スケベ野郎の本領発揮
ムラサメは敵のキュムが作った美人人形の罠に引っかかりながらも、キュムに接近することに成功した。動揺するキュムの顔面に、ムラサメは拳を鎮めた。
「ガアッ‼」
強烈な痛みを感じながら、キュムは悲鳴を発して後ろに倒れた。ムラサメは右手に付着した鼻血を拭きながら、その場に倒れたキュムを睨んだ。
「立て。戦いは始まったばかりだぞ。それか何か? 姑息な手を使わねーと戦えねーってか?」
ムラサメがこう言うと、キュムはふらつきながらも立ち上がった。
「うるせーよエロ猫。女のくせに、いかれた性癖持ちやがって」
「お前も人のこと言えねーだろうがよ。もう一発重いのやるから、歯を食いしばれよ!」
ムラサメは<イビルアイ>を使いながらキュムに接近した。キュムはすぐに美女人形を作ってムラサメを誘惑しようとしたが、美女人形を無視してムラサメはキュムの腹を殴った。
「グフッ!」
「おら、もう一発!」
ムラサメはよだれを垂らしながらふらつくキュムを見ながら、右手にありったけの力を込めてストレートを放った。ムラサメの右ストレートは、キュムの鼻に命中した。
「ふごっ!」
攻撃を受けたキュムは後ろに吹き飛び、倒れた。キュムはすぐに立ち上がり、滝のように流れる鼻血を手で拭った。それでも、鼻血は止まらなかった。
「酷い面がもっと酷くなったな」
「黙れ! こうなったら、俺の力を見せてやる!」
と言って、キュムは魔力を開放した。その直後、キュムの周りに強い風が発した。ムラサメは耐え切れず、目をつぶってしまった。
「クソッ! 何をするつもりだ!」
「目を開けてみろ。この状況を見れば理解できるはずだ」
ムラサメはうるさいと思いつつ目を開けた。そして目の前の光景を見て驚いた。そこには、無数のキュムの姿があったからだ。
「どうだ、この数の俺を相手にできるか?」
「ビビったが、根暗が大量に増えただけじゃねーか!」
「俺を根暗だと思うな。こう見えても、接近戦や頭を使って戦うよりも、接近戦の方が得意なんだよ!」
と言って、キュムの群れは槍を手にしてムラサメに襲い掛かった。ムラサメは攻撃をかわすことに専念するため、反撃をするという選択を捨てた。
「どうした? 反撃しないのか?」
「人がどう考えようが人の勝手だろうが! おっと、乳に向かって攻撃をするのは止めろ! 俺は巨乳だ、その分当たり判定がでかい!」
「その言葉を胸にコンプレックスを持っている女たちに言ってみろ。殺されるぞ」
ムラサメの言葉を流しながら、キュムは攻撃を続けた。
本体はどこにいるのか分かった。けど、反撃の隙が見当たらねぇ!
ムラサメは心の中でこう思った。今も<イビルアイ>を発動している。このおかげで、どこにキュムがいるのか理解できている。キュムは自身が作った風の分身とともにムラサメに攻撃を仕掛けているのだ。
「さぁ、何もしないのか? 猫女!」
「いちいちやかましい奴だな。激しく動いている中喋ったりすると、舌を噛んじまうぞ」
そう言いながら、ムラサメは小さくジャンプして攻撃をかわした。だがその隙を狙ったキュムの分身の群れが、一斉にムラサメに向かって槍を突いた。
「なっ⁉」
迫る槍を見て、ムラサメは驚いた。
勝った!
ムラサメの声を聞き、キュムは勝利を確信した。槍に貫かれたムラサメの体を見ようと思ったキュムは、攻撃を仕掛けた分身の群れの方に顔を向けた。だが、そこにあったのは槍に貫かれたムラサメの服だけだった。
「な……」
「ひでーことしやがる。俺だったらよかったものの、他の女性にこんなことをしたらスケベ野郎って罵られるぜ」
キュムの背後から、ムラサメの声がした。驚いたキュムは後ろを振り向いたが、その前にムラサメの左足の回し蹴りがキュムの顔に命中した。
「ご……ばぁ……」
「俺の巨乳見て鼻血出すなよ、変態野郎」
ムラサメはそう言って、宙を回転するキュムに向かって右足のかかと落としを決め、地面にキュムを押し付けた。
「ぐ……クソが‼」
キュムは上半身を起こし、風の魔力で作った弾丸をムラサメに向かって放った。ムラサメは上半身を左に反らし、攻撃をかわした。ムラサメは腕組をして、見下すようにキュムを睨んだ。
「く……クソォ……」
「そんなにじろじろ見んなよ。確かに男は巨乳に弱いってのは理解できるけどよ」
「お前の乳など興味はない!」
「じゃあお前は貧乳を見てあそこを固くするのか。やーねぇ。貧乳好きはロリコンが多いって話なんだよねー」
「うるさい! この猫女! お前を捕まえたら、好き勝手に弄んでやる!」
「ロリコンで凌辱が好きなのか。戦い方もいかれてる上、性癖もいかれてるのか。救いようのねー野郎だな」
「勝手に人の性癖を推測するな!」
キュムは叫びながら分身を出し、一斉にムラサメに襲わせた。ムラサメはため息を吐き、こう言った。
「お前のそのスキル、<エアーコントロール>って言うんだろ? 使うたびに魔力を使う。それだけ分身を作ったんなら、結構魔力を使ったはずだな」
ムラサメの言葉を聞き、キュムはどうしてスキルのことが分かったと思い、驚いた。
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