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ごちゃごちゃになった紐にご注意を


 ソワンの殺意を感じ取ったサリクは、一度ソワンから離れた。<ホワイトバース>を使われたせいで、両足の一部が凍っていたが、爪をフックにして高速移動したためか、その反動で両足に付着していた氷は落ちていた。


 さーて、反撃開始と行きますか。


 心の中でサリクは呟き、顔を少しだけ草むらから出し、周囲を見回した。ソワンの強い魔力を感じるが、距離があるとサリクは察した。


 今近付けば確実にやられる。それに、ブーメランは手元にない。どっかに引っかかったか?


 愛用のブーメランがないことを気にし、サリクは少しだけ不安になった。だが、すぐに両頬を軽く叩き、気合を入れた。


 大丈夫だ俺。ブーメランがなくてもあの女を殺すことはできるじゃねぇか! 何のための<クローコントロール>だ? それに、ブーメランのストックはアジトにたくさんある! 一つ二つなくなったって気にするな!


 そう思い、サリクはやる気を取り戻した。




 ソワンはじっくりと前を見ていた。サリクが逃げたルートを把握しており、今見ている場所にサリクが隠れているとソワンは察した。


 少しでも奴の魔力を感じたら、すぐに凍らす! 遠慮はしない!


 そう思い、ソワンはじっと前を見た。だが、いくら前を見てもサリクは姿を現さない。


 長期戦になるのは危険ね。リミスたちの援護にも行きたいし、まだボスが残ってる。だけど、あいつの姿をあぶりだすいい方法はないかしら?


 ソワンはどうやってサリクの居場所を探知しようか考えた。その時、宙を飛んでいたサリクのブーメランがソワンの目の前に落ちた。


「これはあいつの……」


 ソワンは思い出した。サリクがとっさの攻撃で放ったブーメランが、目標である自分に当たらずどこかに飛んでいたことを。その時、ソワンはある秘策を思いついた。




 サリクはひたすら身を隠し、ソワンの隙を狙おうとした。


 俺の予測だが、あいつのスキルは人を凍らせることができるスキルだ。下手に動かないでいると、氷の彫刻になっちまう。


 そう思い、サリクは音を殺しながら移動していた。その時、木々を折る音が響いた。何かが起きたと察したサリクは少しだけ草むらから顔を出したが、それと同時に大きな氷の刃が発したブーメランがサリクの頭上をかすった。


「おわァァァァァァァァァァ! あれは、俺のブーメランか⁉」


「みーつけた」


 ソワンの声を聞き、サリクははっとした。ソワンが偶然、自分のブーメランを手にしたことを。それを使い、巨大な投的武器にして周りを破壊しながら、自分の姿を見つけ出したのだと。


「クソッたれが!」


 サリクは<クローコントロール>で自身の爪を伸ばし、飛び上がって迫るソワンに攻撃を仕掛けた。だが、ソワンに命中する寸前に爪の先端はあっという間に凍り付き、粉々に砕けた。


「なっ……」


「斬られなさい」


 と、小さな言葉で冷たくソワンはこう言った。それと同時に、ソワンはヒアラをサリクに向かって振り下ろした。


「ガッ……」


 斬られた直後、サリクの体中心に、大きな切り傷ができた。そこから血が流れ、サリクは痛みのあまり倒れた。


「しょうもない奴ね」


 倒れたサリクを見て、ソワンはヒアラを鞘に納めた。だがこれは、サリクの罠だった。サリクはわざと倒れたふりをし、ソワンの隙を作ったのだ。


 隙ありだ。受けたダメージは大きいが、これ以上の痛みを奴に与えてやる!


 そう思い、サリクは<クローコントロール>で爪を伸ばした。ソワンははっとした表情をして後ろを振り向き、サリクがまだ戦えることを察した。


「悪あがき? 止めた方がいいわよ」


「この状況で言うセリフか⁉ このままお前を貫いてやるぜェェェェェェェェェェ‼」


 サリクは確実にソワンを倒すため、無我夢中で両手の爪を伸ばした。ソワンは大きく動かずにこの攻撃をかわした。


「はん! いきなりでビビったか? そんな動きじゃ俺の爪をかわせねーよ!」


 派手に動かないせいで、徐々に傷付くソワンを見ながらサリクは笑った。しばらくして、ソワンは動きを止めた。


「ふぅ……これでいいでしょ」


「あん? どうして勝ち誇った顔をしやがる?」


 サリクは自身を見下すソワンを見て、イラつきながらこう言った。その言葉を聞いたソワンはため息を吐き、言葉を返した。


「自分が今、どういう状況か把握しなさいよ」


「どういう状況? どういうって、俺がお前をすぐにでも殺せる状況じゃねーか」


「これを見ても同じことを言える?」


 そう言葉を返し、ソワンは自身の周囲を見るようにと体の動きでサリクに伝えた。サリクは周囲を見て、冷や汗をかいた。そこには、無我夢中でソワンを追いかけるため、伸ばした爪が絡まっている光景があった。


「し……しまった」


「ほら、やってみなさいよ。こんなに絡まった状態じゃあ、あんたもどの爪がどこの指の爪か分からないでしょ?」


「く……クソ!」


 サリクは<クローコントロール>で絡まった爪を戻そうとした。だが、細かく絡まった爪はなかなか元に戻らなかった。


「さて、終わりにするわ」


 と言って、ソワンは再びヒアラを鞘から抜き、サリクに近付いた。


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