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イビルアイ発動


 ムラサメはギルドの戦士になるため試験を受けることになった。試験の内容は所属している戦士、ゴリマーチョを倒すこと。最初は女体化したことを忘れて攻撃を仕掛け、ゴリマーチョにダメージを与えることができなかった。しくじったムラサメだったが、わざと自身の乳をゴリマーチョに見せて隙を作り、その隙に魔力で込めた一撃を放った。その様子を見たリミスは、大きくため息を吐いていた。だが、その横で戦いを見ていた試験官は、笑みを浮かべていた。


「相手を油断させるのも戦法の一つ。ムラサメさんは戦いに慣れているようですね」


「あいつにはプライドってもんがないのかしら?」


 そう言って、リミスは一撃を当てて喜ぶムラサメを見た。




 ムラサメの攻撃を受けてダウンしたゴリマーチョは、歯を食いしばりながら立ち上がった。


「お前、それなりにやるじゃねーか」


「そりゃーどうも。お前、童貞か? 女の子の乳を見て動揺するなんて、童貞か女慣れしてない証拠だぞー! ま、お前みたいなゴリラに惚れる女はいなさそうだなー!」


 ムラサメは笑いながらゴリマーチョに向かってこう言った。その言葉を挑発として受け取ったゴリマーチョは、大きく息を吸い込んだ。


「この俺をコケにしたこと、後悔させてやる! 手加減の時間は終わりだ! 行くぞ、<クリエイトファントム>!」


 と言って、ゴリマーチョは地面を殴った。激しい音と同時に、リング中に白い霧が発した。


「うわ。何だこれ? スキルのせいか?」


「そうだ。俺のスキル、<クリエイトファントム>は自由に霧を作ることができる」


 霧の中からゴリマーチョの声を聞き、ムラサメはすぐに身構えた。だがその直後、後ろからゴリマーチョの右ストレートがムラサメの背中に命中した。


「ぐあお‼」


「どうだ? 俺の一発は効いただろ?」


 攻撃を受け、前に倒れたムラサメはすぐに立ち上がろうとした。だが、体が言うことを聞かなかった。


ぐっ……女体化したせいか、痛みが強い! 男の時は鍛えまくったおかげで、拳で殴られようが、フライパンでどつかれようが大したことはなかったが……。


 ムラサメは心の中でこう思いながら、痛みをこらえて立ち上がった。その様子を見たゴリマーチョは感心し、再び<クリエイトファントム>を使った。


 さっきより霧が濃くなりやがった。あのゴリラ野郎、か弱い女の子相手にマジになりやがって。


 そう思いつつ、ムラサメは自分の目の周りを触った。


「<イビルアイ>。あのゴリラ野郎の居場所を教えてくれよ」


 そう呟くと、ムラサメの視界に赤い枠で記された人の形が現れた。殴る構えをしていたため、ゴリマーチョがそこにいることをムラサメは察した。


「おらっ!」


 ゴリマーチョの大声が響き渡ったと同時に、渾身の右ストレートが放たれた。だが、ムラサメは事前にゴリマーチョの居場所、攻撃を察していたムラサメはその場から離れていた。


 しめしめ。あのゴリラ、俺がいないことを知って驚いていやがる。


 ムラサメがいないことで動揺するゴリマーチョを見て、ムラサメは小さく笑った。続けてムラサメは<イビルアイ>のもう一つの能力、情報収集を試した。探知能力の時と同じように、ムラサメの視界にゴリマーチョの情報が現れた。


 ほうほう。あいつの名前どころか身長体重実年齢、そんでもって血液型と生年月日と性別。基本的な情報があって、持っている魔力とスキルの詳細も書いてある。ほーう。性癖も分かるのか。あいつ、マゾなのか。あと、結婚してるのね。


 ゴリマーチョの情報を得たムラサメだが、もう一つ気になることがあるため、情報収集を続けた。そして、あることを知ったムラサメは笑みを浮かべ、霧の中で動揺するゴリマーチョに近付いた。


「よう」


「なっ⁉ そこにいたのか!」


 突如目の前に現れたムラサメを見て、ゴリマーチョは動揺した。ムラサメは笑みを見せながら、じっとゴリマーチョの目を見た。


「あいつ、何やってるのよ。攻撃するチャンスなのに」


 手を出さないムラサメを見て、リミスは思わず呟いた。その直後、ムラサメはゴリマーチョから離れた。


「ムラサメ、どうして攻撃しないのよ⁉ 今、攻撃できるチャンスだったじゃないの!」


「リミス、俺のことを心配してくれてるのかー? あれこれ言ってたけど、俺のことを気にしてくれたんだ。うれしーぜ!」


「バカ! そんなんじゃないわよ! それよりも、早く動かないとゴリマーチョが攻撃を仕掛けるわよ!」


 リミスは右腕を後ろに下げるゴリマーチョを見て、ムラサメに向かって叫んだ。ムラサメは笑みをリミスに見せ、ウインクをした。


「大丈夫。この喧嘩、俺の勝ちだ」


「はぁ?」


 リミスが声を漏らした直後、ゴリマーチョは右手で自分の顔を強く殴った。この光景を見たリミスは思わず言葉を失い、ゆっくりと後ろに倒れるゴリマーチョを見ていた。試験官も突如自分で自分を殴ったゴリマーチョを見て動揺したが、<クリエイトファントム>で発していた霧が消えたことを確認し、ゴリマーチョがダウンしたことを察した。


「勝者、ムラサメ!」


 試験官の言葉を聞き、ムラサメはガッツポーズをして喜んだ。その後、不思議そうな顔をしているリミスを見て、ブイサインを作った。


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