまるで劉備の配下のような動きをしていたし、

何よりかの幽州軍と劉備率いる関羽をはじめとした良将がいれば麗羽の軍をあれほどいじめなくてもやれたでしょう?」


 不適に笑う曹操に、やはり気がついてるかと顔をしかめる壱夜。拳を握り締め、ここが踏ん張りどころだと意を決する。


「さすがにバレてしまいましたか」

「きさまっ!?華琳様に嘘を!」

「黙りなさい!春蘭!」


 吹き荒ぶ冷気とともに曹操が夏候惇を退ける。


「で、本音をいってくれるのかしら?」


「はっ!

正直に申せば伯珪さまが今よりお強くなるために敵として相対したいのです。

伯珪さまは現在平凡ですが、平凡であるからこそ……

いえ、幽州の土地柄も含み誰かが天下統一を成したあと役にたつ存在であってほしい。

つまり、五胡に対する牽制的役回りをなせるのは天下広しと言えども伯珪さまだけです!

だが五胡に対して考えれば今ひとつ足りないのですよ。


判断力

指揮能力


これを今まで総て私が代替わりしてきましたので、これさえ揃えば対異民族に関しては曹操殿をも越える逸材と。

そのためには苦難を知っていただきたく曹操殿の下でよくしる私が育てたいと考えた次第でございます!」


 一気にまくし立てるように言い切った壱夜の顔は晴れ晴れとしたものである。曹操もまた興味深く聞き入っていた。

 郭嘉、程イクもまた目を見開いて壱夜の先見の明に驚愕をあらわにしている。


 元々異民族との諍いが多い幽州で平凡に行商する風景が、街で笑い合う光景があったのはある意味非凡であることであった。軍事面を郭礼が総て引き受けていたとしても政において、異民族の襲撃を受けた村も幽州の厳しい冬を越せると言われるほど安定していた。




 何故か




 一重に公孫賛の政の目が幽州全土に等しく行き届いていたからである。そして今劉備のお膝元でのほほんとなんて法櫂が許さない、今もまた鍛えられている最中であろう、と壱夜は踏んでいた。


 考え込んでいた曹操にかわり荀イクが


「華琳さま、ここは利用されましょう。元々壱夜殿は発明家としての顔もあり、公孫賛が政も軍も掌握し結果出せるならば統一後の未来は安泰であり、国内のみに重点をおけるでしょう


それに連合軍でみせた戦槌、黄巾で見せた槍と長短弓による連携は今おもえば異民族に効果的です」


 荀イクの言を受けて、頷いた壱夜を客将にすることを決定した。統一後長く寄り添えるようにと壱夜が曹操を利用し、また曹操も統一後変化を遂げた公孫賛を得るために壱夜を利用したのである。



 ここに壱の旗と共に独立遊軍【隻夜隊】が誕生した。

前に出してた話数までとりあえず出しておきますが


続きはありません。


書く時間がすらない状態で深夜に家帰ったらすぐ寝る状態、休みは家の事という感じでもはやお手上げ状態です。とはいえ、通勤時間にこまめに次回作まとめてるわけですが・・・・



いつになることやら・・・



ということで本当にこれでさらばだ~!!!

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