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やけくそになった戦士の恐怖


 特定の範囲なら自由に牙を出せるスキル、<ノーエアトゥース>を使うカマンズベリーの戦士、ブルドと戦うプレイ。プレイはブルドをわざと挑発しながら、自分のペースに持ち込んで有利に戦いを進めていた。そして、<イノセントワールド>で大きなムカデの群れを作り、ブルドに襲わせた。


 これで終わり……だといいんだけど。


 と、大きなムカデの群れに襲われるブルドを見ながら、プレイは勝負の決着を祈った。この祈りは届くことはなかった。


「クソッたれがァァァァァァァァァァ‼ こんな虫けらにやられてたまるかァァァァァァァァァァ‼」


 ブルドは叫び声を上げながら、<ノーエアトゥース>を発動した。次の瞬間、宙に浮いた牙が次々とブルドの足に付着する大きなムカデに突き刺さった。この時、ブルドも自身の両足に大きな傷を負った。


「なっ⁉ あんた、何考えてんのよ⁉」


「天才なんだろ? 理解できないのか?」


「できるわよ! 自分で自分の足を攻撃するって、一体何考えてんのよ⁉」


「ムカデを殺すためだ! こんな傷、俺にとって痛くもかゆくもない!」


 プレイにそう言って、ブルドはプレイに襲い掛かった。いきなり襲われたため、プレイはブルドに捕まり、その場に倒れた。


「あぐっ!」


「ははは! 立場逆転したな!」


 と言って、ブルドはプレイの顔を殴った。


「つつ……あんた、女の子の顔に傷を付けるのはよくないわよ」


「うるせぇ!」


 プレイの言葉を聞き流し、ブルドは何度もプレイの顔を殴った。プレイの呼吸が弱くなったのを確認したブルドは、無理矢理プレイの服の胸元を破った。


「な……何をするのよ? 変態野郎!」


「理解しろよ、天才の無能! よくもこの俺を侮辱しやがったな? お前は殺す前に、俺がたっぷりと凌辱してやる!」


 この言葉を聞いたプレイは、わざとブルドの耳に聞こえる大きさの耳打ちをした。


「あーもー。どうして裏ギルドのクソヤローはどいつもこいつも女を抱くことしか頭にないのかねー」


「あん?」


 ブルドが一瞬だけ油断した隙に、プレイはブルドの股間を右足で蹴った。右足のつま先は、見事にブルドの股間に命中した。


「あ……ぐ……あ……」


「エロ変態スケベ野郎、未成年女子の乳を晒しだすような下種行為をするんじゃないわよ。それに、あんたの股間蹴った時異様に変な硬さがあったわ。未成年の巨乳見てあそこおっ起ててんじゃないわよ」


 プレイは魔力を開放し、ブルドを睨んだ。ブルドは股間を抑えながら立ち上がり、<ノーエアトゥース>を発動した。


「犯される寸前だから、やけくそになったのか? お前が有利なのは今だけだ! すぐにお前を押し倒して好き勝手に……」


「好き勝手に何? 私のおっぱいであれこれするつもり? 無駄よ。あんたみたいなバカで無能で弱っちい奴が、私を二度倒すことなんて不可能よ」


 プレイがこう言った直後、周囲に発していた<ノーエアトゥース>の牙が、あっという間に崩れて消滅した。それを見たブルドは目を開けて驚き、口を開いた。


「な……何をした?」


「言うと思う? 少し考えたら理解できるわよ」


 と言って、プレイはリタンを手にし、ブルドに接近した。ブルドは剣を振るってプレイに反撃を試みたが、ブルドの攻撃より先にプレイがリタンを振るっていた。


 は、早い!


 プレイの攻撃速度を見て、ブルドは思わず二度驚いた。そして、持っていた剣の刃がリタンに触れた直後に粉々になったのを見て、三度驚いた。


「そんな安物の剣で私を斬るつもりだったのね」


「く……クソ!」


 ブルアは<ノーエアトゥース>を再び発動し、巨大な牙をプレイに向かって放った。だが、いきなり巨大な牙は動きを止めた。


「どうしてだ? なんで何もないところで⁉」


「上を見れば分かるわ」


 ブルドはプレイの言う通りに上を向いた。そこにはいつのまにか、巨大なクモが木の上にいた。その巨大なクモが発した糸で、巨大な牙が動きを止めたとブルドは理解した。


「あいつのせいで……」


「バカの相手は好きじゃないの。ここからはこいつらが相手するから」


 と言って、プレイは大量のアリを召喚した。アリを見たブルドは唾を吐き、大声で怒鳴った。


「おい! 俺がこんなありんこに倒されると思っているのか⁉ こんなちっぽけな奴ら、踏み潰せば一発で始末できるぜ!」


「ちっぽけなのはあんたの脳みそよ。踏んで倒せるかどうか、やってみれば?」


 ブルドにそう言って、プレイは去って行った。ブルドは迫るアリを見て、舌打ちをした。


「こんな連中に倒されるほど、俺は弱くねーっての! 調子に乗るなよ、爆乳少女!」


 プレイを追いかけるため、ブルドは走り出した。迫っていたアリの上に、ブルドの足が落ちてきた。


 へっ! やっぱり踏めば一発で始末できる! こんなのを出して、何をするつもりだ?


 足元のアリを見て、ブルドは笑みを浮かべた。だが。足は勝手に動いた。


「な……え?」


 予想外のことが起き、ブルドは目を開けて驚いた。




 プレイは足を止め、後ろを見た。ブルドが追ってこないことを察すると、再び前を向いて動いた。


「私の勝ちね」


 と、プレイは小さく呟いた。


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