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逆転の一手


 ムラサメと<グレートフット>と言う足を強化するスキルを使うデーモンブレス団員、ディングレイとの戦いは激化していた。数々の予想外の手でディングレイを押すムラサメだったが、不意を突かれた一撃でムラサメは吹き飛び、遠くの岩山に激突した。大きなダメージを負って動けないムラサメの前に、ディングレイが近付いた。


「さぁ。終わりにしよう」


 ディングレイはそう言って、残る魔力を右足に込めた。その時、ムラサメはあることを察して<イビルアイ>を発動した。


「目の色が変わっただと?」


「魔力を使いすぎたな」


 驚くディングレイに向かって、ムラサメはこう言った。その直後、ディングレイは自分で自分のあごを強く殴った。


「あがっ……?」


 訳も分からず自分を攻撃したため、ディングレイは動揺した。その時、ムラサメは動いた。


「おらァァァァァァァァァァ!」


 ムラサメは気合で痛みをこらえつつ、ディングレイのあごに向かって右足の飛び膝蹴りを放った。攻撃を受けたディングレイは後ろに吹き飛び、地面に転がった。その時、ムラサメの後を追っていたリミスとソワンがやってきた。


「ムラサメ!」


「リミス、ソワン。援護は嬉しいが、あともうちょいで戦いは終わるぜ」


 そう言いながら、ムラサメは岩山から出てきた。傷を負ったムラサメの姿を見て、リミスとソワンは驚いた。


「その傷……」


「痛いけど動けるから大丈夫だ。この戦いが終わったら治療を受けるよ」


 と言って、ムラサメは立ち上がるディングレイを睨んだ。




 どうして自分を殴ったと考えつつ、ディングレイは立ち上がった。二度、あごに強烈な攻撃を受けたため、ディングレイは激しいめまいとあごの痛みを感じていた。


「ぐ……ぐうう……」


「どうして自分で自分を殴ったか理解してねーみたいだな。からくりを教えてくれって言われても、教えねーけど」


「うるさい猫だ……」


「粋がるなよ。虫の息じゃねーか」


 ムラサメは右手に魔力を溜め、弱ったディングレイを睨んだ。


「俺もテメーに蹴られた腹や肩がいてーんだよ。とっとと終わらせて、愛する人の治療を受けたいんだ。だから、とっとと倒れろよ」


「ふざけたことを言うなよ! 倒れるのはお前だァァァァァァァァァァ‼」


 ディングレイは叫び声をあげ、ムラサメに向かって走り出した。


 もう<グレートフット>を使う魔力も残ってねーのか。


 普通に走り出したディングレイを見て、ムラサメは勝機があると察した。ムラサメは<イビルアイ>を発動してディングレイを催眠で操った。


「なっ! か……体が……動かない!」


 自身の意に反し、動きが止まった体を見てディングレイは動揺した。


「特別だから教えてやるよ。俺の<イビルアイ>には催眠能力がある! 俺より魔力が弱い奴は完全に操ることができる! それなりに魔力がある奴は少ししか操ることができねーけどな!」


「なっ……まさかさっきの攻撃は……」


「俺の<イビルアイ>の力だ!」


 と言って、ムラサメは勢いよく右手を突き出し、巨大な風の拳を放った。


「あれはネコノテストレート!」


「強い魔力……これが当たれば、戦いは終わるわね」


 戦いを見ていたリミスとソワンは呟いた。だが、ネコノテストレートが発動したと同時にディングレイ原体の自由を取り戻した。


「その技はさっき見たぞ! まっすぐしか飛ばない単純な攻撃じゃないか!」


 と、ムラサメをバカにして笑いながらディングレイは左に飛んだ。その時、ムラサメは笑みを浮かべた。


「単純な攻撃? そうかな?」


 この言葉を聞き、ディングレイは不審に思った。その直後、ムラサメが放った攻撃はディングレイに向かって軌道を変えた。


「な……」


「俺のもう一つの必殺技。ネコノテフック。俺の技はストレートだけじゃないぜ」


 ムラサメがこう言った後、ネコノテフックはディングレイに命中した。


「グオオオオオオオオオオ‼」


 無数の風の刃で作られたネコノテフックはディングレイを巻き込みつつ飛んでいき、離れた地面に激突して破裂した。


「グワァァァァァァァァァァ‼」


 遠くに吹き飛びながらも、攻撃を受けたディングレイの悲鳴がムラサメたちの耳に聞こえた。リミスはディングレイの魔力を探知し、完全に立てないレベルに弱ったと察した。


「終わったわね」


「ああ……いやー、参った」


 と言って、ムラサメはその場に倒れた。リミスは急いでムラサメの元に駆け付け、ソワンはギルドに連絡をした。




 デーモンブレスアジト。隠しカメラ搭載の小型ドローンでムラサメとディングレイの戦いを見ていたクチアは深い息を吐いた。


「ムラサメと名乗っていたな、あの猫女」


 と、隣で一緒に動画を見ていた部下にこう尋ねた。部下の返事を聞き、クチアは立ち上がった。


「傷を負いながらもディングレイを倒すほどの実力者だ。あの猫女を格下に思わない方がいい。そう伝えておけ」


「分かりました。で……いつ、ギルドに攻撃を仕掛けますか?」


 部下の質問を聞き、クチアはしばらく考えてこう答えた。


「ディングレイがアジトを出て行った時に、アジトの居場所がばれた可能性がある。俺たちが攻めに行かなくても、あいつらがここに攻めにくる。その時、あのムラサメもいるだろう」


 答えた後、クチアは自室に戻って行った。


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