第10話 貸しですね
予約できたかな・・・
陽は沈み
音が止み
急に辺りが静かとなった
その時
真っ赤に燃えた丸太が崖から転がり落ちた。
黄巾党は先ほどまで逃げ腰な郭礼の軍を相手していたため熱が上がっていた。
が
そこに自陣の後方より火計を浴びて、その熱が冷め恐慌状態に陥った。
逃げようとするがそこには門が一つしかあらず、必然的にその門から出ようとするが...その先はただの地獄が広がっていた。
◇ジュンイクside
郭礼とかいう男が気になってついてきたのはいいけど…
なんなのこれ?
いつのまにか来た、300弱の左翼も合わせて両翼がその翼を狭め、矢が門手前へ集中した。
後方に火計を仕掛けるのはわかってたけど、短弓ってこんなに殺傷力高かったかしら?
それにしても酷い戦ね
恐慌状態で門に迫ったまではいいが、そこには死体の山。
自然的に後から来るものは足止めを食らい、そのまま将棋倒しで圧死か
どこまで考えていたのか
「右翼の間隔長いぞ!伝令飛ばせっ!! 伝令ッ、左翼に通達...斉射が終わり次第、残党狩りをおこなうようにと伝えてッ」
あくまで完全な殲滅を選んだこの男
覇を唱える華琳さまに近しい何かを感じている・・・・?
私が男に・・・?
あいつ・・・・
郭礼ってどんな男なんだろう・・・
◇
大体は片がついたか。
「さてジュンイク殿?」
「ヘッ!?」
へ?
「どうか為さいましたか?あとは伏馬が殲滅するのみですし、私は最後の指示を出しましたので、曹操殿に報告へいきませんか?」
「えぇ・・・ぇぇ行きましょう!!さきに行くわ!」
「え・・ちょっと危ないですよ!」
避けられてる!?
なんで!
ぇ・・・なんかしたっけ?私..
さっきのやり方が酷すぎたとか?
たしかに圧死は見るものではないですが、ここからじゃ目視なんてできませんからね
何をしてしまったんでしょうか
郭礼が思案顔をしつつ百面相をしているが、実はジュンイクが照れいたというのが真相であった。
などとどうでもいい会話をしつつ、二人は曹操の陣営とたどり着いた。
さて、本題はここからか
「郭礼、ご相談とご報告があります。曹操殿にお目通しをお願いしてもよろしいでしょうか?」
「入っていいわよ」
「では、失礼して...黄巾党討伐完了しました。あとは残党狩りですが、ほぼ殲滅ですので時間の問題かと存じ上げます。なお、矢ありがとうございました」
「で、わたしたちは何も出来なかったのけれど手柄は半々でいいのかしら?なんなら、全てそちらさんでもいいのけれど?」
予想通りといったところですか
「いえいえ、助力があったのはたしかですので半々でお願いします。で、気に食わないというのならば貸し一つということでどうでしょうか?あくまで私にであり、幽州にではないです」
「へぇ」
曹操がジュンイクをちらりと見る。
「いいわ、貸し一つで。それに黄巾党がこの先で大規模に集合しているという情報が入ってるからご一緒しない?疲労しているでしょうから面倒ぐらい見るわよ?」
よし、当初の目的は達成ですかね
それに面倒も見てくれると...なんかありそうですが兵のことを考えればありがたいですね。
「それで貸し借りなしなんてことはありませんよね?」
「そのような姑息なことすると思って?」
「いえ、まったく。では、お言葉に甘えて道中お世話になります」
なんかあやしいけど、逆らうと怖そうですからね...
これが覇を唱えし者か
こんな風になれたらどれほど良かったか
前話含めて、いつものPCじゃないのでジュンイクの文字がでない・・・うぅ・・;w;
読んでいただきありがとうございます!
引き続き頑張っていきたいと思います。
にしても迷走してるなぁ