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カマンズベリーの恨み


 プレイを狙う裏ギルド、カマンズベリーがウターンに接近している。この話を知ったムラサメたちは、すぐにウターンのギルドに話をした。役員は急いでプレイが前に所属していたギルドと連絡をし、カマンズベリーの情報を得ていた。そんな中、ムラサメはプレイから話を聞いていた。


「カマンズベリーは私が所属していたギルドの近くで活躍していた裏ギルド。規模は他と比べて少しは大きいけど、まぁ天才の私の相手じゃなかったわね」


「だけど、壊滅までには至ってない」


 ムラサメは緑茶を飲みながらこう言ったが、プレイはため息を吐いてこう言った。


「一人で大きな裏ギルドを秒で潰せると思う?」


 プレイはこう言って、アイスクリームを舐めた。プレイはわざと色っぽくアイスクリームを舐めたため、それを見たムラサメは少しムラっとした。そのことを察したリミスは、お湯が入ったコップをムラサメの頭の上に乗せた。


「おいリミス、何を乗せた?」


「熱湯。火傷したくなければじっとしておくことね」


「勘弁。ソワン、取ってくれ」


「嫌よ」


 ソワンはそう言って、プレイにわざと色っぽくアイスを舐めるなと言った。その後、ソワンが口を開いた。


「で、どうしてあんた一人だけ命を狙われるの? 他の戦士と一緒に行動していれば、その戦士にも恨みを向けられるはずよ」


「記憶にあるのは、私があのボスの彼氏を捕まえた」


「ボスの彼氏? つーことは、カマンズベリーのボスは女なのか?」


 変なところでムラサメが話に食いついたため、リミスはわざとムラサメの頭の上にあるお湯が入ったコップをこぼした。ムラサメが苦悶の声を上げる中、プレイは話を続けた。


「ボスの彼氏を捕まえた後、他の戦士がそいつを拷問して殺したって話をあいつらが聞いた可能性があるわね」


「拷問⁉ ちょっと待て、そんなことしてたんかよ⁉」


 拷問と聞き、ムラサメは顔を上げた。その時、机に頭をぶつけてしまった。ソワンは呆れながらもクルアの力でムラサメの治療を始めた。そんな中、リミスがプレイとの話を続けた。


「カマンズベリーの情報を得るために、カマンズベリーの団員に拷問をしたのね」


「その通り。私はやらないわよ。やったら無駄に恨みを買うだけだから。けど、一部の連中が殺された仲間の恨みと言って、拷問をやりすぎた」


 と言って、プレイはアイスクリームを食べた。話を聞いていたムラサメは、プレイ一人の責任じゃないのにと心の中で思った。




 その日の夜、ギルドのキッチンで夕食を食べ終えたムラサメたちは時間を潰した後、風呂に入っていた。


「なぁ、カマンズベリーの女ボスってどんな人か分かるか?」


 ムラサメは体を洗っているプレイに聞いた。ムラサメの横にいるリミスも女ボスのことが気になり、プレイの方を見た。視線に気付いたプレイは、自身が持っている情報を話し始めた。


「名前はベルマーロ。年齢は推定二十代後半。ムラサメが好きそうな体つきのねーちゃん」


「へぇ」


 ムラサメは笑みを浮かべたが、ソワンが<ホワイトバース>を使ってムラサメを凍らせようとした。そのことを知ったムラサメは、すぐに表情を戻した。


「名前、性別、年齢以外に情報は? どんな武器を使うか、どんなスキルを使うか情報はないの?」


「それがないのよねー。カマンズベリーの幹部クラスなら詳しい情報を知っていると思うんだけど、それがねぇ……」


「何かあったの?」


 ソワンがムラサメの猫耳をいじりながらこう聞いた。プレイは体の泡を流して落とした後、湯船に入って答えた。


「一応それらしい情報を持っている奴を拘束したの。女ボスの彼氏と一緒にね」


「で、拷問のやりすぎで相手の命を奪ってしまった。その話に繋がるんだな」


 ムラサメの言葉を聞き、プレイは頷いた。その時、あることに気付いたリミスはプレイに近付いた。


「どうして拷問したってカマンズベリーが察したの?」


「あいつら、夜中にギルドに侵入して、仲間を助けようとしたのよ。そこで、拷問された仲間が殺されたって知って、ギルド内にある悪人用の墓を荒らした」


「墓荒らしかよ。まさか、仲間の遺骨や遺品を取り返すためか?」


「ええ。拷問を受けて死んだ連中は、皆適当に燃やされて灰にされ、悪人用の墓の中にぶち込まれたの。それと同時に、遺品も雑にぶち込む」


「裏ギルドの連中にも、仲間内での情けはあるみたいだな」


「そうみたいね。カマンズベリーは他の裏ギルドと違って、仲間内の意識を大切にしていたのよ。だから、いくら拷問を受けても口を割らなかった」


 ムラサメの言葉を聞き、プレイは言葉を返した。少し沈黙が流れたが、リミスが声を出した。


「とにかく、どんな事情があろうとも、裏ギルドは裏ギルド。近付いてきたら、皆でぶっ飛ばしましょう」


「リミスの言う通りだな。プレイ、俺たちがいるからカマンズベリーが襲ってきても大丈夫だ」


「逆にやり返してやるわ。氷漬けにして汚い飾りにするのもいいわね」


 ムラサメたちの言葉を聞き、プレイは小さくありがとうと呟いた。



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