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現れたのはメスガキ


 ムラサメたちは風呂から出た後、各々のやりたいことをした。ムラサメはすぐに体と髪を乾かし、着替えをせずにベッドの上で横になった。


「お……お前ら……やりすぎだ」


 と、ムラサメは力尽きたようにこう言った。バスローブを身に着けて髪を乾かしているソワンは、ため息を吐いた。


「あんたもあんたでやり返したじゃない。その分を倍以上に返しただけよ」


「やられたらやり返す、倍返しだってどこかのドラマのセリフであった気がする」


 ムラサメは横になった状態で背伸びをした。そんな中、携帯を見たリミスが驚く声を出した。ソワンはすぐにその言葉に反応した。


「どうかした?」


「プレイがくるって。無理矢理こっちのギルドに移籍したみたい!」


「えええええ⁉ あいつもここに移るのー?」


 ソワンのちょっと嫌そうな声を聞き、ムラサメはリミスの方を向いて声を出した。


「誰だ? プレイって? 友人?」


「クラスメイトで仲が良かった子。頭はいいんだけど、ちょっと性格がね」


「頭の良い奴はどこかネジがぶっ飛んでいるもんだ」


「プレイは……一応常識は持っているけど……過剰な自信家なとこがあって、相手が格下だと思ったらかなり煽るのよ」


「うーわ。何だそいつ?」


 話を聞いたムラサメはそう言って、大きなあくびをした。


「そいつはいつこっちに移籍するんだ?」


「明日の昼。お菓子を持って出迎えろって」


「なんつー要望だ。駄菓子で十分だろ」


 ムラサメは笑いながらそう言って、しばらくして眠った。ソワンは全裸で眠るムラサメの上に布団をかけた後、リミスの方を向いた。


「プレイのことどうする? あの子のことだし、何が何でも私たちと一緒に行動するわよ」


「そりゃそうよ。学生の時は三人でいろいろとやったし」


「そりゃーねぇ。でも今は、ムラサメがいる。あの子、きっと……いや、必ずムラサメにちょっかいをするわ」


「そこなのよねぇ。不安が的中しなければいいんだけど」


 リミスはすやすやと眠るムラサメを見ながら答えた。




 翌日、ムラサメはウターンの町を散歩していた。退院したものの、まだ仕事を休んでいるのだ。


「あーあ、暇だなー」


 そんなことを呟きながら、ムラサメはあくびをしながら歩いていた。その時、突如女性の悲鳴が聞こえた。声を聞いたムラサメはすぐに女性の元に駆け付けた。


「どうかしましたか、お嬢さん?」


「あれ見て! でっかい虫が飛んでるわ! 気持ち悪い!」


 話を聞いたムラサメは、虫かと思いつつ、内心やれやれと思いながら空を見た。そこには、ムラサメの予想をはるかに超えるほどの大きさのバッタがいた。


「おわァァァァァァァァァァ‼ 何じゃありゃ⁉ バッタのモンスターか?」


 ムラサメが声を上げた直後、巨大なバッタは消えた。


「あら消えた」


「何だったのかしら……でも、消えてよかったわー」


 女性はそう言って去ろうとした。その時、ムラサメは女性の尻を見て、ちょっとだけ下心が生まれた。


「お嬢さん。よかったら俺とお茶でも飲みませんか?」


「悪いわね。私には心と体を許した彼女がいるのよ」


 と言って、その女性は去って行った。ムラサメは悔しそうに指を鳴らしたが、女性の言葉を思い出し、動きを止めた。


「心と体を許した彼女? まさかあんな美人がそんな……」


「やほー!」


 突如、ムラサメの耳に大きな声が響いた。思わずムラサメは悲鳴を出し、耳を抑えた。


「だ……誰だ⁉ 猫の耳は思っているより敏感なんだぞ! 大声を出すんじゃねぇ!」


 ムラサメは周囲を見回し、声を出したと思われる少女を見つけた。その少女はお団子ヘアーの金髪、小柄ながらも大きな胸を持っていた。そして、その背中には妖精のような羽が生えていた。


「ねぇねぇ、あんたがムラサメ・ツキカタナでしょ?」


「誰かに何かを訪ねる時は、まず自分から自己紹介するもんだ」


 ムラサメは耳の穴をほじりながらそう言った。少女は笑いながら、ムラサメに近付いた。


「キャハハ! 天才の私がそう簡単に他人に自分の名前やプライバシーを教えると思ってるの?」


「何だとこのガキ? 俺以上の巨乳のくせによぉ!」


 少し怒ったムラサメは、こっそりと<イビルアイ>を使った。その時、少女はムラサメの目をまじまじと見ていた。


「目の色が変わったね。それが大活躍の元?」


 この言葉を聞いたムラサメは、すぐに<イビルアイ>を解除した。


「俺の<イビルアイ>を見抜くのは君が初めてだ」


「キャハハ! やっぱり私は天才! あなたの秘密知っちゃった!」


「それがどうかしたよ? こっちもこっちでさっきの<イビルアイ>で君のスリーサイズを知ったんだぜ?」


「言いふらしてもいいわよーん。自慢できることだし」


「ケッ、自分のエロさを理解してんのか」


「何やってんのよムラサメ」


 ここでリミスがやってきた。ムラサメはリミスの方を振り返り、少女を指差した。


「変な子に絡まれたんだよ。俺の<イビルアイ>の存在に気付きやがった」


「その子が昨日、話で出ていたプレイよ」


「はぁ? このロリ巨乳メスガキが自称天才だとぉ?」


「自称は余計」


 そう言いながら、プレイはムラサメの額に右手の人差し指をくっつけた。


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