敗者の末路
サリードがクチアの手によって爆散した。その時に発生した爆発音を、遠くで戦うリミスとポバッツンは耳にしていた。
「爆発音? ムラサメ、ソワン……」
「ふーむ。私の仲間の誰かが、くたばったんでしょうねぇ」
そう言いながら、ポバッツンは変なポーズをした。リミスはその隙に攻撃を仕掛けたが、ポバッツンは自身のスキルである<スペシャルボディ>を使って体を固くし、リミスの攻撃を防御した。
「くっ! 仲間が死んだってのに、どうしてあんたは動揺しないのよ⁉」
「教えてあげましょう。クチアさんは、あまり人を信頼していません。バカで間抜けな犬畜生のように尻尾を振る奴だろうと、いずれ裏切って噛みつくとクチアさんは考えています。だから、あの人は私たち団員にある細工をしているのです」
「それは? 少しは納得できる話だけど、ちゃんと教えて」
「それ以上は言えません。口にしたら、私も爆散した仲間のようになってしまいますからねぇ」
そう言って、ポバッツンは右足を振り上げ、リミスの顔に蹴りを入れようとした。リミスはその動きにすぐに反応し、火の盾を発して攻撃を防いだ。
「いい動き、いい反応ですねぇ」
右足を戻したポバッツンは、再び変なポーズをした。リミスはバカを見るような目でポバッツンを見たが、その隙にポバッツンはリミスに接近して腹に左の拳を鎮めた。
「アバァッ!」
「私の美しさに惚れたのですか? 棒立ちでしたよ?」
うるさいと言いたいリミスだが、腹の痛みが予想以上に強く、声を出すことができなかった。腹を抑えながら何度も嗚咽したが、ポバッツンはその隙にリミスに攻撃を仕掛けた。
「そーらそらそらそらそら‼ さっきの勢いと元気はどうしたんですかぁー⁉」
叫び声を上げながら、ポバッツンは猛攻撃を始めた。<スペシャルボディ>による一瞬だけの体の硬化を、攻撃の際に使っているとリミスは判断した。だが、予想上のダメージを受けてしまい、痛みが体の動きを邪魔してしまっているのだ。
「そらァァァァァァァァァァ‼」
連続攻撃最後の一撃として、ポバッツンは力を込めてリミスを蹴り飛ばした。飛ばされたリミスは壁に向かって飛んでいき、激突した。
まずい! このままじゃやられる!
壁にめり込んだリミスは、吐血しながら心の中でこう思った。
ムラサメはリミスの魔力のブレを察し、後ろを振り向いた。ソワンはムラサメの様子を見て、リミスの危機だと判断した。
「ソワンはどこ?」
「後ろの方だが……クソッ、このアジトの中が迷路のようになってて、そっちに向かうのに時間がかかる」
ムラサメは悔しそうにこう言って、<イビルアイ>を止めた。それでもソワンはリミスを助けに行こうとしたのだが、上から小さい石の粒が落ちてくるのを見て、後ろに下がった。
「また、天井が崩れるのかしら?」
「ああ。俺もリミスのことが不安になってきたが、罠だらけのアジトじゃいつ合流するか分からん」
「それじゃあどうするのよ⁉」
焦ったソワンはムラサメにこう聞いた。ムラサメは少し間を置き、答えた。
「リミスが勝つってことを信じるしかない。俺らは先に進んで、クチアの野郎をぶっ倒そう」
「信じる……ね」
ソワンはムラサメの自身がなさそうな返事を聞き、ため息を吐いた。
「私もそうするわ。リミスは何があっても、危機を乗り越えるって」
「ああ……ソワンがそう言うなら、大丈夫だな」
と、ムラサメは小さく笑みを作ってこう言った。
壁にめり込んだリミスを見て、ポバッツンは下種のような笑みを浮かべた。リミスは額から流れる血を拭い、こう言った。
「気持ち悪い顔ね」
「スペシャルな私に向かって、そんなことを言うな。仕方ないだろう、今のボロボロの君を見て、私は勃起しているんだ」
そう言いながら、ポバッツンは股間を見せつけるようなポーズをした。リミスはポバッツンの股間に向かって、血反吐を吐いた。
「おっと、汚いなぁ」
「あんたの股間の方が汚いわよ、変態野郎」
反抗的な態度のリミスを見て、ポバッツンは笑った。
「君のその顔がどうなるか、楽しみだなぁ! あの時の女剣士みたいだ! この前、ギルドのパーティーがこのアジトに乗り込んだが……あっという間に蹴散らしたよ。あいつら、私たちの仲間を何人か惨殺したんだ。だからお返しとして、二人の男はズタズタにして殺し、二人の女は全裸にひん剥いて楽しんだよ! いやー、あの時は楽しかった! 剣士の女、仲間の剣士の男がズタズタにされるところを見て、生まれた直後の赤ん坊みたいにギャーギャー泣き叫んでいたよ! そんな中で、私は彼女を……無理矢理犯した‼ あの剣士の二人、付き合っていたみたいでなぁ! 他の男に抱かれるのが本当にショックだったみたいだ! 剣士の男も、愛した女が他の男に抱かれるのを見ながらくたばったから、さぞかしあの世で悔し涙を流しているんだろうなぁ‼ フハハハハハ‼」
ポバッツンの話を聞き、リミスの怒りが爆発した。
「黙れ。これ以上喋るな変態野郎」
と言って、リミスは魔力を開放し、ヒアラを手にしてポバッツンに接近した。
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