戦いは大詰めへ
ムラサメはキュムのスキルを見破り、そのことを堂々と言い放った。言葉を聞いたキュムは動揺したが、すぐに我に戻って<エアーコントロール>で作った自身の分身を動かした。
「俺のスキルを見破ったのは褒めてやる! だがな、見破ってもこの状況を打破しないと俺に勝ったとは言えないぞ!」
「そうか。じゃあ勝たせてもらうぞ」
と答え、ムラサメはしゃがんで右手を地面の上に置いた。この時、キュムはムラサメから魔力を感じ、何かをすると察した。
何かする前に、確実にこいつの息の根を止める!
ムラサメが動く前に、ムラサメを倒そうと考えたキュムは、急いで分身を動かした。だがその直後、キュムの足元から風で作られた猫の手、ネコノテグランドアッパーが現れ、キュムの腹に命中した。
「グッバァ……」
小さな悲鳴を発し、キュムは気を失った。それに合わせ、ムラサメを襲おうとしたキュムの分身も跡形もなく消滅した。
「うーし。俺の勝ちだな」
ムラサメは気を失ったキュムの服を無理矢理脱がし、敗れた服の代わりにその服に着替えた。
「うげぇ、野郎臭い。猫の鼻って結構強いんだな」
そう呟いた時、ムラサメはソワンとプレイの魔力を感じた。
「さーて、こっちも急がないとな」
ムラサメはそう呟き、急いでソワンとプレイの元へ向かった。
ベルマーロはサリクたちの魔力が弱くなったことを察し、立ち上がった。
あいつら、まさかやられたのか⁉
サリクたちがやられたことを察し、かなり動揺した。周りを見て、自分の部下がいないことを確認し、ほぼ全員がムラサメたちの手によって倒されたと考えた。
あいつらの力を見くびっていたようだね。本気を出さないと、こっちがやられる。
ムラサメたちが強敵であることを認め、ベルマーロは力強く自身の武器である鞭を握った。その直後、鋭い氷柱が飛んできた。
「そっちだね!」
ベルマーロは鞭を振るって飛んでくる氷柱を叩き落とし、振るったと同時に鞭から炎の刃と氷の刃を放った。
「おーっと。二種類の魔力持ちか。こりゃー厄介ね」
「そこにいるのかい? こそこそ姿を見せずに戦うのがギルドの戦士のやり方?」
「そうやって戦う奴もいるわ。ま、今回はサービスだから、姿を見せるわねー」
と言って、プレイが木の陰から姿を現した。それに続き、ソワンが何も言わずに姿を見せた。
「あんたがプレイか? 私の大事な彼を捕まえ、殺したってのは⁉」
「捕まえたけど、殺したのは別の奴。私はそこまで残酷な性格じゃないわよ」
「うるさい! とにかく、お前を血祭りにあげてやる!」
プレイを見て怒りを覚えたベルマーロは、プレイに向かって鞭を振るった。だが、ソワンがクルアを振り下ろし、ベルマーロの鞭の先端を斬り落とした。
「プレイ、ぼさっとしない。あいつの狙いはあんたよ」
「分かってるって。こっちもこっちで戦う支度をしてたんだから」
「そうには見えないけど」
「今に分かるわよ」
笑いながらソワンと話すプレイを見て、ベルマーロの怒りはさらに燃えた。
「このガキ! 笑いながら戦うなァァァァァ‼」
「こりゃまた失礼。それじゃ、とっととあんたを倒すわね」
と言って、プレイは無数のナグリバチを放った。ベルマーロは急に現れた無数のナグリバチを見て驚き、後ろに下がった。
「これがあいつの力か! こうなったら……」
ベルマーロは魔力を開放した。それと同時に、右手首から鎖が現れた。これはベルマーロのスキル、<チェーンコントロール>である。魔力を使えば自由に鎖を出すことができる。魔力で作られているため、好きなように伸ばせて動かすことができ、壊れてもすぐに修復ができる。
「そんな鎖でナグリバチの群れを叩くつもり?」
「そのつもりよ」
ベルマーロは<チェーンコントロール>で発した鎖を動かし、迫ってくるナグリバチの群れを攻撃した。一発の攻撃で、ナグリバチの姿は消滅した。
「どう? あんたの虫を出すスキルも、弱点があったわね」
「あんたも周りが見れないって弱点があるわね」
後ろからソワンの声がした。ベルマーロは驚きながら振り向き、後ろから迫るソワンの姿を確認した。
「奇襲をする時、声を出しちゃいけないと思うけどね!」
「始末できる余裕があるって証拠よ」
「何を、小娘が‼」
ベルマーロは<チェーンコントロール>でソワンに攻撃を仕掛けようとしたが、足が動かないことを察した。それと同時に、足元が急激に冷えたのを感じた。
「何これ?」
「あんたはもう動けない」
ソワンの声を聞き、ベルマーロは両足が凍っているのを確認した。
「足が! あんたの仕業?」
「さーて、それはどうでしょうかねぇ‼」
ソワンは力を込め、クルアを振り下ろそうとした。だが、ベルマーロは<チェーンコントロール>を発動し、左手首の鎖を動かしてソワンの両手の動きを封じていた。
「なっ……」
「そこまで私はバカじゃないわよ。それと、この状況で天才のあんたはどうどう動くのかしら? まさか、このままその変な剣で私を切り裂こうと思っているんじゃないでしょうねぇ?」
そう言いながら、ベルマーロは鎖を動かし、捕らえているソワンを、リタンを手にして構えているプレイの前に移動させた。
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