ep.2 猫捜索
ぐぅ〜〜
ボロい木造作りの部屋でルーシーは空腹で
目を覚ました。
顔の腫れはすっかり引いていた。
「別に!あんたの為にやったんじゃないからね!」
薄桃色ツインテールの少女に言われたあの言葉
あれから一切音沙汰がないということは、
本当に俺の為では無かったんだ
ルーシーは勝手に期待し勝手に落胆した。
眠い目を擦りながら枕元の巾着に手を伸ばす
巾着の中に手を突っ込み弄るが触れるのは巾着のみ
ルーシーは飛び起き
風呂敷の被ったかごに手を合わせて祈った
「ありますように!ありますように!」
そっと風呂敷に手を掛けかごの中を確認した。
ニョシ!
手のひらサイズのフランスパンが一つ入っていた。
最後のフランスパンを口に突っ込み
部屋を飛び出した。
「一狩り行こうぜ!!」
目一杯の空元気、握った拳を高く上げ
ルーシーは心の中でBGMを奏でた
てててぇ〜ててててぇーててててててててててて!
この気持ちこそが英雄の証なのだ!
街の広場に向かった。
広場には大きな噴水があり
太陽の光を散らし水しぶきが輝いていた。
噴水を中心円形に街が広がっており
武器、防具、ポーション、雑貨
広場の周りにはたくさんのお店が乱立している
そこには、一際大きな掲示板があり
ルーシーは他には目もくれるず、一目散に向かった
「これだ!」
ルーシーはたくさんのQuestと書かれた紙の中から
1枚の依頼書を手に取った。
〈Cランク 猫捜索依頼
パン屋店長 テレサ・ナインより報酬金貨3枚〉
やはりはじめてのクエスト、
相場は猫捜索に決まっている。
クエスト受付所に依頼書を提出した。
「はじめて見る顔ね、あんた名前は?」
鮮やかな緑の長髪を耳より下の位置で
左右に二本の束にまとめている。
ローツインテールの少女
ビシッと真っ黒なスーツを着こなし
ルーシーと依頼書を交互に目配せしていた。
彼女はこの街の名物受付嬢ハラペニョ
「あんたみたいなへっぽこに、
猫捜索ができるのかしら?
武器も防具も無しで探される猫が可哀想だわ」
今日もハラペニョは辛口だった。
だがハラペニョの辛口にはうまみがある。
「なぬ!」
ルーシーもはじめての辛口を味わい驚いた。
そうだ!
俺は冒険者なのに武器も防具も持っていない。
肝心な事を忘れていたぜ。
よしっ!
このクエスト終わったら一式揃えるか
金貨3枚あればそれなりのものは手にはいるだろう。
「ありがとうな!ハラペニョ!」
ルーシーは街の中に駆けて行った。
ハラペニョは頬を赤らめていた
「なんで、あいつ初対面の癖に呼び捨てなの!」
ハラペニョはムカついた。




