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ストレスは力なり


 ヨロイアリ。アイネスに生息しているアリの一種である。見た目や特徴は普通のアリと比べて少し大きい程度。だが、普通のアリとは違うところがある。それは、異様に硬い体を持っている。市販の安物の剣や斧、槍の刃ではヨロイアリの硬い体にダメージを与えることはできない。


 ヨロイアリには固い体のほかにも、あごや牙もかなり固い。コンクリートだろうが鉄だろうが、何でも噛み砕く力を持っている。そして、その牙はダメになることはない。あご以外にもヨロイアリには腕力がある。一匹でも市販で売られているアーモンドチョコ、一粒を持ち上げる力がある。それが何匹も集まれば、成人男性一人を持ち運べる力となる。魔力による攻撃や攻撃性があるスキルを持っていないと、ヨロイアリを容易に倒すことはできないのだ。


「こいつら、ヨロイアリか! クソ! 離れろ!」


 ブルドは憤りながらヨロイアリを右手で払ったが、ヨロイアリはブルドの右手にしがみつき、鋭い牙で噛みついた。


「あぐあ!」


 右手に鋭い痛みを感じ、ブルドは右手を見た。噛みつかれた個所から、大量に血が流れだしていた。


「血が! クソッ、こいつら!」


 魔力で一掃しようと思ったのだが、その前にヨロイアリはブルドの服の中に入り、肌に噛みついた。


「ぐわァァァァァァァァァァ‼」


 体中から鋭い痛みを感じたブルドは、立っていられるほどの力をなくし、その場で倒れた。その状況でも、ヨロイアリはブルドの肌を噛み続け、一部のヨロイアリは傷口を通ってブルドの体内に侵入した。


「や……やめ……ろ……俺の中に……入るな……」


 苦し紛れにブルドはこう言ったが、ヨロイアリにこの言葉は通じなかった。それから、ブルドの悲鳴が何度も響いた。




 リミスはヒアラを鞘に納め、目の前の血まみれの女性を見た。


「あんた、意外と強くないのね」


 ひと呼吸し、リミスはこう言った。リミスに斬られ続けた女性は項垂れていて、体もふらついていた。


 本当に本気で戦っているのかしら?


 と、リミスは心の中でこう考えていた。相手はわざとダメージを受けているようにしか見えないと。


 しばらくし、女性が顔を上げた。


「クソッたれがァァァァァァァァァァ‼ ひっさびさにプッツンしたわ‼」


 怒りの咆哮を発しながら、女性はリミスを睨んだ。この時の女性の魔力を感じ、リミスはこれがあの女性の本気だと察した。




 リミスが戦っている女性は、ミカグラと言う。使用魔力は雷。持っているスキルの名は<ストレスパワー>と言う。<ストレスパワー>はストレスを感じれば感じるほど、身体面や肉体面で強くなるスキルである。


 ミカグラは右手に装備してあるかぎ爪を前に出し、リミスに向かって走り出した。


 動きが速い!


 この時のミカグラの動きを見て、リミスは心の中で思った。間一髪リミスはミカグラの攻撃をかわしたが、かわされたと同時にミカグラは足の位置を操作し、攻撃を回避し終えたリミスに向かって隙のない攻撃を放っていた。


「嘘……」


 迫る爪を見て、リミスはやられたと思った。だが、爪が自身の顔に触れるまで、鞘からヒアラを引き抜く余裕はあると判断したリミスはすぐに右手を動かし、居合のような動きで上からヒアラを鞘から抜いた。その時、勢いがあったため、ヒアラの刃は接近してきたミカグラの右手のかぎ爪の一部を破壊した。


「クソッ! 私の武器が! このメス豚がァァァァァァァァァァ‼」


 爪が欠けたかぎ爪を見て、ミカグラの怒りは強くなった。その時、ミカグラの周囲にある草木が吹き飛ばされ、宙に舞った。


「こいつ、怒りで強くなるスキルを持っているのね。納得」


 ミカグラの急激なパワーアップの理由を察したリミスは、すぐにヒアラを構えようとした。だが、その時すでにミカグラの姿はなかった。


「いつの間に⁉」


「こっちだ!」


 上から、ミカグラの声が聞こえた。リミスは反応して動こうとしたが、それより先にミカグラの攻撃がリミスを襲った。左手のかぎ爪が勢いよく振り下ろされ、リミスの服の一部をズタズタに引き裂いた。


「クッ! うう……」


 攻撃を受けたリミスは、後ろに下がった。服はボロボロになり、中の下着も攻撃を受けて一部が欠けていた。


「まだまだァァァァァァァァァァ‼」


 ミカグラは叫び声をあげ、再びリミスに接近して攻撃を仕掛けた。何とかリミスは攻撃を防御しているが、ミカグラの攻撃速度の方が早く、すべての攻撃を防ぐことはできなかった。


「死にやがれェェェェェェェェェェ‼」


 ミカグラは魔力を開放し、左手のかぎ爪に雷を発して纏わせた。そしてリミスに向かって左手のかぎ爪を勢いよく振り下ろした。


「あんた……調子に乗らないでよ!」


 リミスは魔力を開放し、ヒアラを振り上げ、ミカグラの攻撃を防いだ。それから、ヒアラとかぎ爪の押し合いが始まった。


「グッ! うう……」


「ハッ! そんなにズタボロなら、無理せず私の攻撃を喰らって一生おねんねしてればいいと思うんだけどねぇ‼」


 傷のせいで、全力を出し切れないリミスを見て、ミカグラはバカにするように笑った。


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